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あなた〜6〜

「うん、久しぶり」
返ってきた言葉はオウム返し。
必死で感情を抑えているようにみえて、すこし嬉しくなった。


「あっ!彼女は違うよ」
ちょっとした意地悪、彼の表情が変わることを願った。
それにHYDEのことを相談している大切な友人を遊びの女と一緒に扱われるのは、失礼だともおもった。



「それどうゆう意味ですか?」
語気を強めに僕に尋ねてきたのはyasuだった。
当然といえば当然だ。尊敬する先輩を傷つける僕に敵対心を向けるのは。


だけど僕が用のあるのはHYDEだ。
「僕はHYDEに言ってるんだけど」
おまえには関係ないだろ、と続ける。

早く何か言ってよ、ハイド?
嫉妬してよ。

あなた〜5〜

怒りとか嫉妬とか。そんなものすべて取り払って、出てきた言葉は純粋な疑問。

「なんで、」

「え?HYDEさん今なんか言いました?」
ポツリと、つぶやいた一言は隣にいたyasuの耳を掠めたようだった。

いや、なにも。言いかけたとき閉まったばかりの襖が開いた。

「こんばんわ」
彼の隣にいた彼女は近くで見ても美しい顔立ちだった。外国の血が入っているのか彫りが深く、がっちゃんの好みの顔だなと思った。


挨拶をされたものの、ぼーっとそんなことを考えていた俺よりも周りのメンバーや後輩たちの反応が早く、ぴりりとした空気が走った。

「HYDE?」
彼の声に意識が浮上する。
ふふっと笑って「偶然だね、会えて嬉しいよ」と白々しく言ってくるのだから彼はタチが悪い。

あなた〜4〜

あたし、心配なのガクのこと。

自分で言うのもなんだけど、美人でスタイルもよくて、ホステスやってた経験から会話も上手い方だと思うの。
言葉遣いも美しくを心掛けているからガクの好みにピッタリなはず。

まあ彼との関係は遠い昔に終わったしお互い若かったっていうのもあるから未練なんてないんだけど。

関係があったときはね、ガクの好みにピッタリなはずのあたしに対しても余裕の態度でいたくせに、噂のアノ人のこととなると余裕なんて微塵もなくなるの。面白いじゃない、すごく。

でもね、最近は本当に心配。お互いにすれ違いすぎじゃない?
かと言ってあたしはアノ人との面識がないからガクの話を聞いてあげることしかできないの、すごくもどかしいわ。




けどね、偶然!たった今、目があったわ。
あら、でも険しい。浮気相手と勘違いされてるのかしら?

とりあえず、あたしの腰に添えられてるガクの手をのけてガクに彼がいることを教えてあげなきゃね。

あなた〜3〜

がやがやと騒がしい座敷。
今日はJACKの打ち上げでたくさんの後輩の子たちと、スタッフとでどんちゃん騒ぎだ。

『HYDEスァ〜ン』
酔ってべろべろのyasuが絡んでくる、なんでおるんやろ←
DAIGOは『yasuさん抜け駆け禁止っすよ!!』なんてワケわからんこと言うてるし。
可愛い後輩たちや←




正常に働かない頭で、ぼーっと部屋の中を見渡す。みんな出来上がってんなあ。





店員さんが、新しく料理をもってくる。その間、座敷の扉は開けっ放しで。
ほんっとタイミング悪い。少し離れたところに見えた。彼の姿が。

ここの座敷は奥まったところにあって、隣の座敷とかで打ち上げなんやろなあって。









問題は、彼の隣にいる女の人。

あなた〜2〜

最初のきっかけはなんだったかな。


HYDEが僕から女物の香水が匂うって問いただしてきたんだ。
確かにその日は、女性と会っていて(勿論、仕事でね)その女性は僕に劣らずかなりきつめの香水をつけてた。
僕のと混ざりあってスタッフの1人が吐きそうになるくらい(苦笑)
しかもボディータッチの激しい人だったし、最後はハグして別れたから、そのせいで匂いがついていたんだと思う。




もちろん、HYDEにもその事を伝えたよ。そした
ら目いっぱいに涙を溜めてさ、すごく、なんていうか、はじめて彼に愛されてるんだって事を実感できたんだ。





次、女の匂いを漂わせてたら、また実感できるかなって。思っちゃったんだ。







ーーねえ、HYDE気付いてる?
君から連絡をくれたことなんて
一度だってないんだーー
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