中村うさぎさんのイノセントという本を読みました。
ネタバレが含まれる場合があるので、読んだことが無い方はご注意ください。





起こっている事はドラマチックなのに、やけにリアリティのある話でした。
でもそれは現実に有り得る話で、だからこそ怖くなったのだと思います。
一言で言えばリアル。
私も夜の世界で働いたことがあるからこそ感じるものかもしれないけど。
歌舞伎町も身近で、玲哉のようなホストも何人も見たことがあります。
夜の世界独特のドロドロとした人間関係、肉欲、憧れ、憎悪や鬱々とした感情。
全部が詰め込まれてる気がします。
タイトルは直訳すると純真、潔白、無邪気。
内容はそれとは全く正反対の薄汚れたもの。
でもそれが人間の本性であり、一番純真なものではないかとも思います。

鬱々とした話は嫌いじゃないですが、この本は少々後味が悪かったです。
この話の登場人物で報われた人はいるのかな?と思うと少し心が痛みます。