HELLO、HELLO、
今日も電波良好、返事はいつだって聞こえない
失った時計台の鍵と
心の悲しみを
大きな木の下に埋めたんだ
そしたら僕はそこに囚われて
身動きが取れなくなってしまった
困った僕は小さな玩具の電話に言ったんだ
「誰か僕を助けに来て!」
そんな道化、誰にもわからないって
僕自身でさえ思ってたのに
そしたら現れたんだ
「助けに来たよ」って
僕はびっくりして何も言えなくて
そしたら君は困ったように笑って
「ずっと僕を呼んでてくれたよね?」
嗚呼、そうだった
僕はずっと叫んでたんだ
誰とも繋がらない電話の前で
誰にも聞こえないくらいの大声で
『僕は此処だよ、一人で寂しいから一緒に遊ぼう』って
だけど誰も気付いてくれなかったから
いつしか僕は心を閉じ込めた
気付かないうちに届いてたんだね
君だけが見つけてくれた
だからもう、電話はいらないんだ
他の誰もいらないんだよ
HELLO、HELLO、
使われない電話はいつしか壊れた
だけどもういらないんだ
僕の傍らには君と古い玩具の電話
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