最終回後。
付き合ってないりんまこ。
くびしめ萌え。
もうすっごーく短い。、
太陽のひかりを借りて、よりキラキラと反射する水の中で、こぽこぽと細かな水泡が浮かんで弾ける。頭を強くぶつけたのか、ゴーグルをつけていないからか、水が浅く張られていても、目の前にいる人の顔を見れない。
「…り、」
声は出ない。口は動くのに、溢れるのは力の抜けるような音だけ。しかもこちらは水の中、きっと音でさえお前には届かない。
苦しいし、泣きそうだし、はやく出して欲しいし、これ以上この体制のままじゃいつか沈んでしまうし。なんて、たくさんの言葉が出せずに弾ける。何を言っても届かないから、俺は口をつぐもう。
ー真琴、すきだ。
突然の告白は、冬を越えた春にお前の口から発せられたもの。お前、うん…凛、凛だった。俺を好きと言ったのは、りん。だから、断ったんだ。プールを掃除しきって、試しに水を入れてて、忙しかったから。それと、俺は、確かに凛を好きでいたけど、今はもっと違うものを見ていたかったから。
水が迫るから立って、プールの中から逃れようとしたのを凛に抱きしめられ阻止された。そして、ゆっくり押し倒されて、あぁそっかこの時頭を打ったんだね。優しく倒しても、頭は完全に守れないよ、凛。
じわじわと迫り、水かさを増していく水に、少しの恐怖を覚えた。でもそれ以上に、俺の上にまたがり、じぃと見つめてくる凛が怖くて、でも目を離すことは叶わなかった。惹かれるものがある。まるで、見通すような、それでいて諦めに似た、悲しさと悔しさと、憎悪と抑えきれない愛を孕んだその瞳は、心を捕らえるには十分すぎるほどだったから。
「なんでダメなんだよ、ふざけてるのか。」
「り、ん…」
「ずっと、ずっとすきで、やっと言えたんだぞこっちは。」
言葉は聞こえても、脳が処理してくれない。冷たい水は、思考を停止させるには十分過ぎるくらいで。凛が、悔しげに声を震わせてることくらいしかわからなかった。
何を言えば許されるのか、何を言えば正解なのか。ぜんぶ透明な水に溶けて、消えていく。