ちらうら

現実には　本物が
居ると理解っていた

シドと白昼夢／椎名林檎



誰にだって他人に触れられたくない時間や場所があると思う。

わたしの場合それは、
自室(特に本棚)と風呂の時間。
このふたつが他人の手に触れられると、わたしの機嫌は急降下し、外部からの声は雑音にしか聞こえなくなるのだ。
そのことで先日大喧嘩をした。

4月の少し早い連休の半ば、アルバイトから帰ってきたわたしはかねてから大変楽しみにしていた家族での夜ご飯に合流しようと、化粧を直し久々のパンプスに似合うようにと考えたワンピースとタトゥータイツに着替えていた。
アルバイトが少し予定より延びてしまったので、家族はもう出発しており、家にはわたしひとりだった。
さてそろそろ出ようかと最近お気に入りの猫のショルダーバッグを掴もうとした時、わたしは異変に気付いた。いつもの場所にない。
これはと思い部屋に戻る。何かがおかしい。ふと本棚を見る。そこには、わたしが必死こいて本棚の後ろほうに隠していた少々登場人物に男性が多い恋愛漫画が、白昼堂々そこに存在を物語っていた。
キレる、とはまさにそのこと、一気に怒りが込み上げた。ちなみに込み上げたのは怒りだけでは無く、恥ずかしさと、どうしようといった焦りと、なんでこんなことになっているんだという、やっぱり怒りである。
その他も確認してみる。数年前に従姉妹から送られてきた少々隠しておきたい読みもしない児童文学が数冊、それもここ最近のお気に入りとばかりに目立つ所に置かれている。金をかけとったはいいが飾る気はさらさら無かった某まだまだだね！の主人公のフィギュアも目立つ所に。
要するに、片付けでも整理でも無く、わたしからすれば正直改悪、荒らされたと言っても過言ではないくらいだった。
ちなみにここまででの気持ちをシンプルに文字にするとしたら、一言「ハァ？」である。

当然焼肉なんか行ってる場合では無くて、というかもう早く元通りにしてほしいというか、いやでも元通りにするためにはまた触れられるということで、それは本当にもう勘弁なわけで。頭はぐちゃぐちゃだった。

取り敢えず、母に今日もう行かない、行きたくない知らない勝手にして、とだけわたしが怒っているということが最大限伝われば良いと思いながら電話を掛け、伝え、すぐさま切った。なんでとかもう注文したとか色々聞こえたが、わたしがしったことではない。

その場には人の分くらい余裕で平らげられるのが二人もいるのだ。その二人に頼めば母一人くらいすぐ帰って来ることが可能なはずだ。
そう思っていた。

待つこと二時間半。
腹が立ったので冷凍庫の奥にあったアイスを食べた。
テレビを観ていた。
逆に怒っているのが馬鹿らしくなってくるくらい時間が経ったその時だった。わたしの機嫌取りのためのドーナツ片手に頬を赤く染めて家族が帰ってきたのは。

それはもう、メロスばりに激怒した。
しかももうひとつ有り得ないのが、電話の時点でわたしが怒っているのを理解した上で、そのあと楽しく食事をしてきたらしい。人としてどうかと思う。とまで言った。
未だ許す気はない。全面戦争も受けて立つ覚悟でいる。



ひとしきり問い詰めたあと、誰にも邪魔されず風呂に入っていた時にふと思い出したことがある。

そもそも、あの本棚自体気に入ってなかったのだ。
この家に引っ越してきたばかりの頃、念願の部屋を持てたことがうれしくて、ここは自分の城だとさえ思っていた矢先に、あいつは入ってきた。
兄が本棚が欲しいと言ったらしく、それのついでとばかりにわたしの分も父が兄と全く同じものを買ってきたのだった。
その頃からマセていた自分にとっては、確かに本棚は必要だと思っていたが、無駄に大きくてスペースをとり、可愛さの欠片もないシンプルな造りで、しかもインテリアとかそういうことをあまり気にしない兄と全く同じ、というそれが、自分の部屋に我が物顔で居座っているという状況が受け入れられなかった。
その時もわたしはミニバスケットボールの練習か何かで家を空けていた時だったと思う。しかも自分の荷物が少し収納なんかされていて、感謝しろよとでも言いたげな威圧感を出す本棚が、心の底から気に入らなすぎて号泣した覚えがある。

ちなみに今も、その本棚のスペースは空いているところがある。この本棚を棄てる事になる時でさえ、そのスペースが埋まることは無い気がする。

かみなり　落ちてきたって
地の果て　投げ出されても
家賃を　滞納しても
運命　変えてゆけるさ
走れよ　迷うことなく
どんなに　逆風だって
これから　彼女のもとへ

天国と地獄／光吉猛修,Rab Rabbits




人より遅れを取る、ということにあまり慣れていない。

こんな底辺高校に通っていて何をという声が聞こえてきそうだが、それは今ちょっと言い訳と反論が思いつかないので触れないでおいて欲しい。
つくづく自分でも自分が可愛くないな、と思う。人より出来ないということが、自分で許せないのだ。
そりゃ出来ないことだってある。苦手なこともある。人より出来ない、というレベルになると、あまり思いつかないけど、自慢などではなく、大抵の人はそうだと思う。

