*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋-完結・前編-』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
あと最初なので
話題:創作小説を付けます。
次から、『純血の殺し屋』の完結・前編です⇒
story.1:『家庭崩壊』
バレンタインデーから、半年が過ぎた9月のこと------------。
水嶋は、所属していた交番の近くにある警察署に、巡査部長に昇進し、生活安全課の刑事になった。
毎日、街をパトロールしたり、事件現場に行ったり、駐在員をしていた頃より大変になったが、水嶋はやり甲斐を感じていた。
水嶋:「はぁ…はぁ…っ」
------------夜の20時過ぎ。
水嶋は自転車を漕ぎ、住宅街を走行していた。
警察署でこれから夜食を摂ろうとしていた時間、電話が掛かってきたからだ。
水嶋が電話があった住宅へ向かっていると、一件の住宅に一台のタクシーが駐車してあるのを見付けた。
すると、タクシーに一人の女性が乗り込み、走り去ってゆく。
その住宅の前に自転車を停めると、水嶋はその家の表札を確認してからインターホンを押す。
ピンポーン…
インターホンを押してから間もなく、玄関のドアが開き、双子の姉妹・葉隠里沙と真紀が出てくる。
里沙:「あっ…!」
真紀:「水嶋さ〜ん!」
水嶋を見付けるなり、2人は今にも泣きそうな声だ。
水嶋は玄関まで行くと、里沙と真紀の頭を撫でながら言った。
水嶋:「大丈夫か?お前たち、怪我はしてないか?」
里沙:「私たちは大丈夫だけど…」
真紀:「お父さんが…」
真紀の一言で、水嶋は部屋の奥を覗いてみると言った。
水嶋:「……部屋の中に入っていいか?」
真紀:「うん…」
里沙:「どうぞ…」
里沙と真紀の許可を貰い、水嶋は彼女たちと部屋の中に入った。
廊下を歩き、居間の扉を開けると、部屋の中は物が倒されていたり、花瓶が割れていたり、かなり荒れていた。
その部屋にあるソファーで、一人自分の怪我の手当てをする里沙と真紀の父親・雅彦がいた。
水嶋:「あの、お父様」
雅彦:「はい…?」
突然、水嶋に声を掛けられた雅彦が振り向いて言った。
雅彦:「どちら様ですか?」
水嶋:「あ。私、警察署の生活安全課の刑事で水嶋と言います。
先ほど私のケータイに娘さんたちから連絡があって、ご両親の喧嘩を止めてほしいと…」
雅彦:「あ、あぁ……そうですか。娘たちが…」
雅彦は怪我の手当てを終えると、ソファーから立ち上がって水嶋に頭を下げる。
雅彦:「わざわざ、こんな時間に駆け付けて下さり、ありがとうございます。…ですが、もう大丈夫ですから、お引き取り下さい」
雅彦はそう言うと、居間から出て行ってしまう。
居間から出て行く雅彦を見送ってから、水嶋は改めて部屋の悲惨さを目の当たりにする。
水嶋:「…一体、どうしたら夫婦喧嘩でこんなことになるんだ?」
里沙:「ここ2年くらい、ずっと喧嘩が絶えなかったんだけど…」
真紀:「ここまで酷い喧嘩は初めてで…。どうすればいいのか、分からなくて……」
里沙と真紀は困った表情を浮かべながら、こう言った。
真紀:「水嶋さんが来る直前に、お母さんが『仕事があるから』って言って出て行っちゃって……」
里沙:「お父さんもこれから仕事だから、私たちで部屋の掃除をすることになるかも…」
2人がそう言った後、居間に再び雅彦がやって来た。
雅彦:「じゃあ、お父さんも仕事に行って来るから、部屋の掃除、お願いね」
里沙:「分かった」
真紀:「行ってらっしゃい」
水嶋:「あ、あの!」
雅彦の言葉に里沙と真紀が従った時、水嶋は雅彦に言った。
水嶋:「私も、彼女たちと部屋の掃除をします。…そしたら、帰りますから」
雅彦:「……分かりました。よろしくお願いします」
雅彦はそう言うと、本当に仕事へ出掛けるために自宅を後にした。
玄関のドアが閉まる音を聞いた後、水嶋は小さくため息を付いた。
水嶋:(ちゃんと言うべきだったかな…)
20時過ぎたこの時間に、高校生とはいえ女の子2人を自宅に置き去りにするなんて出来ない。
だが、ここで雅彦と自分が揉めてしまったら、里沙と真紀が可哀想な気がした。
水嶋:「しょうがないかぁ…」
里沙:「水嶋さん…?」
思わず出てしまった言葉に、里沙と真紀が互いを見合うと、水嶋は苦笑しながら言った。
水嶋:「それじゃ、さっさと部屋の掃除をしようか!」
真紀:「う、うん!」
里沙:「水嶋さん、ゴメンね。
私たちのために駆け付けてくれた上に、掃除まで…」
2人が申し訳なさそうな顔をして言うと、水嶋は言った。
水嶋:「良いんだよ。
ほら!始めるぞ。ホウキを持って来てくれ。先ずは割れた花瓶を始末しよう」
里沙:「分かった。じゃあ、玄関からホウキを持って来るね」
そう言って、里沙がホウキとちり取りを取りに向かうと、真紀は俯きながらポツリと呟く。
真紀:「お父さんとお母さん……もうムリなのかな」
水嶋:「真紀……」
真紀の一言に、水嶋はどう声を掛けていいのか分からない。
この状況も、両親のことも、里沙と真紀にとっては苦痛だろう。
こんなことがいつまで続くのだろう……。真紀の背中はそう、切なく見えたのだった。
------------To be Continued...