リメグリーンさんとトウヤ
BW2前っぽい。
薄暗くめ。リメグリ→リメレで、レファイ匂わしてる。
レッドたちの住む家に度々訪ねてくる人間がいる。グリーンもその一人だ。レッドのライバルということで、歓迎はされていたものの恋仲にあったことを知っている初代とヒビキからは殺気ににた何かをぶつけられていた。「っと、おいレッド。」ドアを二、三度ノックする。こうすればレッドが出てくるのをグリーンは知っていた。が、今日は反応がない。留守か、と思ったが家に人がいる感覚はあり、どうしたのかとドアを開けた。目の前には、今まさにドアを開けようと構えるしらない少年、グリーンが驚き口を開けた瞬間。「…え、だっ…だれ、」先に口を開いたのは少年であった。不安そうな、震えた声で、それだけ言った少年はグリーンを見つめる。グリーンもグリーンで不安だった。なんでここにレッドたち以外がいるんだ。そこまで考えて、思い出した。「お前、いなくなったイッシュのチャンピオンか?!」その言葉に、少年は泣きそうな顔をした。「トウヤ、だっけ。そう!お前…お前、どうしたんだ?」「俺は違う、違います。チャンピオンなんかじゃない、ただのトレーナーだ。」「じゃあ、なんでただのトレーナーがレッドたちと住めるんだ。」グリーンの質問にたじろぐトウヤ。泣きそうな顔は相変わらずで、すこし言い過ぎたかとグリーンも反省しつつトウヤに近づく。「人に質問する前に自分のことでも話したらどうです、」トウヤははっきりとグリーンにいった。やれやれとした顔で、グリーンが口を開く。まるで、レッドみたいな子だと思いながら。「俺はグリーン。レッドのライバルで、幼馴染。現トキワシティジムリーダー」早口で説明すると、あぁとトウヤも納得したようで。「そういえば、先輩達が言ってました。ごめんなさい、今日はバトルの申し込みがあったとかで。」「そっか、悪かったな…ヒビキは?」「出かけてます。他の地方に用事があるとか、というわけでここには俺1人なんです。」さらっと流されたが、それじゃ困るんだよなとグリーン。トウヤは、でもいないからと言ってグリーンを家にあげた。「いいのか、」「先輩たちの大事なお客さんだから。紅茶でもいれてきますね。」ソファーに腰掛けると、家は前より綺麗になっていて、トウヤがどれほど几帳面かわかるようだった。彼の腰についている、モンスターボールに見え隠れするのはイッシュの幻のポケモンであるビクティニ。やはり、とグリーンは確信を持つ。あいつは、チャンピオンだ。唸るように思考を巡らせていると、甘い匂いが鼻を掠める。顔を上げると、紅茶を持ったトウヤ。「あ、えと。カロスの紅茶です。お口に合えばいいんですけど。」「すまないな…そうだ、君とも話したいんだけどすこし座ってくれるか?」「…はい、」トウヤはお盆を持ったまま座った。「俺は敵じゃない。」告げると、頷く。「わかりました。俺が元チャンピオンの…、です。」少し言葉を貯めたのちの「です。」果たして意味があるのかと、頭を捻らせたが、まぁレッドと同じようなタイプなのだろうと噛み砕いて言葉を飲み込む。「…そうか」「で、何の用で。」「実はな、もうすぐイッシュにバトル施設が開設するらしくて、そこにレッドも呼ばれてんだ。だから、そのことを話に…「イッシュ地方にっ?」ガタッとトウヤは立ち上がり、叫んだ。「あんなとこにいかせるわけないじゃないですかっ!先輩が大変な目に、なんでイッシュなんかに…」「お前、曲がりなりにも故郷じゃないのか…何があったんだ。」「あんなとこもう故郷でもない。」レッドと確実に違うところは、故郷を見ないことか。でも、なにが…あそこはそこまで治安も悪くないし、特段嫌だと思うところではないはず、なにかあってレッドたちに拾われたって線が有力だ。「レッドとは違うな、」「いいですよ、それでも。ただ、先輩は茶髪だから、俺に間違われて殺されるかもしれないってだけ言っときます。」「ころ…はっ?!」トウヤは悲しそうに笑った。「はい、危ないです。」「な、おまえ…チャンピオンじゃないのか。」「チャンピオンだったからですよ、すみませんもういいですか。」トウヤが苦しそうに話を止めろと懇願するのでグリーンも了解して、口を閉ざす。なにがあったかまでは流石に聞けないが、言うには辛い何かがあったのだろうと無理矢理自分に言い聞かせ、立ち上がる。「今日はあいつらいないみたいだし、出直すよ。ごめんな、トウヤ」「構いません、そのように先輩に伝えときますね。」「最後に伝言だ。きっと、レッドはイッシュに行くと思うぜ。」バイビー!と手を振るグリーンに訝しげに手をぶり返すと、トウヤは自室に戻り太腿を弄る。「…あんな、とこ。やっぱ、もういけない。」