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第1話5

「チッ!!魔王の遣いの者か!!」



天使は素早く剣を収め翼を羽ばたかせ

「ここは一旦引かせてもらうよ。悔しいけど今の僕じゃあ君には到底及ばない…娘、今回は命が助かったと思え!!あと僕は変態じゃないからな!!」



そう言うと天使は消えそれと同時に足元にあった氷も無くなった




「なんだったんだろ…あれ」


フラッ


ミツキは恐怖感から一気に開放されたせいか地面に倒れ込みそうになったが

燕尾服の男に抱き抱えられた

「大丈夫でございますか?」

「す、すみません何だか安心しちゃって…あの、あなたは確か雑貨屋さんの…」



「はい、あのお店でお会い致しました。」


顔が近いからよくみえるが、とても整った綺麗な顔立ちをしている


きっとジュノンボーイコンテストとか出たら優勝間違いないんだろうなぁとミツキは思った


「さあ、参りましょう」



突然よっと男はミツキをお姫様抱っこする形に抱き上げた



「え?ちょっと待って何?どこ連れて行こうとしてるんです?」

これは誘拐か?それとも…とミツキは頭の中でぐるぐる考えを巡らせていると



「あぁ、説明が遅くなってしまい申し訳ございません。私はとあるお方のご命令で貴女様をお迎えに来ました」


(とあるお方?)




すると突然また指輪が光出した




「また光った…!?」


「やはり貴女様はソロモンの指輪の継承者に間違いございません…ずっと、ずっとさがしておりました……………姫君」






すると男はミツキの手をそっと取り手の甲にキスを落とした







「姫君…!?何言って…っ!!」



突然視界が




ぐにゃりと、歪んで






ミツキは深い眠りについてしまった









「ソロモンの指輪の影響でしょうか…一刻も早くあの方の元へお連れしなければ」






男がパチンと指を鳴らすと空間に裂け目が現れ、それは徐々に大きくなりその中へミツキを連れてその中へと姿をけしていった…ー
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第1話4

「何これ!?」

足元に目を向けると地面から足首のところまで氷っていた


「そう簡単に逃げれると思った?ははっいい度胸だねぇ」


天使と名乗るその男はゆっくりとミツキに足を運ばせる


「君には罪は無いのだけれど、これも上からの命令なんでね…残念だけど」


男は剣をミツキの頭上へ振り上げた


「ここで死んでもらう。じゃあね」



(私ここで死んじゃうの?嫌だ怖い…!!)

ミツキは思わずギュッと目を瞑った

剣はそのままミツキの頭に向かって一直線に振り下ろされたその時




ガキィン



目の前に人の気配を感じた





「おやおや…無防備な女の子にいきなり襲いかかるとは、天使はどのような教育をされてるんでしょうかねぇ…」

雑貨屋さんで聞いた聞き覚えのある声

恐る恐る目を開けるとそこには…



「店員のお兄さんっ!?」





銀色の髪をなびかせ、真っ黒な燕尾服を着ていて見たことのない剣でミツキを庇うように天使の剣を抑えていた

第1話3

帰り道はみどりと方角が一緒なので途中まで歩いて分岐点でじゃあね、と手を振り別れた



ミツキはポケットの中にしまってある指輪を取り出しまたじっと見つめる



(さっき紅く光った…よね…?気のせいかな)



そういえばサイズ見ないでもらっちゃったということを思い出しミツキは試しに指輪をはめてみることに




「あっ、ピッタリ」


指を広げて空にかざしてみる



すると突然







指輪が紅く光だした





「うわっ!」




眩しくて思わず目を閉じる




何秒かしてゆっくり目を開けるとそこには…


背中から白い翼を生やした男がいた






「ははっソロモンの指輪の継承者がこんなにあっさり見つかるとはねぇ」



男は手に剣を持ちミツキに近づいてくる





「あと少しで魔界が落とせるという時なのに出てきてもらっちゃあ困るんだよねぇ」


「すみません何のことを言っているのか分からないんですけど…あっ宗教の勧誘とかだったら他でやってもらえます?うち肘神様崇めてるんで」


「はぁ!?何その神様聞いたこと無いんだけど!?」

「いい歳して公衆の面前でコスプレとか恥ずかしくないんですか?新しいプレイか何かですかそれ。すみません私そういう趣味無いんで」

「ちーがーうーっ!!これ何に見えるの!?天使!!僕天使!!これ、翼!!羽根!!分かった!?エ・ン・ジェ・ル!!」
変態男(?)は背中の羽根をバタつかせながら叫ぶその姿はまさに、目の前でグッズが完売してしまって発狂している人のようだ

「あーゲームのやり過ぎで自分が天使だと勘違いしちゃってるんですね可哀想に…病院ならそこの道を左に曲がって突き当りにありますよ」

「あーありがと…って何なの君何なの!?天使って言ってるじゃんもう頭きた!!おこだよ!!激おこ!!」

「はぁ…あなたのような変態と付き合ってる暇無いので」



この人けっこうヤバイかも…と感じ後ずさりしようとしたが


「っ!?」


足が動かない

第1話2

所変わってこちらは人間界


空は夕焼け、学校のチャイムが放課後を知らせる



「やっと放課後だ〜」

んーっと背伸びをする

東雲ミツキ、高校2年生。お菓子が大好きなごく一般的な女子高生である



「あっねぇねぇミツキ」
鞄を肩にかけ机から立ち上がるとクラスメイトのみどりが寄ってきた

「帰りさぁ、ちょっと寄りたいところあるんだけどいーい?」

「別に良いけど…」

「やったー!学校のすぐ向かい側に今日雑貨屋さんオープンしたんだって!さっき休み時間に学校抜け出して行った子達に話聞いたんだけどすんごく可愛いのがいっぱいあるって聞いてもう行きたくて行きたくて!」

