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るひたん!+62巻


久々に更新です…ごぶさたしております。

るひたんに何かしたかったのですが、何も準備してないので今年は神サイト様方で楽しむ専門になりますw

ルフィおめでと!




そういやワンピ62巻見ました!

キラーの食事とか、キャスじゃなくてシャチだった事とか、ローの「〜屋」の事とか、色々な情報がわかる62巻でした(^ω^)


君に甘味を5





「俺のチョコはひと味違うぜ、ルフィ。…お前はそろそろ甘さに飽きている。違うか?」

「…まぁ、さすがにちょっと違うモンも食いてぇかも。でもサンジのそれも、チョコのフルコースにしかみえねぇんだけど」

「あぁ。そうだが…まぁ食ってみればわかる」

「…あれ?あんま甘くねぇ」

「そっちはカカオの濃い、苦みをいかしたトリュフだ。こっちのチョコフォンデュも、フルーツの酸味を引き立てる味に仕上げた。こっちの飲み物はミルクをベースにまろやかに、それでいてあっさりと…」

「どれもうめえ!…こっちの丸いのは?あっちのケーキも綺麗だな!」

「これは餅にチョコを練り込んだものだ。ホワイトチョコのケーキは、あれで甘さを控えてある。お勧めだぞ」

「さすがサンジだな!いくらでも食べれそうだ!」

「こんだけ食っても夕飯もバッチリ食うんだろ?」

「サンジのメシは最高にうめぇからな!いつもありがと、サンジ!」

「おい待てルフィ…」




ギュッ、と抱きつこうとしたルフィを止め、その口もとについたフォンデュのチョコを指で拭ったサンジは、そのままペロリとその指を舐めた。

…ゾロの方を見ながら。不敵な笑みを浮かべて。




「そのまま抱きつかれちゃ、俺のスーツが汚れるだろお前」

「しししっ、ごめんなサンジ!でも、もうお前が拭いてくれたから大丈夫だよな?」

「おいおい、なんのつもりだルフィ?」

「感謝のきもち!いつもありがとうサンジ!」

「じゃあ俺も感謝を返さねえとな、船長。…俺をお前のコックに選んでくれて、ありがとう」





(あのぐる眉野郎が…!)




再び抱きついたルフィを、今度は止めずに、逆に抱き返すサンジは、幸せそうに微笑んでいた。

サンジはもう、ゾロになど構う暇もないのだろう。
先ほどまではゾロに向いていた不敵な笑みは、今は無かった。




バレンタインデーというこの日に、少し抜け駆けをしてライバル達よりちょっぴりリードをするつもりが、サンジに一歩も二歩も先を越されたゾロは、唇をかみしめたのだった。



この後、ロビンやナミもまた、ルフィに小さな手作り菓子を渡していた事は、知らないゾロである。






終わり
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君に甘味を4




なぜ敵船の方がここに居るのだろう、と不思議に思っている様子のブルック。
どうりでさっきから少し騒がしいと思った、とため息をつくナミ。
あら、この人達も来たのね、といった様子で笑っているのはロビン。
フランキーは、ルフィやチョッパーやウソップと一緒になってお菓子サニー号に目を輝かせている。





「おい、ルフィ!」






そこにまた、別の声が聞こえた。サンジの声だ。



「何だサンジ!メシの時間には少し早いぞ?」

「今日は特別に、船長だけのおやつフルコースを準備した。来い」

「マジでっ!?いつもはナミとロビンばっかひいきするのに!」

「…今日は、特別扱いはお前だけだ」




サンジの熱烈な告白…と、ルフィ本人は理解していないようだが。
サンジの料理の腕はルフィが一番よく知っている。そんなサンジがルフィだけ『特別』の『おやつフルコース』を振る舞うというのだ。

