パンケーキ


マエノスベテ6
2022.8.22 23:34
話題:創作小説


37
「メフィストフェレス」
「はい?」
「ファウスト伝説の悪魔。ファウストを誘惑して魂を売る約束をさせてめしつかいになり、冒険を助ける……これがメフィストフェレスらしい」
振り向いてじっと彼女を見た彼、の長い髪が微かに揺れた。
「魂を売る約束なら、かわいいものだね、たまに思うんだ」

ピンポン、とチャイムが鳴り、ほどなくして来客の声がした。
「もーっしもーし! 私だよ」

「来たか。近くのアパートに住むやつだよ。ケーキを見せてくれた」

どうやら彼が呼んだらしい。

「入れても?」


「ナエさん……」

彼女、が頷く。やがてドアが開く。
あの挨拶するやつ、あと三人くらい知ってるぞと彼はぼやいた。彼と言い続けてもややこしいから、ここから絵鈴唯に統一しよう。

「いやっほう、ナエごんです」

「今日はやけにテンションが高いね」

ふわふわした長い黒髪とまんまるの瞳。それから腕にはくまちゃん。ナエのスタイルだった。ちなみに、萌と対局に位置する。萌の話はいいや。
パッチワークみたいなワンピースを着ていた。

「あ、お久しぶり!」

「ウシさんは?」

「今は、二階」

「よかったぁ……ウシさんに会うのはまだ少し緊張するからね」

 悪魔に強制契約で『魂だけ』奪われる人間が存在する。彼女はその一人。
しかし悪魔自体が奪うわけではなく契約者が自分の代わりに差し出した、という表記が正しいのでゴーストライターでいうところのゴースト、というのが正しい位置であり、利点はこれといってないのが特徴だ。

「いやぁ、ゴーストも楽じゃないもんだよ。本体より目立てないっていうけど、んなことしたらコンビニでおにぎりも買えないじゃないのよ! それに遠くから言うより直接アドバイスしましょうかって、燃費と効率の改善を提案しただけなのにこの前無視したのよ。よく考えたらいい話じゃない?
生きていけないくせにプライドが高すぎったらありゃしないわよ。そんなんじゃまずプライドから死ぬって」

「僕にいうな、馬鹿」

「好意なんかもつと、もう他人でありゴーストだと認めたようなもんじゃない?
なのに気持ちだけは伝えようとするんだよ、ありえない!
黙っとけばいいのに。気持ちも何もかも、自分自身にやってるってことになるよ、ナルシストだよ」

「僕にいうな、だから」

「思うに器量がないやつは、悪いことしない方がいい。でも、そうだからするんだよねぇ。悩ましい話」
2019/05/01 08:41
38
「にしてもさっきは何かあったのかしら? パトカーがすごい勢いで走っていったけれど。ナエごん気になっちゃう」

「あぁ……『彼』が来ていて」

「なーるほど」

彼女は少し事情を知っているらしくぽん、と手を打った。

「『彼』は困ったものよね、どの人間も自分と同じような仕組みの生物だと本気で思ってるんだから」

くまちゃんは、その腕の中で、ぼそっと「甘いにおいだな」と呟いた。どういう仕組みかは謎だがこのぬいぐるみは、まれに喋る。
「好意が『吸収してしまいたい』という意味なのかもね。ほら、昔の画家とかにも居なかったっけ? 周りを養分みたいに吸収することを好意と呼ぶ人が」

確かに、なんだか居た気がする。隣に居る彼は詳しいだろうかと見上げると、彼は彼で何か考え込んでいるようだった。
いや……考えてるのだろうか?ぼんやりとどこかを見たまま固まっていた。

「互いに良い影響を及ぼす存在になるというのは、そういった意味だと貴方たちかな?」

 ふいに、こちらに話を振られてどうでしょうかねと微妙な返事をしてしまった。
ぼくたちはなにか影響されたりしたりしてるだろうか。あまり意識したことがないように思う。
「影響は影響、結果が結果、僕はそう思うな」

彼は彼でなにやら撹乱するようなことを言った。

「なにか甘い物を食べたの?」

 ナエさんはふと思い出したようにぼくらに聞いた。
ぼくは「食べた」と素直に答えた。『彼女』はまだケーキがあるけどと台所へ向かっていき『彼』もあとに続く。

ぼくがついて行こうとしたときナエさんとすれ違った。
耳打ち。

「ナエごんじゃなくて、ぬいぐるみに話すんだ?」

――え?

