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ヨハネ・ファウスト[世




2次予選中に我が愛する妻・エリザの両足が粉々に壊れてしまった。



試合には勝ったけど、僕のエリザは可哀相な姿に。




あぁ、可哀相なエリザ





本当なら、君をこんな姿にした忌ま忌ましい麻倉葉の足をとれれば良かったんだけどね。





君の綺麗な足を傷つけたアイツが生きてると思うと、殺したくてしょうがない。




おまけに道蓮とか言う糞餓鬼にトドメをさすのを邪魔されてしまった。





あ、でも試合には勝ったから安心しておくれ。





もうすぐ。






もうすぐで、君と幸せな日々を過ごせる日がくる。





嗚呼、早く君を生き返さなきゃ!






あ、その前に君の足を治さなきゃだね。








君が甦ってくれるなら、喜んでこの足を君に捧げよう。






なに、心配ないさ。





ホルマリン漬けされた僕に痛みは感じないから。





パプワ/トットリ




「あれ?トットリ何処行くんじゃ?」



「何言っとるべ、おめーは」



「トットリはんなら、ヒメはんと過ごすに決まってますやろ」



「あ。今日、お前の誕生日か!」



「可愛い彼女に祝って貰えて、トットリは幸せじゃのう!」



「あはは、本当本当!」















「んなわけねぇっちゃ、こんだらずが!!!」




「だれがだらずだ」




「ぐあはっ!!」




おもいっきり頬を殴られ、ベッドに倒れ込むトットリ。先程の仲の良い団員と総帥との会話を思い出し、つい突っ込みを入れたら。馬乗りしている彼女に殴られた。



「い、痛いっちゃ・・・・ヒメちゃん」




「うるさい。あたしに口答えしないで」



殴られた頬に手を添え涙目の男に冷たく言い放つ。




「ぼ、僕の誕生日祝ってくれるんじゃ・・・・?」




「えぇ、そうよ。だから、こうして一緒に居るんじゃない」


彼女は僕の上に乗ったまま、にこりと笑い、首に巻いてある赤いスカーフをほどき、ベッドの下に落とす。



「大好きな彼を祝ってあげたいと思うのは当然の事でしょう?」




言ってる事はごもっともなのに。彼女の愛情表現は人とは少し違っていて。





「好きなの、トットリが。だから、憎くて憎くてしょうがない」






困ったね、と言い。彼女はまた僕に愛情の印を付けていく。






彼女が愛する度に、僕の身体には彼女に付けられた赤と青の花が咲いていく。













歪んだ愛情を受け続ける僕と








暴力が最上級の愛と思う彼女。










痛くて痛くてしょうがない。






けど――――







僕はやっぱり君には逆らえない。









(痣の数だけ愛してる証拠)





(痣の数だけ愛してくれてる証)











――――――
トットリハピバ\(^0^)/

ルパン/



「ねぇ、ルパン。この人誰?」




あたしが来る前のルパン達の記事を見ていた時。記事の隣に載っている写真を見て、ある人物を指差す。



いつものように銭形のとっつぁんに追い掛けられ、お宝の袋を担ぎ走ってる次元。その後ろを二輪で付いてくる不二子さん。二人の前を走るルパンだが、何故かウェディングドレスを着た花嫁をお姫様抱っこしている。




不思議な光景に隣で胡座をかいているルパンに聞けば、彼はニヤニヤと楽しそうに笑っている。




「んー?これかぁ?」



「あたしが来る前の仲間?」




「仲間っちゃ、仲間だな」




曖昧な答えにあたしは写真と睨めっこ状態。別に相手が女の人とかそんなの関係ない。ただ、何故“ウェディングドレスを着た花嫁”なのか気になるのだ。




「そーんなに見てると、記事に穴開いちゃうぜ?」




ルパンの話声にも反応せず、写真の彼女を見つめる。色々と考えた結果、ある一つの事が脳裏に浮かんだ。




「ま、まさか・・・・花嫁さんまで盗すんだの!?」




あたしの発言にルパンはがくっ、と肩を落とす。あれ、違うの?だって、それしか思い付かない。




「あのね〜、ヒメちゃんιさすがの俺様も、花嫁は盗まないぜ?これは、作戦のひとつ」



「あ、そう?じゃぁ、この人は――・・・・」




誰、と聞けば。彼はにやりと笑い、花嫁の正体を教えてくれた。




「うそっ!?」




「嘘じゃないさ。嘘だと思うなら、確かめてきてごらん?」




ルパンの言った答えを確認したくて、リビングでお茶を飲んでいる花嫁だった人の元へ駆け寄った。





「花嫁姿、綺麗だね!」




そう言えば、彼は顔を真っ赤に染め、わなわなと震え出した。




「ル、ルパン貴様っ!!ヒメに見せたのか!?」



斬鉄剣を鞘から出し、逃げるルパンを本気で追い掛ける。その光景を紅茶を優雅に飲みながら眺めている次元。




「あぁ、あん時のか」



「ねぇ!もっと詳しく教えて!」




その日から、女装をさせようとするヒメから逃れる為、五ェ門は修業にでた。











(一回くらい、あたしの前で着てよー)
(五ェ門の奴、大富豪に言い寄られたんだぜ?)
(正体バラしても、引き下がらなくて大変だったんだよなー♪)
(貴様等ぁああああ)

