noname

先輩。

あたしは先輩を亡くしたとは思わない。
いつか目を覚ましてくれる。そう信じてる。

いつも照れてぶすっとしてた先輩だから。
目を覚ましたら。
あたしは笑うから、笑って。
あの優しい笑顔を見せて。

先輩は柄じゃないって言ってたけど、あの笑顔が一番優しくて、
ちょっと寂しくて、あたしは先輩の笑った顔を見て、ああ、あたしはこの人が好きなんだなって思った。 

だから。

目を覚ましたら、迎えに来てね。
屋上で待ってる。
それまであたしは、ここを守るから。