「きみって、なかなかいい耳してるね」

慌てて、帽子ごと頭を押さえる。大丈夫脱げていない。

2019/05/01 18:4939
 いい耳、か。
後に続きながら彼女の言葉の意味を考えてみる。
ぬいぐるみがしゃべっているとは周りは思ってない……?

「この場合、ぼくの方がおかしいのか?」

ともかく、彼女も《そういう》人らしかった。



 ウシさんが突然怒り出した状況について、彼女は特に何か言われたりしなかったらしい。
「あっちが、なんとなくむしろ私を苦手としていたかな、距離がつかめないというか」

ナエさんが話すあいだ、
彼女――相談者は、改めてお茶をいれた。
ぼくはさすがに二つ目のケーキは辞退したが、彼、の方は食欲があるらしくナエさんと並んでごちそうになっていた。
これでは、なんだかもてなされに来ただけみたいだ。

「だから、私は、その……」

彼女、を見てナエさんは少し遠慮したようだった。彼女は察したように続けた。

「そうですね、ウシさんの当たりがキツいような気がして、申し訳ありません……ウシさんがフラワーアレンジに使われてる花、ナエさんのところの土地からもよくご厄介になってるんですが」

『年下に頭を下げるのはプライドが傷つくし、ましてや女』
というのがウシさんの考えらしかった。昔ながらというか、男尊女卑の根強い時代というか、そういうことだろう。

「土地よりも、管理する人だけを見ているみたいだね」

彼、がぼそっと呟いた。
ウシさんにとっては、自分より立場があるかどうかがすべての基準なのかもしれない。
2019/05/01 19:22
「あ、これ!」

 部屋に行くところに飾ってあったブーケを見てナエさんは嬉しそうな声をあげた。
それは石鹸が細かく削って作られたバラでできている。

「あの子の、やっぱり、美しいわね」

「えぇ、なにか忙しいとかで、すぐ帰られてしまいましたが」

「そっかそっか。うふふ。
私もこのあと調査があるから、早いとこ証言だけするわね、ちょっとごめん……」

 片手間にどこからか、小さなノート……新聞のスクラップブック?を出してナエさんは小さく畳んだそれを開いて、何かメモする。ちらりと見えた見出しは『街を騒がせている芸術テロ』だった。

「たまに起きるのよね、まぁ、会社側が悪いのだけど……
いわゆる『飼い殺し』が多発したのが起源らしいわ」

 写真になっているのは、風船が飛んでいく絵だった。
風船の話が国語の教科書にあったなとぼくは思い出す。
花の種と手紙をつけて、空へ飛ばすのだ。授業でもやらされた。

――自由と解放の象徴。

または、救援信号。
誰かはわかっていないが、ある意味わかっている。
ぼくは会ってないが、彼、は会ったらしい。
似たような話が、昔もあった。
あのときは実際株価が変動はもちろん、税金逃れの名ばかりな会社が一気につぶれた。
みんなが知る芸能人や、大企業も融資に関わったと言われているが、わりとすぐに流れなくなったニュースである。
ぼくが事件をノートへ纏めた翌日、彼は後にそれをこう追記した。

もし最近の番組、芸人になんだか違和感があるな、とか、ある商品のCMがやたらと増えたなというときこういうものが関係している場合がある。
2019/05/02 18:20
ナエごん――彼女の証言も、同じように、やはり理由はわからないがウシさんがキレた、というものだった。

