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はじめまして!

作者です!

今日から自分の遅いテンポではありますが、
小説をメインに更新していきます。

是非見てやってください(・∀・)

自己満足のジャンルでは、パスをつけています。
かなり偏った文章なのでお気をつけて…
パスはタイトルを小文字のローマ字で打ってください。
さえゆき→saeyuki
という風に。

リクエスト

設定などリクエストありましたらどーぞ!

亀更新になりがちですが…汗
送っていただけると嬉しいです!

仕事と恋愛は別もんです (4)


ただのちゃらい人かと思ってた
ヘラヘラと話しかけてくるし、顔を時折赤く染めるし
あまり関わりたくないと思ってたのに


校長にどうしても人が足りないから助けてあげてと言われ、
断れず来てみれば、その人の姿があった

それだけでもう最悪だと思った



だけど、この学校に来てから一ヶ月
私の中の彼の印象はそれなりに変わっていた

彼は生徒に人気で、他の教師とも仲が良くて
なにより色んな人から頼りにされていた

いつか、私が夢見ていたような…そんな先生だった
あんなふうになりたくて、なれたら楽しいだろうなと憧れていた姿だった



彼は…そんな教師だった




少し、モヤモヤしたものが心に広がっていた
私の理想を体現する彼に、嫉妬しているなんて

身勝手な感情……

そんな教師になれなかったのは、ほかでもない私自身の責任なのに




いつしか私は彼のことがそういう意味でも苦手になってしまっていた







『前田先生、おはようございます!』


『…おはようございます』




となりの席の高橋先生は、必ず私より早く来ていて、必ず先に朝の挨拶をしてくれる
その笑顔は爽やかで、朝が苦手な私には少しまぶしすぎる



チラッと横を見れば、何やら授業の予習をしているらしかった
チャラいっていうイメージがドンドン変わっていくなぁ



『真面目なんですね』


『え……あ、予習ですか?
 でも、前田先生もしてるでしょ?』


『……』


『いつも僕の方が早く帰るし、時折朝来たとき
 前田先生の机に予習ノートが開いたままだったりしてる見てて…あ、中身は読んでないですよ!』


『……』




この人は、本当に人のことをしっかり見てるんだなぁ
だから…あんなに信頼されているのかな……




『あ、あの…前田先生?』


『あ、すみませんぼーっとしてました…予習の邪魔をしてすみません』


『いえ、もう終わりますから』



あぁ…まぶしい笑顔……




苦手だなぁ










『『前田先生おはよーございます!』』


『おはよう』



男子生徒からのあいさつ
その後後ろで聞こえるヒソヒソ話

わかってる…私に挨拶するのは、私を先生として見てるわけじゃなくて
そうやって男の子達で盛り上がりたいだけなんだって




『…前田先生も大分生徒と仲良くなりましたね』


『……』




なんの疑いもない笑顔
高橋先生は…私の心を逆なでするのが好きなのかしら




『あんなの…私を先生として見てない挨拶ですよ』


『綺麗な人と会話できるだけで男子高校生のテンションなんて簡単に上がっちゃいますもんね(笑)』




わかってて仲良くなった、なんて言ってきたの?




『でも、どんな理由だってコミュニケーションが取れるっていうのは
 やっぱりいいことだし…いいきっかけだって思いませんか?』


『……』


『そんな長所…生かさない手はないと思うんです。
 俺でもお近づきになりたいですもん…』



『……。
 廊下で口説くのやめてもらえますか?』


『……あっはは。なんだか…そっちの表情の方が見慣れてきました(笑)』


『……怒らせるようなことばかりするからですよ』


『善処します…それでは、また』




やっぱり高橋先生は、しっかりと人を見ている
ちゃんと見て、さりげなく心のしこりを取ることが上手

だから、苦手




苦手って思っていないと、見透かされそうだもの



仕事と恋愛は別もんです (3)


合コンから一ヶ月。
なんの収穫もないまま、忙しい日々に追い立てられていた

そんなある朝だった



『今日から新しい先生に来てもらうことになりました』

そんな職員室の朝礼での一言





こんな時期にめずらしいな

とか


性格悪くない人だといいな

とか


なんの教科かなぁ

とか


まだ少し眠たい頭でぼんやりとそんなことを考えていた












『はじめまして。 今日から…よろしくお願いします』


『………』




扉から入ってきたその人
見たことのあるシルエットに、顔も。

違うのは…教師っぽい服装とメガネをつけていることくらいだ





運命だ……



なんて、調子のいい頭がそう雄叫びを上げた













『…こちらの先生だったんですね』


『えぇ…まぁ…前田先生はどうしてこんな時期に?』




しかも席はとなり。
ありがとう神様。



『…言いづらい理由だったらどうするんですか?』


『へ……あ、不躾にすみません…』




現実はそう甘くないようだ……



とはいえ、毎日会えるのだからよしとしよう
目標はご飯を一緒に!
を掲げ、新たな教師生活が幕を開けたのだ

とはいえ、今までと変わらずなのが大部分
話しかけてもそっけないのには変わりない

でもそれはほかの先生にも、そして生徒にもだった
授業も淡々と進んでいく感じ

まぁ別にダメなわけじゃない…これがスタイルなのだろう
なんて…授業をこっそり廊下から覗いたなんて知られたら…

以後、こんなことはしないと誓った




そわそわと午前中を過ごしているとあっという間に昼休み
前田先生はどこでご飯食べるのかなぁなんて考えて

やはりストーカー体質があるんじゃないかとハッとしたのだった

仕事と恋愛は別もんです (2)


どうやら何もかも逆効果らしい……



合コンが始まって1時間ほどが経つ
皆それなりにお酒もはいり、雰囲気もいい感じだ

大島なんか完全にネジが外れている
狙いは小嶋さんらしく、ダブらなかったことには感謝しておこう

だけど…




狙いの前田さんはテンションも低く、お酒も進んでいない
というか……





帰りたいオーラ全開…!!!



さっきからさりげないアタックというか、積極的に話しかけてはいるものの
つれない返事しか帰ってこない



脈なし……か……




今日は酒を楽しむかな…
なんて早くも諦めな状況です



『高橋ーー!!飲んでるかー!!!』


『……飲んでるよ』


『んだよーテンション低いなー女子に振られたかーアッハハ!』


『声でかい! お前ほどモテないんでね』


『ちびだしなー!』


『変わんねえだろ!』


『あっはっは!!』




そのあともよくわからない絡みをされた
どっと疲れた……



そのあとはとなりの女の子やほかのメンバーと
色んな話や遊びをやって、お開きになった






前田さんは始終楽しくなさそうで…
どの男ともあまり話さず、女の子達と話していた




彼氏ほしいってわけじゃなさそうだな…







『よっしゃこじぱーー!! 二人で飲み行こう!』





陽気な声の持ち主は、嬉しそうに綺麗な女の子と街中へ消えていった
……羨ましくなんか……


気づけばもうひと組消えているし……




『俺らは…どうしますか…(笑)』


『…帰りましょ』




ぼそりと、しかし確実に聞こえる声で前田さんはそう言うのだった


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