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春樹さん

ハムスターを買った



キンクマハムスター



しかもN澤の了解を得て
営業中に買った



静岡生まれの男の子なわけで

ゆうじクンの
同郷のよしみだと思った


混雑する山手線の中
カバンの紐が
腕に食い込みながら
頑張ってゆうじクンの家まで運んだ



思った以上の反応だった

もともと動物が好きで
世話好きな性格だから
喜ぶとは思っていたけれど
それにしてもテンションが上がっていた


聞けばハムスターを
飼ったことがないよう



カメラを取り出して
バシバシ撮影していた


ケージやら巣やら
手作りしてやる、とか
言っていた


アタシとしては
喜んでるゆうじクンを
見ているだけで
幸せで満足だった






いつの間にか
眠ってしまった


ベットからスルリと
降りると
ふとハムスターのケージの周りに
何かが巻いてあった



みてみると
膝掛けだった


ハムスターが寒くないように巻いてくれたのだろう



この人に任せて良かった



アタシはハムスターぢゃないけれど
なんだかちょっと
嬉しかった

紅鮭

まるで
駄々をこねる
幼子のようです





最近のアタシは




会社もわからなければ
駄々をこねる



ゆうじクンにも
自分の感情が
うまく伝えられなくて
駄々をこねる


しまいには泣く




アタシは
いつからこんな
甘チャンになってしまったんやろか…




ゆうじクンに
べったり



片時も離れたくない
って願ったら
ゆうじクンは
それを察して
側にいてくれる



だけどその生活は
なんて怠惰




どうして




本当はなんだかんだ言って
ゆうじクンがいなくても
やっていけるだけの
強さはアタシには
あるはずなのに



何にもわからないふりをして
自分をたぶらかして
だけどそんな毎日が
愛しくて
急激に命を削ってる






アタシはそうして
いつか急死する




そんな気がする
2012年

八神

最近は眠たくて
眠たくて仕方がない




きっと生理が近いのだ



それか退屈なのだ



ゆうじクンとアタシは
最近寝てばかりいる



眠って眠って
ひたすら眠る



起きない
目を覚まさない
どちらも、ずっと


ゆうじクンは
もっぱら
起きているときは
iPod touchをいじっている


アタシは構わない


だって眠たいから


アタシだって
携帯をいじりたいから




今日づけで会社が終わった


明日から中澤さんのもとで働く



同行以外は
私服で良いらしい



ラッキー
私服がよい


私服が気持ちよい



眠たい目をこすって
起きなくてはならない


アタシもゆうじクンも



クリスマスが近いのに
アタシたちは憂鬱だった

My name is over.

みんなから陰口言われてるみたい

だけど構わないょ
なんて言われてようが
アタシはアタシなんだから


ってか、気づいたら人生初の問題児だょ



そう言いながら
声が詰まって


気づいたら泣いていた


声も挙げずに泣いてるアタシを
ベッドに横たわったままのゆうじクンが撫でた


「本当に泣き虫だな、お前は」



そう言ってアタシを
ベッドに横たわらせると
抱き寄せた


鼻を鳴らせながら
なんだか懐かしいにおいに包まれて安心した




会社を辞めることにした

代わりに中澤さんの会社に行くことにした


「これは引き抜きだから」


中澤さんが
皮肉そうな笑みを浮かべた


アタシは何にも言わないまま
頷きもせず
中澤さんを真っ直ぐみつめていた



この人のことを
尊敬することは
この先一生無いだろう
と、小さく心の中で呟いた



思った通り
会社内での扱いは
雑なものになった


誰も悪くないが
強いて言うなら
中澤さんが悪いような状況になった



上野さんとも
何度かぶつかった


だけど中澤さんにする
それのような反論が
何故か上野さんには出来なかった


アタシは
上野さんが好きだった



異性としても
憧れていたし
円満そうな家庭の話を聞く度に
良い夫としての姿に
憧れていたし
アタシに指導してくれるときの
厳しい物言いと
温かな思いやりが
自分の家では遠い存在の
お父さんを思わせて
尊敬していたのと同時に甘えていた



そんな上野さんだからこそ
怒鳴りこそはしないものの
「君みたいな甘ったれた学生の物言いには聞く耳もちたかないょ」
とハッキリ言われたときのショックは言い知れないものだった


日に日にアタシへ
無関心になってゆく上野さんや
社員さんの中で
アタシは孤独で自由だった


それはそれで良かった


悲しいことが無い代わりに嬉しいことも無かった

それでも気だけは楽で
怖いような仕方ないような気分に支配されていた

ゆうじクン家に行ったとき
最初は笑い話のようにはなしていたのに
気づいたら泣いていた


本当は辛い

なんて言えなかった


だけど孤独で自由な分
そういう素直な自分を
無理やり押し込めていた


辛い
辛い
辛い


寂しい
悲しい
助けて



今だけぢゃない


アタシの人生
そういう言葉は極力押し込んできた


言っても誰も
助けになんかこないし
結局なんとかするのは
自分だけだから



もちろん泣きながら
ゆうじクンにも言わなかった


「大丈夫、まゆは仕事が出来ないんぢゃないんだょ。バイトだって長いことやってきたんだし」



ゆうじクンの肩に
顎を乗せたような
状態のまま
背中をポンポンとたたかれた


そのまま眠ってしまいたいと思った


泣くだけ泣いたアタシをあやすように
ゆうじクンが抱きしめた


輪郭のブレた何重にも重なった自分が
ひとつに戻ってゆくのがわかった

ミステイク

何から何まで
期待している




良くない



飽きてきているのは
アタシの方かも


せっかく
いっしょに居られるなら

もっと楽しく出来たら良いのに



それとも安心し切ってるのか


関心が無いのか


最近のアタシは
イライラしているか
沈んでいるか
食べているか



早く今の環境を抜け出したい


ここまで
ひっちゃかめっちゃかにしてしまったのは
間違いなく自分だけど
自分が悪かったとは
これっぽっちも思わない


もう誰のものにもならない


アタシはアタシだけのもの


だからこそ思うのは
結局最後に信じられるのは自分だけ



期待し過ぎた



もっと遠くへ旅に出たい


じゃぁね

って出来たら
どんなに楽なんだろう



でもそれが
本当にアタシがしたいこと??




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