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君に

バッドエンドは似合わないから

でいっ

ほっ

かきおさめ

ドゥン

真っ暗地団駄


好きとか嫌いとか 簡単な言葉にいろんな意味が乗っかって
本当とか嘘とか 難しい境目と落とし穴ばっかりが広がって
いつのまにか僕は白線に背を向けた。

逃げれば逃げるほどにスタートラインは遠ざかってどんどん どんどん暗い道に迷ってく

あああーーーっ!!

なにがなんだかわかんなくって
なにをなんだとわかりたくなくって
みんなが敷いたこのレールの上で僕は ひとり膝を抱えるの
右も左もわからなくって
前もうしろも知りたくなくって僕は また逃げていく

太陽不足


1点差。
開場は相手チームの逆転を期待して揺れる。完全にアウェイだな、って苦笑いするとマウンドから少し固いそいつ目があう。落ち着いていこう、とトンッと自分の胸を叩くとそれを理解したのか大きく息を吸って、吐いて。胸のとこをぎゅっと握りしめた。
カウントはこっちが優勢。追い込んでいるにも関わらず右側に立つ打者の目もベンチも声が死なない。この打者への信頼が形になったようだと思う。

のまれんな。気持ちで、負けんな。

お前は俺を信じて俺のミットだけをみてればいい。

すっと腰をおとして構えると、マウンドで沢村が息をひとつ飲むのがわかった。
そして不適に笑った。

さあ、投げてこい。お前のぜんぶを込めてここに。

沢村がスッとセットポジションをとる。

構えてると、時々その投手の声が頭に響いてくることがある。

今 まさに それだった。

―――御幸先輩。 あんたが信じてくれるなら、

俺も、あんたを信じて投げるよ。



パァンッ

ミットの乾いた音が、グラウンドに静寂をおとして消えていった。

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