れもんミルク

あんたの前を歩いてた。そう思ってた。けど、今思うと俺は歩かされてたんだと思う。それは、危険かどうか調べるんじゃなくて危険を取り払っていた道を歩かされてたんだって、今になって感じてる。今あんたの前を歩いてて、不安で怖くて仕方なくなるのはきっと誰にも頼れないからだ。だから俺は、心配を盾に焔の中のあんたの元に走った。でも、そこにはそこにいたあんたの目には俺すら映って無かったんだ。それが、悔しくて苦しくて自分の望みをぶつけて…それで気付いた、結ばれる希望なんてなかったんだって。だから俺から離れていく。さようなら。大丈夫、約束だけは覚えてるから。それまであの人とお幸せに、大佐。