秋の午後、芝生に背中を擦り付けるコーギーを見て、彼女は隣で「面白い」と笑う。

私は心の中で言う「君もあの犬とそんなに変わらないよ。」
いつになったらテンションの高い落ち着くのだろうと見ていると、持って来たお弁当を食べ終え、寝転がり、暖かい日差しの中話し掛けルコと、30分。寝息が聞こえた。
やっぱり、あの犬と変わらない。と私は思う。
秋の半ばはまだ日差しが暑い。

私の誕生日に靴下をくれた彼女。
料理が上手いと見栄を張った彼女。
自分はモテるんだ、と横目で私をチラッと見た彼女。

自分とそっくりな犬を「面白い」と笑った可愛いヒト。
「好きなんだもん」とそっぽを向いて泣いたいじらしいヒト。
僕が眠る君に掛けたこの布の意味に気付いてくれない可哀想なヒト。

.

利吉の片思いオチでしたー