本当は、生きることに資格など要らないのかもしれない。
もしあるとするなら…
そこに居る。
それが資格であり、価値である。
そう思う…いや…そう思いたい…

私は何故に理由を探すのだろう?
私が、私を大往生まで見続けることを望んでいる…生き続けることを望んでいる…
どうして、それだけじゃダメなのだろうか?

理由がないと怖い…
それは一つの正解でもある。
では、何故怖いのか?
それは、よくわからない。
ただ漠然と怖いんだ。

人に死んだ方がいいと言われると…それが正しいように思える。
私が生にしがみつくのは間違い…そう思える。
しかし、そんな私に、私は反発するんだ。
私は死んだ方がいい人間なんかじゃない!
生にしがみつくのが正常な心理。間違いなんかじゃない!…と。
だけどそれは、どうにも押しが弱くて…時折、押し切られそうになる。
それでは困るんだ…

いったい何が原因なのか?
原因がわかれば、少しは緩和するんじゃないか?
そう思っていたこともある。
だけど、私は、それを全力で拒否するんだ。
知りたくない…何も知りたくない…
それは、知りたがりの私にしては、珍しい反応なのだけど…私は、それに従った。
知らない方がいいこともある…
追及が全て良い方向に進むとは限らないからね…
それに私は危惧しているんだ。
私が崩壊する…完全に立ち直れないほど壊れる…漠然とした強い強い危機感…

思ってはいるんだ…
価値とか資格とか、大事なのは、そんなことじゃないだろ?…って。
だけど…本当にそれでいいのだろうか?正しいのだろうか?

昔…担当医が言った。
他人ならば許せるという事柄は、自分にも許していい事柄なのだと。
当時、私には分からなかった。(今も、よく分からない)
どうして『他人は良くて、自分はダメ』はダメなんて言うのだろう?
その意図が掴めなかった。
だけど…たぶんコレのことを言っていたんじゃないかな…と思う。
もし、そうなら…私は理由探しから解放されていいことになる。
だけど…それは、あくまで推測。
私は自分が楽になりたくて…担当医の言葉を曲解しているのかもしれないし…

ああ、だから…他人には言えるよ。自信を持って。
生きるのに特別な理由なんか要らない。
生きたいから生きる。それでいい。
死にたくないから生きる。それでいい。
そしてそれは、けっして間違いなんかじゃない。