DC/ジン



「・・・・ねぇ、ジン」





彼の名前を呼べば、彼は愛用するベレッタの手入れをしながら、返事だけした。


手も休めず視線もこっちに向けないで、無愛想に。





「・・・・・・なんだ」







「・・・あたしがもし、組織を抜けたら・・・・・どうする?」





こんな事、冗談で言える程余裕のある人間じゃない。けれど、なぜか前から思っていた事を口走っていた。




不安と恐怖を抱きながら、彼の反応を待つ。





「――・・・・・それは、あの男の元へ行きてぇって事か?」




意外にも彼の反応は思っていたのとは違い、いつもと変わらず低い声。相変わらず視線は鉄の塊に向けたまま。





「・・・・・・・そうだとしたら?」







裏切り者は逃がさない。







それが組織のルール。どんなに逃げようとも、彼らは必要以上に追いかけてくる。この組織から離れると言う事、それは死を意味する。






幹部に関わった人間なら、なおさらだ。








「ハッ、愚問だな」







鼻で笑い、手入れの終わったベレッタを仕舞う。その動きだけでも、びくりとあたしの体は跳ねる。そんなあたしに気付いてるのか否か。静かにゆっくりとこっちに歩み寄る。




「――・・・・もし、てめぇが抜けたらだと?」





ゆっくりと近寄る彼につい、後退りをしてしまう。帽子を深く被っているせいで、目元が見えない。








「――・・・・この組織から去るってんなら」







気付けば、彼は目の前に居て。逃げられないよう壁に手をつき、視線をあたしに合わせるよう腰を落とす。








「俺から逃げようってんなら」









やっと、見えた彼の緑色の目は、今まで見た中で一番恐ろしく、一番輝いていた。にやっと口端があがり、楽しそうな表情をする。









「そん時は、あいつを処分するだけだ」






「・・・・・っ!?」




ガウン、と言う音と共に棚に飾ってある花瓶が綺麗に砕け散った。彼の右手には先程まで手入れをしていた鉄の塊。銃口からは白い煙りが静かに揺れている。









「もちろん、FBIごとな」















お前があいつの所に行くと言うのなら









俺は喜んであいつを葬ろう








お前の居場所は此処だけだ

ルパン/



「まだかな・・・・」



壁にかかっている時計を見れば、12時をまわっていた。
遅くなるなら連絡の一つでもあればどれだけ楽か。



「・・・・寝ていいか分かんないじゃん」



はぁ、と短いため息をつき先程作ったココアを口に含む。



別に帰りを待ってろと、強制されてるわけではない。むしろ、体に悪いから気にしないで寝ろと言われている。


だけど、ヒメは重たい瞼が綴じないように堪える。先に寝るのは悪いと思うのも一つの要因だが、一番の理由は―――、



二度目のため息をついた時、あまり建て付けの良くないドアがゆっくりと開いた。


「なっ・・・、起きてたのか?」



振り返れば、赤いジャケットを着た男が目を丸くし、驚いている顔が目に入った。



「ガキがこんな時間まで起きてやがって。体壊すぞ?」


しわくちゃになった煙草をくわえ、わしゃわしゃと、ヒメの頭を撫でるガンマンの男。



あぁ、せっかくお風呂に入ったのに。そう思い、頭に乗っかっている手を退かそうとするが、大きな手はあたしの頭から離れず。



「体が冷えているぞ。風呂で温まったのだろう?」



「冷たっ」



頬に触れてきた侍の手の冷たさに体が跳ねる。外の寒さを実感し、寒かった?と聞けば、冬だからなと当たり前の返事が返ってきた。




「ずっと待っててくれたのか?」




「うん。眠かったけど、我慢できる眠さだったから」



心配するルパンにそう言うと、彼は困ったように笑い納得する。それにつられヒメも笑い、温かい飲み物を作ろうとソファーから立ち上がる。




「あっ」




「ん?どーした?」




何かに気付いたヒメは、彼らの顔を一人一人確認するように見る。最後の五ェ門を見終えると、まだ言ってない言葉を三人に向かって発した。






“おかえりなさい”










“ただいま”







この言葉を言うために起きているなんて







恥ずかしくて言えない。
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