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倉庫化に伴って



サイト倉庫化に伴い、小話&多少の落書きが付いた記事以外を非公開にして再びこのブログとのリンクをつなげさせていただきました。
小話を倉庫サイトの小説とともに倉庫に収納したほうが良いかな、と判断したためです。

ホーム・スウィートホーム(本編後37+オカンとオトン)



※ザスニ設定を借りてるようで色々捏造




 本来なら、真っ直ぐに自宅へ帰ればよいのだ。
ようやくブリタニアに帰りついたばかりの、旅疲れてくたくたになった体を引きずるジノに、何も知らない人間はそう思うだろう。
「ただいま帰りました」
「お〜か〜え〜り〜」
「お帰りなさい」
 そこに立ち寄れば、相変わらず間延びした声と母親のような姉のような女性の声に迎えられ、ジノはやっと『帰ってきた』という気分になる。平和な世界にその科学力をふるうこととなった彼らは、以前より幾分か心穏やかな表情だ。
(そうであってほしい私の希望が、そう見せているだけかもしれないけど)
 重い荷物を下ろして、辺りを見回した。グルグルと肩を回して凝り固まったのをほぐしながら、ジノは迷わず口を開く。
「──『彼』は?」
 口を開いた時点で彼女たちはジノの口から飛び出す言葉など、わかっていたのだろう。或いはここ最近は変わり映えのしないジノの行動パターンから、それより早くわかっていたのかもしれない。
 セシルはやっぱり、という表情をして、ジノに背を向けて鎮座するソファーを指差した。
 正確には、ソファーからはみ出る足を、だ。
「待っていたんだけど……」
「忙しかった疲れと、キミが帰ってくる安心感でしょ。無防備に寝ちゃってさぁ……」
 ロイドの表情は柔らかい。喜ばしい傾向を、素直に嬉しく思っているのだろう。ジノもやにさがりそうになる口元をおさえ、ゆっくりと足の主に歩み寄った。
「…………ただいま、」
 スザク。
 うっかり眠り込んだだけの彼の顔からはまだ仮面はとれていないけれど、そっと手を差し込んでジノは躊躇いなく外してみせた。
「ただいま」
 今度は、現れた素顔のためだけに呟く。
 そうして、柔らかな頬と額にやさしくやさしく触れた唇で、ありったけの愛しさと想いを伝えるのだ。















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もうじのじの(呼び名)もキャメ家族に入っちゃえばいいじゃないという希望←←←

平行線のふたり(最終回後ジノスザ妄想@幸せver.)



 ───じぃ、と。
「…………」
 ねっとりと這うような視線を延々送られ続けたスザクは、辟易したように声をしぼり出した。
「……ヴァインベルグ、卿」
「んー…?」
「……その、何か?」
「いやあ……ただちょっとその衣装がなあ」
 あくまでゼロの喋り方をしたスザクにも構わず(普段なら口うるさく『そんな口調はやめろ』と言うくせに)、ジノの視線はキュッとしまったスザクの腰あたりをうろうろと彷徨う。
 あまりに粘着質な目に、スザクは仮面の下でヒクリと自分の頬が引きつるのを感じた。
 それこそ変態を目の前にしている気分になるほどの気持ち悪い視線なのだ。ここまで目の前の男を殴りたいと思ったのは久しぶりかもしれない、とスザクは拳を握りしめた。
「なあスザク」
「…………」
「……ああ、悪い。ゼロ」
「何か?」
「その衣装変えないか?お前の魅力的な腰のラインがあまりにはっきり出すぎ──ってぇ!!」
 問答無用で殴った。
「っなにするんだよぉ!!」
「馬鹿なことを言うからだ!!」
 手加減は必要ないだろうと思いきりやったのだが、ピンピンしてるところを見るとむしろより力を込めてやったほうが良かったかもしれない。
「全くキミは──」
 小言を口にしかけた身体をふわりと後ろから抱く腕。スザクは驚いて身を捩った。しかしジノの体躯はそれを許さない。
「やっと前みたいに喋ってくれた」
「…………キミってやつは」
「馬鹿なんだよ。私はスザク馬鹿なんだ」
「何だい?ソレ……」
 苦笑が漏れる。体重を預けて、スザクは気付かれない程度にジノの袖をそっと掴んだ。
 甘えて甘えられて互いに寄りかかって救われている。
 いつまで経っても変わらない関係だけが笑えてしまうくらい幸せの在処だった。