「えぇ、ほんとに、和やかにお菓子、クッキーや、ケーキを食べながらお茶を飲んで、のんびりと会話していたの。
いつかみんなで個展とかいいわね、みたいな。
途中、中盤くらいから《おせっかいおばさん》が特にキツく当たられている感じはしたけどね、理由になりそうなものは私から見ても、特にはない。
 天気とか、野菜や、くだものの木の時期の話とか――当たり障りない会話ばかりだったから、余計に絡まれている理由がわからないわ」

「なるほどね。ありがとう。
少し、相談があるんだが……」

彼、は話を聞くとすぐにナエさんの耳元で何かを相談する。

「なになに? ……うんうん、わかったわ」


しかし男女比率同じなはずなのに、ぼくだけが浮いてるようななんて思いながら、ぼくはそれを見続けていた。
此処に、必要なのだろうか……なんか空しい気分になってくる。
「きみにこの役目をさせたかったんだけどね」

彼は急に、じっとぼくを見て話しかけてきた。

「え?」

「さすがに、そんな無理をさせると傷を抉らないかと心配したんだ」

「はぁ……」

 ナエさんがお手洗いを借りてもいいかと彼女に聞く。
彼女は案内にむかい、ナエさんも廊下に出ていった。
2019/05/06 00:36

46
 部屋に戻るとウシさんが「あら、まだ居たの」というふうにあきれていた。

「あの……」

 ウシさんに、少し言いすぎじゃないかと口に出しかけたが、どうにか留まった。

「心配しないでください、あれはちょっと辛口なだけの批判ですから」

彼女が申し訳なさそうにそう言ったからだ。

「本当です、ここへきてわざわざ嫌がらせする貴方がたと同列にしないでください」

ウシさんも頷く。

「ほんと、あの方は常識がない。何年も前から利用してきたうちの山のことまで持ち出して!」
ウシさんはやがてぶつぶつ、呟き始めてしまった。

 フラワーアレンジのための素材となる植物を取りに行く場所があちこちにあるというようにウシさんは語っていたが、もしや、それが鍵のひとつなのだろうか。

「山について言われたんですか」
彼が、ウシさんに確認する。
何か思い出したらしくウシさんは強い口調で叫んだ。

「許可なら取っている! あの女から言われるようなことはない! あの山も、この山、どれも同じ自然なのだと以前から言っています。
茶会にも居た口でよく言える」

五年近く続いているのに、少し前、三年目程に入ったお節介おばさんから勝手に山に入るのはどうかと『今更』言われたらしい。

「なるほど、怒りの原因はこれか」
彼は一人納得する。

「しかし、許可を取っているかどうかでそれほど激昂しなくても。……失礼ながら、心当たりがあるのでは?」

「あんたたちこそいきなり来て嫌味だよ! どの口が言ってるんだ!」

今度はぼくらに飛び火した。

「それは、ウシさんが心配で!」
彼女が慌てて付け加える。


2019/05/13 22:39


47
「貴方、いつもそう一番失礼だと思わない? あなたが言う『前野』さんの名前も覚えず、逆らって、決めつけて」

 ウシさんの攻撃が再び始まる。彼女はピタリと身体を硬直させた。

「あの人は偉い人なの!
あなたが愛想しておけば山のことくらいもっとどうにかなるはず、みんな思ってるわ。ね、簡単でしょう!」

「私には、向いていません」

彼女は、血の気が引くような、少し白い顔になっていた。
想い、を受け止めるというのは本当に理解し難く恐ろしいことなのだろう。

(向いてないのに、しなくちゃならないんです)

「あなたがちゃんとしてくださらないから、他の女がスッと持っていくわ。私、少し前に買い物の途中見たのよ、角のとこにあるラーメン屋に彼と女が居たの! あなたがふらふらしてるからじゃない? 山の危機もあるのに、あなたが近くに居て、どうしてこんなことが起きたんでしょうね」

