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双子の悪魔(没ネタ1)
04/25 17:18 創作小説




去年のお知らせ内でも書きましたが、
双子の悪魔(創作)を小説で書いたら、初っ端から壮大になってしまって…手に負えなくて没に。
シリアス全開で、ああ…この時私病んでたんだなぁ…って( ̄∇ ̄)ありきたりな感じなんですがね

文章力もなく中途半端で矛盾だらけの、作品と呼べる代物ではありませんが、
せっかくなので没ネタとして載せさせて頂きます。

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ちなみに、双子の悪魔とは…
悪魔で双子のダーク(兄)とブラック(弟)が、人間であるライトに恋をします。
けれどライトには、想いを寄せている人がいました。
ライトが自分達以外の人を好きだという事が、双子は許せませんでした。
だから決めたのです。
ライトのハート(心)を盗もうと。
…的な話です。
この3人がメインですが、
エルフのガリュ、悪魔のリティ
人間のスフレ(生まれつき盲目)とコウル達がメインの物語もあります。 
頭の中ではまとまってるんですがね…形に出来ない…(苦笑

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これはプロローグ的な物なので、
双子とライトちゃんが初めて会った時のお話になります。
……会話もなく途中で終わってますが←





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これは、双子の悪魔と人間の、残酷な恋物語である―…。


ここは、様々な種族が暮らす街。 様々な種族といっても、人口は圧倒的に人間が多い。
元々ここは人間だけが住んでいた街だった。
最初は種族が違う事もあり、互いに忌み嫌っていたのだ。
人間はこの世界で一番弱い生き物。
だからこそ、一番警戒心を持っていた。
だが、ある日の晩の出来事によって、人間はその警戒心を解く事になる。
ひとつの種族だけを除いて…。


昔、この街を襲った悲劇と喜劇。
それは月明かりの中で起きた。
この日は運悪く満月の日。
だからこそ、この日だったのかもしれない。
月明かりで照らされた街中は、シン…としていた。
この時間、いつもならまだ賑わっている筈なのに、皆家の中で過ごし、外に出る人は誰一人いなかった。
それもその筈。
皆分かっていたのだ。
今日は外に出てはいけないと。
この世界で一番恐ろしい生き物、“悪魔が” やってくる、と。
この街の傍には、悪魔の住む森があった。
普段の悪魔は、それほど脅威ではない。
悪さをする訳でも、害になるような事をする訳でもないからだ。
だが、満月の日は違う。
魔力が増して、暴走してしまう悪魔が多発。
奇跡的に、最初に遭遇した人は命辛々逃げ延びた。
その人が皆に伝え、今までに被害にあった人はいない。
それからというもの、明日だ明日だと皆騒いだものだった。
けれどいつの日からか、これはこの街での暗黙の了解になっていた。
誰かが騒ぐ事もなく、これが当たり前のように…誰一人、外に出る人はいなかったの だ。
そう、出る人は…。

3人…ある親子3人だけ、この街に居なかった。
昨日から隣街まで出かけていたのだ。
その家族は、街に越して来たばかりで、その事を知らなかった。
暗黙の了解。誰一人、教える人はいない。
その家族が居ない事に、街中の人達は気づかない。
ただ、一人。
その家族がいない事を知っていた人物がいたが、今日帰って来るとは思いもせず、誰かからその事も聞いただろうと過信し、何も伝えなかった。
家族は知る由もないだろう。
今向かっている先に、悪魔が待ち寄せている事を。


真っ暗な闇の中、月明かりだけを頼りに親子は街に向かっていた。
父親の背には、歩き疲れて寝てしまった女の子がおぶさっていた。
それを微笑ましく見つめる母親。
夫婦は、娘を起こさないように小声で話していると、突如暗闇の中に、白く光る物が目に飛び込んできた。
夫婦は一瞬身構える。
けれど、それは一瞬で解けた。
ふわりと白い羽が舞い降りる。
夫婦の目の前にいたのは、背中に翼を生やし、人の形をした美しい生き物、“天使”だった。
月明かりに照らされた翼は、暗闇の中でも純白だと分かるくらい真っ白に輝いていた。
初めて天使を見た夫婦は、あまりの美しさに言葉を失う。
天使も夫婦の存在に気づき、暫しじっと見つめたかと思うと、突然、ふと微笑んだ。
そして、ふわリと翼を広げたかと思うと、自ら羽根を一枚毟った。
一瞬苦痛の声が漏れ、夫婦は天使の行動に不安を覚えたが、天使の顔を見て、なんの心配もいらないと悟る。
天使は夫婦に近づいて、
『その子に』
そう言って、一枚の羽根だけを残して飛び去って行ってしまった。

夫婦は驚きを隠せないでいた。
それも当然だろう。
何故、天使が娘に羽根をくれるのか不思議でならないのだ。
お互い忌み嫌っているとはいえ、人間にとって天使の羽根は、貴重なお守りとされていた。
天使の羽根には邪悪なモノを祓う力があると信じられていたが…実際、羽根を手に入れられた者はほんの数人。
通常は天使が落として行った羽根しか手に入れられないのだ。
それも稀にしかない。
ましてやそんな貴重な羽根を、人間を嫌う天使が自ら羽根を毟る、等聞いた事がないのだから。
天使の純白の羽根は美しく、月の光を浴び、輝きを増していた。
天使が自ら毟り、娘にくれた理由を夫婦達は知る由もない。
けれど、娘の為にしてくれた行いだという事は、天使の表情、立ち振る舞いを見ればわかる。
母親は、天使に感謝しながら、羽根を娘の髪に刺し、父親と目を合わせて優しい声で笑った。




双子の悪魔(没ネタ2)へ続きます。



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