出会ったのは、小学生だったころだと思う。
一際明るくて人に好かれそうな、
それでいて小学生低学年には見えないくらい大人びたエミに、
出会ったその日に惹かれた。
ただ、仲良くしたいと幼心に思った。
でも、仲良くなりたいと側にいればいるほど自分は不安になった。
幼い自分にはまだ誇れるものはなく、ちっぽけな自信すらもなかった。
だから、あの頃の自分は、
エミを繋ぐ方法だけを毎日考えては、いつか見透かされるであろう下らない嘘や見栄を口にしていた気がする。
……それでも、エミはそんな嘘や見栄に目を伏せて、ずっと隣にいてくれた。
本当に、エミはどこまでも優しくて、いつまでも一緒にいたくなる親友だった。
だからこそ、本当のことはなかなか言えなかったんだと思う。
失いたくなかった。
壊したくなかった。
関係が変わってしまったら終わるような気もしていた。
だから、隠していた。
自分の核心だけは。
何気なく笑うときも、
ただ友達として隣にいる時も、
互いが互いを「親友」だと話し合いながら、
男であるだけでエミに好意をむき出しに出来る他人に感じる妬みさえ圧し殺して、
色んな異性や同性に関わって、
ずっと、本当に自分が異性として、エミを好きでいること。
本当は、なんの前触れもなく、エミをぐちゃぐちゃに愛してしまいと思ったことも。
……ただ、隠した。
隠さないと、ダメだと思った。
エミに嫌われるなんて、耐えられない。
だから。
ずっと、核心だけはつかないまま、
エミをほだすことだけを目標にしてきた。
自分はエミの親友でも、恋人でもない。
でも、親友よりも恋人よりも愛されたかった。
エミの中で、自分が何より特別になればそれで良かった。
そのために、
そして自らの気持ちを試すために、
その途中で何人かの男女とも付き合った。
付き合ってみるのは楽しかったが、
異性として本当に女性を好きになれたのはエミだけだった。
男性と付き合っている間も、エミのことを想う自分は別にいる。
ずっと、他人が自分の恋愛を見ているような感覚が自分にあった。
……そんな状態のまま、数年が過ぎた。
そうして、自分の気持ちに気付いてから十年近くを費やして、
エミは、自分を好きだと言ってくれた。
異性として、親友として、あらゆる意味で自分以上の人間は有り得ないとまで。
嬉しかった。
エミと付き合うことになり、彼女に触れ、ただひたすら彼女からの愛を貪った。
でも、自分は女として幸せにはなれなかった。
……他の男と出掛ける自分を見てウンザリした「男としての自分」がこっちを見ているみたいに、
エミと付き合っている自分を見てウンザリした「女としての自分」がいた。
……その葛藤の中で、
せっかく掴まえたエミを何度傷つけたか解らない。
結果的に、
これ以上彼女を傷つけてはいけないと、
自分はエミを手放した。
そして、一年が経って、
自分はまた、
同じ過ちを繰り返そうとしているのかもしれない…。
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まずは読んで頂いてありがとうございます。
ナニこの薄っぺらいフィクション。
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながらノンフィクションです。(笑)
別れた後、一年経っても気持ちが消えず苦しい思いをしていた矢先、
彼女とちゃんと話をする機会がありまして。
ブログに書いたような内容を彼女に打ち明けると彼女は
私も一年間考えたけど、どうしたらいいか解らない
と言っていました。
お互いにまだ相手を好きなようです。
というか、自分にいたっては一生好きだと思います。
でも、自分がこんな状態で、また彼女を傷つけてしまうのであれば彼女とは付き合わない方がいいんじゃないか。とも思ったりしています。
そうこう言っても、
彼女が側にいるとムラムラしてしまうので、道は大きく踏み外すかもしれません。(笑)
このブログは、自分の気持ちや彼女との記憶をしまうのに使わせて頂く予定です。
自分勝手、見苦しいのは承知で書き連ねていくので、閲覧はご注意下さい。