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今年は漫画と小説で分けることにしました。
小説は好きなのに、なかなか読むことができなくて相変わらず歯痒い一年でした。
来年の目標は今年全然書けなかった分、ブログをいっぱい書くことなんですが、その中でもやっぱり小説の感想に力を入れて書いていきたいですね。
来年こそは頑張ります!
さてさて、今年についてですが、あまり読めなかった割には私的にインパクトの強い作品や、今後追いかけていきたい作家さんにも出会えて、密度の高い一年でした。
それでは今年読んだお気に入りの作品について書いていきたいと思います。
・尾上与一『天球儀の海』
いつかの「かつくら」で紹介されているのを見て、これは!と思い買った作品。
現在映画公開されていて、過去に拙すぎる感想を書いたこともある某ベストセラー小説の影響で戦争物には敏感になっている私には堪らない作品でした。
今年の「このBL」でも3位だったので、今更書くのも恥ずかしいのですが、語らせてください(´;ω;`)
悲壮感漂う時代背景の中で紡がれる恋愛ってなんでこんなに美しいんだろう、と考えてしまうほど、一途で純粋な話でした。
主人公の希は特攻に行くことが決まっていて話が進むので、どんなに微笑ましいシーンがあっても暗い気持ちが拭えません。
それでも、幼少の頃から慕っていた資紀の身代わりとして特攻に行く希が健気で、健気好きには堪りませんでした。
ネタバレになるので詳しくは言えませんが、ラスト付近の展開があまりにも予想外すぎて、暫く放心状態になったり、思わず涙が零れてしまったのも良い思い出です。
私ってつくづく単純だなって思った時でもありました(;´▽`)
・尾上与一『碧のかたみ』
こちらは「このBL」で2位だった作品。
『天球儀の海』の主人公、希の兄である恒が主人公。
こちらは舞台がラバウルなのでもろ戦地です。
戦地が舞台のBLってなんだか想像できなくて、そういった意味でもどのような作品を作り上げてくださるのか楽しみな作品でした。
悲惨な戦場の様子と、その中で懸命に生きる兵士たちの姿を描くバランスが程良くて、これなら戦争物が苦手だという方でも手を出せそうだなと感じました。
戦地が舞台なのに、恒とその相棒である六郎のやりとりが予想外に微笑ましくて、『天球儀の海』よりも甘い雰囲気を感じたのも意外でした。
でもやっぱり恒と六郎は常に死と隣り合わせだっていうことを痛感させられる描写がいっぱいなので、祈りながら読んでしまうことも。
もう色々ぐっときて、やっぱりラスト付近は泣きながら読んでいましたね・・・。
あと、尾上さんはテーマに据えた対象物を効果的に使うのが上手いというのを再認識。
『天球儀の海』だと星座、『碧のかたみ』だと花火だと思うのですが、どちらの対象物もより物語を儚く、そして美しいものにする役割をしっかり果たしていました。
こんな感じですっかり尾上さんの作品に魅了されてしまったので、今後も追いかけていきたい作家さんの一人となりました(*´∀`*)
既刊は全て集めることができたので、他の作品も堪能したいと思います!
長くなってしまいました(>_<)
追記に続きます。