悲観者

何もかもを覚えてられなくて手探りであの子達の形を追ってみた。刹は覚えているのか聞いてみると、「すこしだけ」なんて曖昧で泣き出す始末。昔に貰った写真は残ってる。渡そうとした何もかもも残してる。未練を残すことは許されないだなんて言ったのは秋子だったはず。

あのクソ犬はへらへら笑いながら送ったあれそれに反省をして尾を下げてる。ここ数年で変わった奴の顔はとても腹立たしいなあ。本当。駄目だね。

こんなところがあったんだなあと思う。よく分からないけど、またここで何かを残したってどうせ消えるのに。