クラスメートの男子がミクが可愛い可愛いと煩い。そりゃ僕の彼女だもの、当然でしょーが。
「僕……、今日…席替えだったんだけど…。初音さんの隣になった。」
へぇ、そりゃ良かったっすね〜。
なんて心中で相槌を打ちながら隣のミクと同じクラスの帯人がボソボソとクラスメートと話すのを聞く。
「…たくさん話せて、結構……仲良くなれた気がする……」
………。
なーんかモヤモヤする。これがヤキモチってやつか。実に美味そうだ。そんなこんなで下校。
ミクがいつもの様にクラスまで迎えに来て歩き始める。でもなんか喋る気になれなくて無言で歩き続ける。
「レーンくん!」
「…」
「レンくん?」
「……」
「ねぇってば!」
隣を歩くミクが急に歩みを早めて目の前に立ったと思ったら肩をグワシと掴んで
「レン君!好き!」
周りを見回すと他のクラスの子や上級生、後輩なんかが此方を見てクスクスと笑って居る。恥ずかしくなってミクの手を引いて走り出すとミクは楽しそうに笑う。
「ハァ、ハァ…」
断じてエロい事をしている訳ではない。場所は滑り台とブランコしかない公園。ミクの手を取って走り出した僕は公園まで来ていた。
「レン君ってば体力無さ過ぎ〜」
息1つ乱れずコロコロと呑気に笑うミクに若干イラッとしつつ、息を整え。
「なぁ、頼むから人がたくさん居るところで好きとか言うのやめてくれない?」
腰に手を当てて見上げる。クソ、なんで彼氏の僕の方が小さいんだよー…。ミクはシュンとしてベンチに座り込むと反省してるのかふてくされてるのか黙り込む。元はと言えば僕が無視したのが悪かったんだけども…
「……」
「…大好きだよ。僕も大好き!!」
ミクは少し顔を上げて上目使いをしてみせる。少し涙が滲んでキラキラした目とふてくされていたらしい尖った唇。その唇のままボソボソと
「リンちゃんよりあたし可愛くないのに?」
「たしかにリンは可愛いって言われるけど、僕の姉さんなんだから比較する意味ないだろ」
「KAITO兄さんみたく優しい人じゃないのに?」
「KAITO先輩は優しいけど、……男じゃないか」
「ルカちゃんよりあたしは、………ちょっと…おっぱい小さいじゃん」
「ルカ先輩はミクよりは る か に 胸は大きいけどさ…。でも胸じゃないだろ、女の子ってさ。」
明らかにミクが最後ので凹んでるのを感じる。ちょっとpgr。
「まぁミクは馬鹿だし、世界にはミク以上に魅力的な人が沢山居るけど、…その、、僕の心中にはミクしか居ないって言うか………っとにかく!僕はいつだってミクのどこもかしこも大好きなんだよ!」
照れくさくて、顔が熱くてミクを見れない僕を座ったままミクは抱きついて来る。チラリと盗み見ると先程の態度なんて初めからなかったかのような満面の笑み。
「あたしも、ちょー好き!!!」
そんな事を言うミクは今までみたどの表情よりも可愛くて、愛しくて。でも顔が爆発しそうなくらい照れ臭くて。
何も言えない僕は返事の代わりにぎゅっと抱きしめ返してみた。
夕暮れで橙色になった公園で二人きり、いつまでも好きの背比べをして語り合ったのだった。
*******************
文章力の限界を感じた。