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寝ている君の髪に

赤い髪がふわり、ふわりと穏やかな風に揺れている。

窓際。
暖かな陽射しが差し込む午後。
自室の壁に寄り掛かり眠っている花道の髪が、柔らかく揺れ動く。
どうしようもなく、その髪に触れたくなった。

本日は休校日で珍しく部活もない日だった。
出掛けるのも考えたが、アパートで自室の片付けや日頃なかなか出来ない掃除洗濯といった事を済ませたい気持ちもあったので、やる事きっちり全部やって時間が余ったらその時に考えようと、花道は何時もより少し早起きして部屋を片付け、掃除して洗濯をした。
折角だから布団も干す。外は良い天気だ。
これなら洗濯物も乾くだろうし、布団もふかふかになるだろう。
たまには流川の居ない時間もあって良いと花道は思う。
アイツが居ると片付けも掃除洗濯も出来ないし、何かと邪魔ばかりするのでどうしたものか悩んでいた所だったのだ。
流川には珍しく、予定があって来られないと云っていたのを思い出す。
今日は部屋の片付けをする絶好の日だった。

黙々とやり終えてみると、丁度昼食を知らせる時計のチャイムが鳴った。
「む、意外と時間がかかったな」
ったく、クソギツネが邪魔ばっかすっからやる事蓄まって時間かかったじゃねーか、等と此処には居ない流川に文句を付ける。
「さーて、何食うかなー」
冷蔵庫の中身と相談しつつ昼食の献立を考えながら、花道は午後はどうするか決めかねていた。

先ずは腹拵えと昼食を食べ終え、暫しぼーっとしていると段々と眠気が強くなってきた。
暖かい陽射しと満腹感が余計にそれを増長させる。
つい背後にある窓際の壁に寄り掛かって目を閉じてしまう。
「はー、あったけーな、今日」
んー、と一つ背伸びをして少しなら良いだろうと、花道は本格的に眠る態勢に入った。

窓は空気を入れ換える為に僅かに開いていた。
その窓から入ってくる風が花道の髪を揺らしている。

「……」

それを突然の来客が目にする。
流川である。
本当なら来られない予定だったものを、花道に会いたいが為だけに全力で終わらせて来た流川。
花道への愛で構築されている流川だからこそ出来る芸当である。

出掛けていないかと内心慌てて来てみれば、愛しい花道は気持ち良さそうに眠っていた。

僅かに開いている窓から入る風が、柔らかく花道の赤い髪を揺らしている。
――触りてー、と流川は思った。
普段は触らせようとしないあの赤い髪が、手の届く所にある。
静かに近寄り、手を伸ばす。
触って、梳いて、撫でる。
――柔けー、いい感触。
更に近寄り、髪にキス。
擦り寄って花道を静かに抱き締める。
「…ん…」
微かに声を上げたが目を覚ましたわけではないようだった。
無意識に擦り寄ってくる花道を腕に抱き寄せ、髪をいじったり、キスをしたり。
目を覚ました花道の反応が今から楽しみだ。
そう思いながらも、この瞬間が少しでも続いて欲しいと思う流川だった。

抵抗が無いのを良い事に、寝ている君の髪に悪戯をする。
たくさんの愛しさを込めて――。


※な、にが、書きたいのか不明な物になってしまった…(滝汗)
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