 少し待っててくれといったウシさんは、一度部屋に戻り、すぐに写真を持ってきた。
ウシさんが来るまでの間皆、何を言えばいいかわからず、黙ったまま固まったままだった。

「あなたが、だらしないから起きたのよ、わかる? 挨拶されたら挨拶を返す、誤解されるようなことはしない、会ったときねあなたがかまってくれないからだとおっしゃっていたわ、あなたはつまらないと」

「ぁ……あ」

 彼女はこのとき、何か言おうとするも言えないという風に、ただ無表情で口を開閉させただけだったが、軟禁と暴力でしかないような日々を思い出すと同時にそれすらやりこなせない自分を批難されることに思考が固まっていたと後に語った。

頭が真っ白になるくらいのパニックと、それを受け入れるしかないことが出来上がった残酷な空間は、すでに近所の人を見てもわかる有り様だ。

(背中を押して居た……)

 やはり彼が恋愛の熟練者であるならそういった同じような相手と居るのが最もふさわしいのだが、出来ないことを強引にさせるという優越感だったのかもしれない。
いい趣味とは言えないが、他人がわからないことを知っていること自体は誰しもあるものである。
わからないのが悪い、わからなくてもかまわないから先に行くそれは残念ながらシビアな現実としては正しい。

まあこれも理解力の差だった場合と、認識や体質による差だった場合では意味合いが違うのだが。

「あの、私……」

彼女は狼狽えたままぼくらを見た。別にふしだらという風な誤解はしていないので、大丈夫だという意味で真面目な顔を見せるにつとめた。
2019/05/14 09:15


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 頭が真っ白になった彼女にはそれすら意味を為さなかった。床に座り込んで叫ぶ。

「許して……許してください! どうか、どうか許して。私、愛されなくていいんです、そんなもの要らない、小さいかもしれないけど代わりに土地を買えるように頑張るから、だから、恋だとか、フリンダとか、もう見たくない、聞きたくないです、ごめんなさい」

「あなたに出来るのは、愛想よく笑うことです。身を粉にするより早いじゃない。どうしてそんな不必要な苦労をさせる必要があるの、挨拶ができれば済む話でしょうに――あーぁ、あきれた」

ウシさんはウシさんで、大袈裟にため息をついて呆れて見せた。
「滅多にないことよ? わかる? 滅多にないのこんな縁談は!そう、もとはといえば、あなたが愛想よくし続ければ何もかもが平和に営まれる、あなたは考えようによってはそれだけの、恵まれた、とても、妬ましい、そういう立場よ、周りからしたらぶん殴ってやりたい」

ぶん殴りたそうに、本当に拳に力をいれて握りしめた。

「私がもーぅちょっと若かったらねえ! 本当、愛想笑いも挨拶も出来ない、お人形さんなんかに引っ掛かってあー、可哀想な旦那様よ」

彼、が動いた。
目の前に出てぐっと腕を掴んだ。
――彼女ではなく、ぼくの。

「え?」

「だめだよ」

何が、と聞こうとしたけれど、彼は何も答えず、代わりに「ここは任せて一旦顔を洗って来るといい、かな」
と、耳打ちしたのみだったので理由はわからないながらに、ぼくもそうすることにした。
今この場に居るのもいたたまれないとは思っていたところだったからだ。

2019/05/14 10:49

49
 洗面所を借りることを伝え、探して廊下を歩いていると、やはり途中に居るヴィーナスを気にしてしまう。
綺麗なドレスを着ていた。

「……っ」

(ときめいてなんか)
ときめく。
それは生きている人間のときには感じもしない特別な気持ち。 ドキドキと脈打つ心に強引に気がつかないフリをする。
こんなところを見られ怪しまれたら病院行ったら? と言われてしまいそうだ。
ガラス越しにそっと相手を眺めた。
 とはいえ恋という病気は、病院では治らないらしいけれど。
 と、考えた途端、今度は先ほどまでの光景がすぐに脳裏に甦ってきてカッと頭に血が上るような衝動が沸き上がる。
心は反対に急速に冷え出した。
「あぁ、もう、さっさと洗って済ませよう」

