話題:あなたの自作小説

彼には故郷と呼べる場所が無かったから、

私は彼の故郷を作りたくて、
彼の好きな松葉菊が沢山ある小さな喫茶店を開いたの。

ふらり自由気ままな彼は不定期に「近々帰るよ」と旅先から手紙をくれる。

手紙も嬉しいが何より嬉しいのは「帰る」と書かれた文字。

彼は此処を故郷と思ってくれているのね、そう思えるからだ。

弟の様に可愛がっている店の子には「一方的な連絡とたまにしか寄らない人なんて、なんで待っていられるんですか」と聞かれ、
その後呟く様に「新しい人、探せばいいのに」なんて言われてしまう。

いつもそう言われ、苦笑するようにはぐらかしてきた。
その子はきっと私と彼の関係を勘違いしている。

何度目かのその問いに私はコルクボードに止めてある、彼からの手紙を見ながら答える。

「私はね、妻になりたい訳じゃないのよ」
「?」となっているその子を横に私は言葉を続ける。

「私はね、彼の‘故郷’になりたいの。
故郷ってそう頻繁に帰らないでしょう?」
微笑みながらその子に言うと、少しの間の後に
「よくわかりません」と首を傾げ言った。

「ふふ、わからなくていいのよ」

そして私は今日も彼からの手紙を待ち、店を開ける。

店の名前は、喫茶サウダーデ。

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微妙ですね。もう諦めた←←
‘彼’が帰ってきて終わろうか悩んだけどいっか とw

Saudade ポルトガル語でサウダーデ、
サウダージはスペイン語だったかな?

意味は...会うことが出来ない、亡くなった人や、別れた人、
故郷に、懐かしくて胸の張り裂けるような気持ちに、苦しみではなく甘美な想いを感じる。

言葉にし難い情感です、ノスタルジアとも違うし...・ω・`

因みに画像が松葉菊、
花言葉は心広い愛情・のんびり気分・無邪気です・ω・*

なんの植物にしようかな と思いながら、

心広い愛情の意味のこれが浮かんだから、松葉菊にしましたw