Aug.07


人が求める幸せには底がないと聞いたことがある。きっと事実。細やか幸せが一番の幸せだと口にしても、それを貪欲に求めるのが人間なんだろうし、それはそれでいい。だから私にも、この幸せが続くようにってさ願うことを許して欲しいんだよ。それがどんなに醜くても、どんなに自分勝手でも、それを許して欲しいんだよ。過去から逃げた人間の足元なんて、土台ぐっずぐずで、その上に築いた細やかな幸せが重すぎて、何時だって不安で、それでも、この低体温な幸せに縋りたいと思う程には幸せで、だから、奪われたくない。あぁ、逃げて良かったのかもしれないなんて少し自分を許せた気がするそんな日は決まって、誰かに首を絞められる夢を見る。あぁ許されてないんだなって理解するには容易すぎる形で、対峙したあの人達は何一つ言葉を落とさないのに、私の足元を簡単に崩して。残骸の上にばかみたいに立つ事しか知らない私は、悔しいとか悲しいとか、もっともっとぐちゃぐちゃの感情を、許せたと思えたあの人に投げつけて。結局ずっと繰り返してるんだよ。許された、違う、許した、違う。結構な年齢になったと実感してても、何一つ変わらなくて…この先もそうなのかと思えば、少し目を閉じるのが嫌になって、ほんの少し幸せとやらが怖くなるんだよ。


-エムブロ-