人間は肉体の中に別の存在があるのはご存知ですか
肉体と霊魂…詳しくは肉体、幽体、霊体と3つに分かれているのですが、そのお話はまた後日
今日のお話は、俺が初めて肉体と霊魂とは別なのだと、体験して実感した時の事です
少し恐いですよ
あれは小学5年生の夏休み、夜に一人で課題をやっていました。
その日、上の姉は大学生で東京におり、下の姉は高校の合宿で不在、お手伝いさん【実は当時お坊っちゃんでした
】も夏休みで帰省しており、家には両親と俺の3人でしたが、両親の寝室は俺の部屋とかなり離れていたので、虫の音色だけしか聞こえない、静かな夜でした
机に向かっているものの、背中の視線が気になり、何度も何度もビビりながら振り返り、確認していました
そしてそれは訪れたのです…俺の部屋のノブは、回転させるタイプではなく、下へ降ろして開けるものでしたが、背後の視線と同時に、音が聞こえて来たのです…
『ギ…ギギィ…』
振り返り、全身に鳥肌立ちながら視ていると、ノブがゆっくりゆっくり下がっていくのです
そして下がりきるとフイにドアが開きました…
『ギィ
…』
思わず叫びそうになりました。
ドアの向こうは誰もおらず、真っ暗なままでした
これで姉がいれば、また意地悪して驚かせているのだろう位だったのですが
何秒でしょうか、見つめたままでいると、急にドアが、ひとりでにバタン
と閉まりました
これはヤバい状況だと、子供にも解り、すぐさまベッドへ逃げ込みました。
必死で目をつぶり、寝ようとするのですが、当然寝れません。
布団を被り、隠れているつもりでしたが、それはフイにやって来ました
『ムーディ勝山ではありません
』
足元の方角からやって来るのを感じました…金縛りなんですけどね。
来る時は、方角位は解ります…俺は逃げようと、身体をよじり、ベッドから降りようとした瞬間、足の爪先から、ギューっと固まってしまいました
その次の瞬間、足元の方の壁から、蛍光グリーンのような光の煙、ドライアイスみたいな感じで、それが壁からドンドン溢れて来るのです…。
そしてついにやって来ました
いきなりベッドの下から、爪の長い手が出てきて、俺の両足首を掴みました
それは痛い位に掴むと、上へ上へ…その壁の方へ引っ張り始めました
恐怖でパニックになりそうな中、不思議な事に気付きました。
まず360度周囲、部屋全体が見渡せている事。
次に足を引っ張られ、身体は斜めになっているはずなのに、肩や背中、足までも、冷たいシーツに接していて、しかもベッドは床に、そのまま平行に存在している…。
つまり、感覚だけ斜め上に、引っ張られているけれど、身体はそのまま存在している。
そこまで確認すると、多少冷静になり、父から教わった事を思い出し、実行してみました
両親のご先祖様に名前を呼び、助けて下さいと、何度も何度も祈りました。
すると足首を掴んでいた手が離れ、ドスン…と言う感じで、身体に戻ったのを体感したら、さっきの蛍光グリーンのドライアイスみたいな煙が、フィルムを逆回転するように、壁に吸い込まれ、元の真っ暗で、静寂な部屋に戻りました
小さな頃から普通に霊を視たり、様々な事があったので、それを自然な事と、特別意識せずに育っていて、また父の書斎にある、心霊、精神世界の本を読むのが大好きで、よく一人で書斎にこもり、読んでいました。
書物からの知識で、肉体と霊体【霊魂】は別にあるのだと、知識として知ってはいましたから、それが自分の身体で、実証された事が解り、助かった安堵や恐さより、体験出来、実証された歓びの方が強かった事を、今も鮮明に覚えています
余談ですが、高校の同級生の斉田くんは、やはり部屋で金縛りに遭い、肉体から離れ、上に1m程持ち上がると、そのままへそを中心に、グルグル円運動を始め、しばらく回されて、段々恐怖から、怒りに変わり、心の中で…
『ブッ殺す
』
と叫んだ瞬間、身体に戻ったそうです
その日、学校でこの話をしながら、奴は一日中回され続けた事を怒っていました
幽霊相手に、どうやって殺すんだか