そのときを誰も見ていないということを改めて確認すると、トイレのそばの洗面所に向かう。ふと、目の前の壁にある鏡を見た。

「…………………………」

怒っているようでもあり、死んだような目をしてる。なるほどな、と思った。
こんな表情で、あの場に居るわけにもいかない。
 ぼくは《動かない身体》が好きでそういう本もよく読んでいる。『温かくない、そこが暖かい』という名句は知られていると思うけど、つまりそうだった。
「十二人形団じゃないんだから。こんな話、誰に得するんだろう」
冷たいことが、冷たいとは限らないし、あたたかいことが暖かいとも限らない。
ぼくにとってきっと生きていることが、生きていない。
彼女もそうなのかもしれない。
「お人形さん、か」

生きていることは、何だろう。そんなことを思わず考えずに居られなかった。

2019/05/15 02:29



50
     ◇◆

 彼が居なくなった後、どう止めたものかと悩んでいたがしかしそれは長く続かなかった。
結局客?の前だと今さらながら把握したらしいウシさんは改めて二階に戻って行ったのだ。
その後、彼女は言った。

「見苦しいところをお見せしました。本当はウシさんに、引き続き会を任せる考え、私は反対なの、あの調子でしょう?
最近ますます怒りっぽくて。
会ではないところ、ウシさんが買い物に行った日なんかに、参加された方に聞いたの。
でも立候補に反対がなかったわ。そもそも、周りがどうこういうことではありません」

「きみには常に逃げ場が無いのだね、よく保っていると思うよ」

僕が素直に述べると彼女はぺこりと一礼した。

「ありがとうございます、これでも大分、限界が近いのだけど、奇跡です。お茶会自体が、あれじゃあストレスだから。一人会もいいけど……」

「いいかげんにしなさい!」

 二階から怒鳴り声がした。
ウシさんが下の様子を見に来たらしく、どたばた降りてきたのだ。

「みんなから言われてるのに、そんなこと言って!
遅れてきたあなたが席を動かないから混乱が起きてみんな困っている」

「席? 席って、そもそも、なんですか? いつから私の部屋全部あなたがいつでも客を呼ぶ部屋になったんですか? ウシさんは、来ているだけでしょう。あの日も、いつも通りに部屋の掃除や片付けをしていたら、いきなりチャイムが鳴るわ、お茶の準備だわって!」

 もともと彼女の借りた家に、病院通いが近いからと臨時でこの部屋に来始めたウシさんがすむようになったらしい。

「ときどき9時間くらいフラワーアレンジの教室に部屋を占拠される! 部屋で行うはずの予定もその度にいつもずれ込んだの、我慢してきたんですよ」

ウシさんははきはき答えた。

「私は、展覧会が大事。だからみんなもを私を選ぶ!
最も年この家にいることを理由に臨時で長に就いて、
一方的に、独自の選出方法で、自分1人、勝手な立候補を表明?自らを選ばせる方針を宣言したって、笑っちゃう、あは、あははははは!
みんな「いいかげんにしなさい」と言ったわ。
いつもなら15〜20分の挨拶や支度だって、あの日はいつも通りに始まるのに9時間以上かかった。急がないと間に合わないといってたときに!
私が入院したりした空いた席に、長い間ここを守っている人を臨時的に置くのはいい。
でも、あの日は違う。あなたのせいでみんなと協議して「事故が起きた」ってなったから混乱を招いた」


 最終的には、彼女以外の全員の総意で2番目に年長者を置きましょうという話もしたらしい。彼女の意思は存在しないようなものだった。
ちらりと見た彼女は、もはや開いた口が塞がらないという感じで、どうにも出来ず固まっていた。



2019/05/15 03:40




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