ルフィの意識は完全にサンジ(のもてなし)に向いた。




「あ…」

「ちょっ、」

「待て!」





というローやキッドやクロコダイルを置いて、ルフィはさっさとサンジの方に走っていってしまった。


「せっかくだけど、うちの船長との面会時間は終わりのようよ?」

とロビンが告げると、3人の(招かれざる)客は、肩を落として帰っていったのだった。





















ゾロは陰からコッソリ、サンジにもてなされるルフィを見ていた。

サンジもこのバレンタイン行事の事をあらかじめ知っていたのか、と悔しく思う。
でなければ物資のないこの海の上、この量の、この質の準備ができるはずもないのだ。




「ルフィは、今日は甘いモンたくさん貰っただろう?」

「うん!あの3人の前には、ゾロにチョコクッキーももらった」

「…あぁ、それは知ってる。何日前だったか、キッチンの器具の配置が変わってて不思議に思って調査したら、あのマリモがロビンさんに教わりながら菓子の練習してたんだ」

「そうだったのか!ゾロの奴わざわざ練習したのか!」




バラすなよ、とサンジに怒りを覚えつつ、陰の努力がルフィにバレた恥ずかしさに赤面するゾロである。




「ゾロもだけど、あの3人も…サンジも。なんで今日はおれにいっぱい菓子くれるんだ?それもチョコばっかり」




首をかしげたルフィに、サンジは笑うだけで、ルフィの問いに答える事はしなかった。





続く

君に甘味を3





「何だよ、二人とも!決闘か?いいぞ、ローの菓子食った後ならいくらでも相手してやる!」

「トラファルガー…来てやがったのか…」



ニヤリと笑うローに気付いたキッドは、先をこされた悔しさからか舌打ちをした。
その横では、クロコダイルがローとキッドには目もくれずルフィに言い寄っている。




「口を開けろよ、麦わら」

「何だ?ワニもなんか食わしてくれに来たのか?」

「あぁ…だが俺のは甘ったるいだけの菓子じゃねぇ。大人の味を堪能させてやる」

「…ふつうのチョコじゃねぇか」

「中にリキュール…酒が入ってる。美味いぞ?」

「ホントか?じゃあ、くれっ!」

「だから、口を開けろと言っているだろう?」



ぱか、と口を開けたルフィにクロコダイルはニヤリと笑い、その手でチョコレートの粒を入れてやる。




「っ、てめぇ!そうやって、麦わら屋の唇についつい触れちまった☆…みてぇな姑息な真似を!俺もそうすれば良かった!」

「てめぇは用が済んだならさっさと帰れ外科医!目障りだ!」



クロコダイルの所業を見たローが口走った事と同じような事を、一瞬自分も感じていた事に気付いたゾロは

(あの変態医者レベルに落ちてたまるか!)

と頭を振りながら、キッドの意見に心の中で同調した。そうださっさと出てけ、さもなくば斬るぞ、と。
もっとも、彼にとってその対象はローだけでなく、キッドやクロコダイルも含まれるのだが。




「おい、麦わら!…俺も今日は決闘のつもりじゃねぇ」

「キッド。もしかしてそのでっかい包み、」

「お前にこれを渡しに来た。…うちのクルーはあまり甘いモンくわねぇし、お前ならと、思って…」

「すっげぇ!サニー号の形してる!」




キッドの包みは相当に大きく、人ひとり入れるくらいの大きさのラッピングから取り出されたそれは、お菓子の家…ならぬお菓子のサニー号であった。
『うちのクルーはあまり甘いモンくわねぇし』とか何とか、さも『ウチじゃ処分できない菓子だから処分して欲しい』みたいな、言い訳のような事を言っていたキッドだが。
…明らかにルフィの為にわざわざ作られたものであった。

船首から、甲板、帆など、チョコをベースに飴や焼き菓子などを用いて船の外装をしっかりと再現されたそれには、ルフィのみならずゾロやローやクロコダイルすら目をむいた。




「よく出来てんなぁ、キッド!まさかお前が作ったのか!?」

「菓子作りをうちのコックに教わってな。元々工作は得意だったし、自信作だ!…あぁ、いや、でもなにもお前のために作ったとかじゃねぇ、ただ気が向いて菓子を作ってみて、たまたま頭に浮かんだこの船の外装をだな、」

「うん!すげぇ、食べるのもったいねぇくらいだ!食うけどな!」

「…そ、そうか?」




照れるキッドはどこの乙女だという程に赤くなっているが、それに気付くルフィではない。

ただただ大はしゃぎのルフィの声に、船内からはぞろぞろと一味のメンバー達が出てきた。





続く

君に甘味を2






「麦わら屋ぁ!」


ざばぁ、といきなり海面に顔を出した潜水艦。
そのマークはハートの海賊団のもので、聞こえたのは確かに忌々しきその船長の声であると、ゾロは眉を顰めた。



「あれ、ロー?なんで此処に?偶然だなぁ!」

「偶然?…違うぞ麦わら屋、俺たちは運命の糸で結ばれ、」

「なんか用か?」

「………」



バッサリ。
いい気味だと密かに笑うゾロだったが、もはやデュバル並のポジティブをもってルフィにアタックを続けるローは、気にもとめずに箱を差し出した。



「辛辣な麦わら屋もまたそそるぜ…!俺を誘ってんのか?」

「意味が分かんねぇんだけど」

「それより今日は麦わら屋の為に特別なものを用意したぜ!」

「何だその箱」

「ふふっ、東の伝統行事だと聞いてな。あけてみろ」

「…?うん」



ルフィが開けた箱には歪な装飾がされたチョコレートケーキ。



「このケーキ、おれに?」

「俺が自分で作ってみたんだ。見た目はアレだが味は保証するぜ?」

「手作りか!サンキューな、ロー」

「いや、いいって、そんな抱きついたりキスしたり裸で俺の上に乗ったりしてくれなくても」

「……いや、おれそんな事しねぇけどさ」




またもやバッサリ。…当然だが。

それでも、「早速食ってみていいか?」と嬉しそうにしているルフィの様子に満足したのか、ローは機嫌良さげにルフィを見ている。

それを見たゾロはというと、舌打ちだ。
せっかく今日、ライバル達を出し抜いて手作り菓子を渡し。そういった小さな積み重ねで、いずれ差をつけるはずだったのに。
同じ事をされては意味がない。


(いつまで敵船でゆっくりしてやがるあのクマ野郎…これはもう、斬っても良いって意思表示だよなぁ、トラファルガー)



静かにゾロが刀に手を伸ばしかけた、その時だった。






「いるか、麦わら!」

「小僧、ちょっと来い!」



「キッド?…ワニも!」





また、ゾロの敵が現れた。




続く
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