話題:二次創作小説
咎狗の血
END2(軍服END)
なんか病んでる
高嶺はもう手遅れだと思う
いつから、だろうか。自分は自分で考えたことを、押し通す意志を失くしてしまった。昔は、あんなにも頑なに自分の意志を尊重していたはずなのに。今では、それが怖くて堪らない。
「貴方が、悪いのですよ。」
アキラは、含み笑いを浮かべている男に言った。本当に、嬉しそうに笑っている。
アキラは、その笑みを美しいと思った。同時に、狂っている、とも思った。
自分を此処まで堕とした男、シキ。アキラは、時たま考える。自分とシキの関係は、一体何なのかと。自分達を繋ぎ止めるものは、一体何なのかと。
「狂ってしまったのだから、感情など解るはずがない。」
シキは、存外真剣な表情でそんなことを言った。アキラから目を逸らし、何処を見るでもなく、視線を伏せた。
アキラは、迷った。自分が先程考えていたことを、言うべきか、否か。だが、すぐに答えを出した。いや、出してしまった。
「俺にはもう、何もない。貴方以外。」
シキの視線が、再度アキラへと戻る。そして、狂ってしまった所有物に、そっと微笑みかけた。
「解るはずがない。俺にも、お前にも。解ろうとしていないからだ。」
優しい声色でシキは言う。アキラもまた、微笑んだ。思考を停止してしまおう、在るのは、目の前のこの人だけでいい…。
ゆらり、ゆらりと、アキラの中の何かがまた一つ欠けた。シキは、それに気付かないフリをした。
思考停止、狂った発条
(それが愛だなんて、気付けない愚かさ)
END2って病んでますよね。個人的には淫靡ENDより病んでると思います。
高嶺は多分どうやっても救いようがないんじゃないかと。
高嶺には「停止」という言葉がよく似合っていると思います。