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もうこんなでもいいんじゃない?
……ちゃんとジノが理解と後悔と歩み寄りをしてればさ!←←←

うちの子を幸せにしてやってくださいヴァインベルグ卿(´・ω・`)

なきたいくらいにあなたがいとしい(24話捏造37/3による公開告白←←←)



※シリアスなようでシリアスでない。でも最後シリアス風




『スザクっ!!』
 通信越しに呼びかける男にスザクはきゅ、と眉を寄せた。答えずにいると勝手に回線を開いてきて、戦闘の邪魔にならない程度──画面の片隅だ──にジノの顔が映り込んだ。
 勿論、ジノの技術ではなくアチラ側の誰か(ラクシャータという人間だろうか、とスザクは思った)に協力させて開いたのだろう。
「なんだい、そんなボロボロの機体でまだ──」
『スザク、アヴァロンは墜ちたぞ』
「……そう、」
『お前の、いや、お前たちの目的はなんだ? 本当に世界が欲しいのか、違うだろう!』
 ハナから嘘だと決めつけられ図星でもスザクはムッとした。
 何がわかる、きみに何が。
 苛立ちは口をついて出た。
「だから? きみは俺の何を知ってるっていうんだ! 俺はきみたちの敵だよ、最後まで手を──」
『ああ私はスザクのことなんかほとんど知らないさ! だってスザクは何も言わないから』
「なら放っておけばいい」
『──でもスザクが死にたがりだってことは知ってるし、スザクが今からしようとしてることは止めたい!』
 話が通じない。
 苛立ちに任せてコンソールを叩いた。
「きみはっ」
『私はお前を死なせない。理由が必要なら、言ってやるさ!
私は枢木スザクのことが好きだ、大好きだ! だから死なせたくない』
 戦場にはあまりに不似合いな愛の告白に、スザクは不覚にもキョトンと気を抜いてしまった。
 勿論、スザクだけではない。筒抜けのオープンチャンネルの所為で、カレンもぽかんと口を開けたまま呆けた。あら、とラクシャータもパイプをふかして目を瞬かせる。
「な……」
 呆けていたのも一瞬、スザクはみるみる顔に血を昇らせてジノを睨みつけた。
「何をふざけ──」
『ふざけてなんかない! だからスザク、お前も私を好きになれ!!』
 ──私を好きになりなさい!
 かつての主の声に重なったジノの言葉に、スザクは目を見開いて呼吸を止めた。
『私を好きになって、どうしようもないくらい好きになって、死にたいなんて思わないくらい私を愛せ!! 私もお前を愛する!』
「ば、馬鹿言うなっ!俺は──っ」
『お前の好きな私が、お前を好きになる! だから、お前はお前の好きな私が好きなお前を、好きになれ! 自分を好きになれ!』
 響く声にガンガンと頭痛が止まらない。
(──ダメ、だ)
 ぐらぐらと頭が揺れて、目眩を感じた。厭ではない。喜んでいる自分に自嘲した。




なきたいくらいに、あなたがいとしい

(伸ばされた手をつかんでも、いいの?)



ねむりひめにくちづけを(37/短文/本編反逆な甘)





※ちょうみじかいよ\(^O^)/





「 すきだよ 」
 ぼろっと大粒の真珠みたいななみだが翡翠からこぼれ落ちた。わたしは首をかしげる。
 ああ、そうだ。こんなふうにわかりやすく泣く姿をみたことがなかった。だからこんなに違和感をおぼえたんだ。
「泣くな、」
 でも、とか、だって、なんて言葉はきれいさっぱり無視をして、戸惑う体をだきしめる。構うものか、わたしは怒っているんだ。わたしを置いていったりして、なにも言わずにいったりして!どうしてお前はいつもそう、
「ぼく、き、きみにまだ、すきだなんて、いってもらえ、る、し、しかく、ない」
「資格なんかいるもんか!」
 無様におちたトリスタンと、仲良く砂に沈むランスロット。ふたりして泣き出しそうでかっこわるいけど、やっとお前をだきしめられた。
「すきだよ、だいすきだ」
「じ、の……」
 できたら、笑ってほしいんだ。



「すざく、」





おひめさまののろいはおうじさまのきすでとけましたとさ


そうして唇を奪えば、真っ赤なかおして黙りこむお前がいとしい。


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