先日ふと、スガシカオさんについて、彼はなぜ、事務所から独立したのだろうと急に気になりました。
ずいぶん前になりますが、ニュースで見たときは、なんでまた、と思いました。そんなことして大丈夫なのか。初心忘れるべからず?ってこと?よく山にこもって作曲するらしいけど、それに似た、ひとりになりたい的なこと?
そういう感想だけにとどまっていたけれど、急に気になった理由というのが、先日雑誌で見たインタビューでした。
立ち読みだったので曖昧ですが、たしか、「こちらが命をかけて伝えようとしている、ということを本当の意味で伝えるには、ここまで自分でしてみせなければならないと思った」みたいな意味合いだったはずです。
それから、公式ホームページの本人の言葉と、事務所の代表の方の言葉を読むと、どうやら音楽業界の行く末への不安と衝動から、みたいな意味もあったようですね。
何に驚いたって、その代表の方の言葉です。
経営やスガさんが組織にとってどうか、ではなく、音楽業界にとって、彼にとって、彼が持つ可能性について、お話しているというところでした。
貴重な存在なのではないでしょうか。
そして、まだ社会の荒波にもまれていない私には計り知れないであろうスガさんの苦しみも、わからないなりに、ジンワリわかってきています。
スガさんのprogressをはじめて聴いたときに似た、あの感じ…
彼は自分を追い詰めて、考え詰めて、それで自分を形成している。
自分を維持している。
それは向上心の象徴。同じ場所にとどまらず、限界を決めず、今の状況を常に疑う。
私は最近まで、正確に言えば今もまだ少し、組織に入れないと生きていけないかのような脅迫にも似た感情を抱いている。自分が浅はかだなあと思うわけです。
正しい答えはないんですけどね。
でも、自分は考えすぎるわりに、考えが甘い、考える方向が、考える対象が。
アーティストと名乗れるのは、いつの日か。
スガさんのこともっと好きになりました。時間はかかるかもしれない。彼が出した答えが作り上げる音楽が、どうなっていくのか。
リスナーとして、楽しみ。
しかし、今考えると、私ってほんと、「人の気も知らないで」…