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流れ星のような



話題:創作小説



木下さんと隙宮氏

本編は追記から





天才、そう、かもしれない。
でも、努力、することすら知らない毎日の繰り返しの中でドキドキした。
だって貴方が好きだ。
止まれって思っても止まらなくて。
傲岸不遜で高潔に誰よりも真面目に可愛くて。
立ち止まれないことなんか知ってた。
貴方は初めて会った日から特別で、誰とも違って見えたから。

消えない見えない止まらない。
続かない息は逃げ場さえなくして止まらなくて見たくないのに見えてしまう。
夢をつかめとどうにも不安そうに笑って。
悲しみは貴方の隣であれば感じられたんだ。
それ以外に心揺さぶられない。
喜びなんてほんの僅かなことで生まれる。
貴方の一言に舞い上がって、貴方の微笑みに悶えた。
怒りの感情は貴方のためならいくらだって沸き上がる。

それでもある程度して気づいてしまった俺は、キラキラと落ちてゆく貴方に何も渡さないと決めた。
貴方は俺に貴方を何一つくれはしないから。
俺の感情は貴方には届かないから。
退けられてしまうから。
逃げも隠れもせず真正面からいらないと真摯すぎる対応で冷めたことを貴方は言う。

貴方なら構わないのに。
俺の信念を曲げたって。
一生据え膳に手さえつけずに我慢するのに。
貴方が死ぬなら一緒に死んでも構わないのに。
貴方が望むなら何だってあげるのに。

きっと俺にはもう貴方を地上から見上げるのがお似合いなんだろうな。
願いを聞き届けてくれたりなんかしない。
けれど、そんなの知ってて、そうだったから特別で、誰とも違って見えた。
好きになったのはそれは必然で、好かれないのもだからこそ必然なんだ。
貴方が誰とも違ったから、俺を嫌い続けるような人だったから、何も叶えてくれないようなただそこにあるだけで惹かれずにはいられない光だったから。

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