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すずやかであまい


夜明けの空気のにおい。ひん
やりと澄んだ風の涼やかさ。

なんだか、なんとも言えない
懐かしいような気持ちになり
ます。きっと夜明けにたくさ
んの宝物があったからなので
しょう、ね。

大好きで仕方なかった先輩の
家に初めて泊まった夜。痛み
を知った日のこと、かなしい
あどけない寝顔。

遠ざかりこぼれ落ちる幸福に
泣いた夜。

サークルの人と明かしたいろ
んな夜。

彼氏さんとの、いつしか数え
きれなくなった幾多も、の夜

中でも思い出ぶかい、初めて
共に明かした夜。あれからも
うすぐ二年も経つなんて、と
ても、ふしぎ。


そんなふうに懐かしんで、心
がじわり、きゅうっとなる程
には、わたしは彼が、好きな
のだろうと、思ったり。そん
な、明け方の考えこと。今夜
は涼しかったですね。何より
この明け方の空気は、格別。


もう、日が昇りますね。


話題:眠れない夜

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