話を戻そう。例えばその壁にぶつかった時、できなーい、とでもギブアップを素直に言えれば、むしろ清々しく、可愛らしささえ覚えるというものだ。わたしはそれが、びっくりするほどできない。
どうにか形にしてしまえと思うのだ。美術の作品も、バスケットボールのプレイスタイルも、勉強も、服飾の課題も。個性とか、ひとそれぞれとか、適当でそれらしい理由をつけて。そういう風に生きてきた。
自分ができない、ということがひとつも恥だと思えないのは、きっとその人が「それ」に魅力を感じていないからだと思う。それが無くても、自分がブレることはない。できない、ということさえ一種のステータスにして己を持っているのだ。きっと。
とうに自分という存在を諦めてしまっている自分は、きっともう一生そう思うことはないだろうと思う。他人様の為にこの命、なんてことは言わないが、自分はなかなかこの世界においてクズと言われる部類に居ることに気付いた。そんなものの為に生きるなんて、ともう大分前から思っている。

でもやはり、それでもいいよ、なんて優しく微笑んでくれる白馬の王子様(※イケメン{最重要事項})が現れてくれたらそれはそれで。オールオッケー完璧パーペキパーフェクトである。
そんな日々。わたしも明日は、それなりだ。

今日も眠りの世界へと すべり落ちていく


君と暮らせたら／スピッツ


近いうちに書こうと思っていたことがいくつかある。
その中でも好きと嫌いの話、趣味の話は必ず書くことを決めていた。でもまぁそれは、追々、ということで。
始める前は出来れば一日一回くらいは文について考える時間を設けたいと思っていたが、これが中々難しい。
言い訳なのだが、私は少し特殊なアルバイト(職種の話ではない)をしていて、短期集中型で連続で二週間くらい毎日平日は放課後から、休日は半日から一日という形で入っている。簡単に言うと不定期なので、その間は他のことは割と何も手がつかなくなる。放課後は学校終わりに帰宅せずそのままバイトに向かい、営業スマイルとワンオクターブ高い声に疲れて帰ってきて、お風呂入り夕飯を食べ、気づくと日付が変わる直前である。
そうなると、私に必要なのは他の何でもない、睡眠なのだ。
もともと寝ないと駄目な体質な私は放課後のアルバイトというイレギュラーを受け入れるためにはいつもより多くの睡眠をとらなければやっていけない。前入った時はいつも通り四時間前後の睡眠でやっていこうとしたら、後半思いっきり体調を壊し地獄を見た。ここ数年出したことのなかった熱まで出した。日々の生活に変化は欲しいけれど、変えるのと崩すのは違う。私の場合は完全に後者であり、深く反省した。

長々と書いたけれど、今回は4月のはじめから始まったので、年度始めの出来事に何一つ対応できていないのだ！
これは由々しき事態である。アニメはもちろん、最近熱を上げている若手俳優が地上波に出るチャンスであり、家族の前でも堂々と見られて比較的追いやすいドラマまで見逃してしまっている。先々週のジャンプも遂に立ち読みさえできていない。
Twitterやブログなどチェックはしているけれど、いくらメディア化されたこの現代社会でも、それは知ってもらったり更新情報を知らせるためのツールのひとつでしかなかったのだ。
バイトで稼いだお金も入る予定なので。近々思う存分散財してやろうと思っている。テニミュの夏公演のために安易にそんなことしている場合ではないのだが、自分に甘い私はもう何を買うか考えている。とりあえず予約が先だろうか。とか。
そしてまた来月も同じようなサイクルを繰り返すのだ。バイトでお金に触れる機械が増えて思ったが、本当に金は天下の回りものである。社会って、思ったより上手くできてる。

君は　君こそは

日曜日よりの使者／ザ・ハイロウズ


朝は基本的に機嫌が悪い。
朝の己の言動など後から考えるとわけがわからないということが割りとある程だ。
低血圧なわけではないと思うのだが、頭が働き始めるまでに時間がかかる。そのせいで朝、家を出るまでは家族でさえ必要最低限の会話しようとしてこない。家を出るまでには一時間くらいの時間を設けているので、その間にいくらかマシにはなるのだが、約一時間の通学時間中もできればそっとしておいて貰いたい。朝のバス停で楽しそうに会話している同年代を見ると殺意さえ覚える。
何が言いたいかというと、今まさにその状況であり、考えていることは後ろで馬鹿騒ぎしている高校生爆発しないかなぁ、である。

記事投稿テストという名目で、
少しだけ書いてみる

テストといえばここ一ヶ月の、自堕落という言葉以上にこの生活を表す言葉が見つからないくらい堕落していた春休みが明けたら、実力テストというものがあるらしい
そのための教材が課題になっていたりしたが、ご丁寧に回答も配布してくれたので
まぁそこは、なんというか、こう、ほぼ丸写しをした。
そもそもわたしの通う、頭のランクで言えば下の下が集まる学校で、他と同じ内容のテストを受けさせようとするほうが間違っている。
定期テストの成績は「下の下」の上のわたしだが、案の定回答ですら何を言っているかさっぱりだった。そもそも教えられた記憶がない。外接円の関係なんてやってない。
これが定期テストで成績に物凄く響くというならわたしはきっと今頃こんなことはやっていないと思うが、成績には関係ないと思うのでまぁ、なんとかなるだろう。まさにそんな心境である。

何はともあれ春休みが明けるということはこの高校生活もあと二年を切ったということで、つまり学年がひとつ上がるということで、学内に後輩が出来るということで、エトセトラ。

春休みは実際はもう少しだけ残っているのだが、アルバイトの関係で完全オフは今日までだ。
まためまぐるしい戦闘の連続の日々が始まろうとしている。
負けてはいられない