話題:自分の気持ちがわからない

悩める27歳も、今年で28歳になる。年齢は数字にすぎないとなぐさめながらもうっすらと焦りがにじみ出る。姪に会っては、あたしにもこのくらいの子どもがいても変じゃないのにとか、籍は入れてなくてもしていることは熟年夫婦のような生活だなとか思ってしまう日々。彼と知り合って、かれこれ7年くらいの歳月がながれ、ようやく同棲するまでにステップアップしたものの、この先をどうしていけばいいのやら。結婚や子どものことをどう考えているのかもよくわからない彼に、あたしはこわくてなにも聞けない。そんな一方で、ほんとうに結婚したいのか、子どもがほしいのかという疑問。周りがしているからしなくてはいけないのではという意識にのまれているだけで本心では今のようなぬるま湯な関係もわるくないとどこかではおもっている。これまでしてきた経験や貯めてきたものを結婚しただけで共有しなくてはいけないことへの恐怖心。結局のところ、あたしは自分以外をあまり信用できていない。お金で揉めていた親をみていたからか結婚自体にもゆめはなく、子どもがいることで貧困になり崩壊したわが家での経験が子どもを持つということを消極的にさせる。反面教師ということばもあることはわかっているけれど、今の彼とはおなじ末路を歩むのではないかという不安がぬぐえない。みんなはどんな気持ちで結婚を決め、生活を送っているのだろう。ネガティブすぎるあたしの思考回路は、ひとりで考えるたびにどんどん深いところへ落ちていく。

いろんな人生を考える。転職をしてみる。住む土地を変えてみる。彼と別れる。現状維持。そのどれもが正解にみえる。けれど、今のあたしはなにかを変えたいとつよく思っている。今すぐにではなくてもなにかしらを変えなくてはならないというひとつの意思のように。7年も一緒にいれば、いいところもわるいところもわかってくるし、慣れてしまう。このままでいいのかもとあまえたくなる。それでも変化を求めたのは、実家の引っ越しが関係している。祖母が暮らしていた家が、あたしのあたらしい実家になった。そこは山に囲まれた自然にあふれた土地で不便ではあるけれど、いろんなものから解き放ってくれるふしぎなかるさがあった。あたしはどこでもやっていけるし、選ぶ力があって、生きていける。そんなふうにおしえてくれた。

それにほんとうは知っている。男が結婚の意思をみせないのは、こっちにも問題があるってことを。結婚したいとおもわせてくれる相手なら、結婚したいって自然におもうだろうし、話題にもあがるだろう。あたしたちはいつだって自分のことばかりでいやになっちゃうよ。