みどりは可愛いモノには目がなく、スクールバッグに連ねられているぬいぐるみたちがそれを物語っている


みどりと授業の愚痴や先生のモノマネ等しながら学校を出て歩くとすぐに着いた


「ここだよここ!ほら中に入ろーよ!」

「う、うん」

外観は淡いピンクのドールハウスのような造りをしていて女の子だったら嫌いな子は恐らくいないだろう


みどりに誘われるがまま店の中に入った



「わぁ…」


中に入ると、そこはラブリーな雑貨が沢山並べられており照明はシャンデリアとかなり凝っている


「あっ!ねぇ見てみて!願い事が叶う指輪だって!」


「へー…」


ミツキはこの手の類のものは信じない



内心憂さんくせぇ…と思いながら指輪が並んでいるショーケースを眺める






「ん?」



どれも同じような色形をしているがひとつだけ興味をそそられるものがあった




「ミツキこういうの興味無いって言ってたけど、まんざらでもないんじゃない?」


「べっ別に興味ないし!ちょっと見てただけだし!」


また指輪の方に目をやると


「えっ?」


その指輪だけ紅く輝いているように一瞬だが見えた


「ふふふ…おやおや、そんなに見つめて…良ければ扉をお開けしましょうか?」


突然背後から声がしたので振そちらにり向くと、どうやら店員らしきお兄さんが鍵を持ってショーケースの扉を開けてくれた


ガチャ



「どうぞ」



ニコッと笑って店員のお兄さんはミツキが気になっていた指輪を差し出す



「えっ何でこれが…」

「先程からずっと見つめておりましたから、分かりますよ」


銀色の髪を耳にかけながら微笑むその姿はこの世のものとは思えない程妖艷だ

女の子たちの違う目的でもここに来る理由が分かる


「良ければこちら差し上げますよ」

「へっ?」

「えぇっ!?ミツキラッキーじゃん!!いいなぁ〜」

「ご友人の方もお好きなものをひとつだけどうぞ。今回はオープン記念ですから、あなた方だけ特別です」

他の人達には内緒ですよ、と言って人差し指を口に当てた

「ええええ!?良いんですか!?やったあー!!」


飛び跳ねながら喜ぶみどりを後にミツキは指輪を眺める



(なんだろう…なんだか懐かしいような、落ち着くような…)










「世の中には出逢うべくして存在するモノがあると言われております」

店員のお兄さんはミツキにお店の名前が書かれているカードを渡した




「運命というものはお互いに惹かれ合いそして必然的に出逢うモノ…その指輪と貴女はもしかしたら惹かれ合ったのかもしれませんね」

お兄さんがニコッ微笑むと周りから黄色い声があがった



「決まった!!私これにする!!」


ミツキとみどり除いて











第1話

空は闇に染まり、少し紅みががった月が浮かび上がる夜

黒い巨大な柱が何本も建ち並ぶ巨大な城の中では会議が行われていた


「このままではまずい、緊急事態ですぞ」

とても深刻な声色が辺りに響きわたった

人の姿をしているが人ではない、ましてや天使でもない…そう、ここは悪魔の住む魔界である

会議をしている連中はいわゆる魔族という一族でその中のトップクラスの者たちばかりが集まっているようだ


「例の日まであと何日ある?」

「ひいふうみい…あと3日間ですな」

そう言った悪魔の背後には巨大なカレンダーが設置されており、過ぎた日にちには赤で×が書かれている

「あと3日…!?絶望的だ…!!」
「このままでは儀式はおろか式典すらできぬ上この国は滅んでしまうぞ…!!」
「魔界始まって以来の惨事になりますな」

「魔王の御子息様が突然居なくなってから17年…未だに見つからぬままとは…」
「そのお陰で魔王は精神的に参ってしまって国の政治はおろか天界の者たちに見下される始末」
「あぁ一体どこにおられるのだ…」

会場がざわめき始めたその時


バァン!!と扉を豪快に開ける音が響き

息を切らせた赤髪の男が現れた

「ハァッ…ハァッ…」


「「「魔王様!?」」」


魔王と呼ばれたその男は呼吸を整えるとものすごい笑顔で叫んだ

「子どもの居場所が分かったんだ!!さっき!!さっき分かったんだ!!やっと見つかった!!俺の唯一の…!!」

一同絶望から歓喜の声に変わりうおおおおおと城中に響きわたる


「よくぞ…!!よくぞ探し出しましたな魔王!!」

「天晴れでございます!!」

「して、どちらにいらっしゃるので?」


魔王がビシッと指を上に向け



「人間界!!」



その一言で一同喜びの表情から一転焦りの表情に変わる



「えっちょっマジですか魔王様!?」

「人間界なんぞに…!!」

「あそこはエクソシストやら悪魔退治に長けた連中や天使堕天使の溜まり場じゃないですか!!」


しかし魔王はふふんと鼻を鳴らし
「大丈夫だ心配するな、もう先手は打ってある。既にあいつが人間界に行っているから心配ない」














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