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預かり物のジレンマ(トマ主)

俺の方がアイツを好きだと思っていたせいか、間接的な不意打ちに驚きを隠せなかった

まさかパスケースの中に大事そうに俺の写真を入れているのだから始末に負えない。

しかも俺の同学年の奴に頼まなければ入手出来ない、修学旅行の写真。

アイツは、どんな顔をして頼んだのか。俺の写真を、どんな顔をしてパスケースに入れたのか。どんな風に思って持ち歩いているのか。

そんな恋してる女の子みたいな事を俺に対してされたら……嗚呼、もはや堪らない。

お前の恋人でもあるけど、俺は幼馴染みで兄代わりでもあるんだぞ。

いくらなんでも簡単に自制心を手放すワケにも、いかないというのに。


「どうして、そんなに可愛いんだよ……」


メール送信完了画面に向かって呟く……

可愛いなんて今更だけど。ガキの頃から、お前は可愛いけれど。

こんな不意打ち紛いの可愛さを見せつけられたら……流石の俺だって普通に理性が揺らぐっての。
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陛下と名付け親(コンユ)



「陛下って呼ぶな、名付け親!」


貴方に、そう言われると…
嬉しい反面、心苦しくなってしまう。

俺が貴方を陛下と呼ぶのは、自分への枷。
貴方への想いを胸に留めておくための枷です。


「そうでした…ユーリ。」


嗚呼、また溢れ出して来る想い。邪な感情。醜い欲。

不意に笑顔の仮面で覆ったけれど、貴方に気付かれていないだろうか?


「どうかしたのか?コンラッド」


真っ直ぐで無垢な瞳が、俺を見上げて来る。

それが、俺を信頼する故での無防備さに胸がざわつく。

本当は、そんな風に信頼されるような男じゃない。

あまり俺に、心を許さないで欲しい。

じゃないと……
このまま柔らかな頬に手を添えて、艶やかな唇を奪ってしまいたくなる。

華奢で小柄な肢体を、この腕に閉じ込めてしまいたくなる。

貴方の肌の隅々に、唇を這わせたくなる。

本当は、他の誰よりも危険な男なんです。


「いえ、今日もユーリは可愛いと思っただけですよ。」

「か、可愛いって……言われてもな。俺は男だし、あんま嬉しくない!」

「そうですね。でも、いっそ…このまま裸足で貴方を抱えて逃げてしまいたくなるくらい、可愛いです」


俺だけのユーリで居てくれたら、どれだけ良いだろう。

誰でも魅了してしまう貴方を、隠してしまえたら良いのに。


「コンラッドってさ…時々、真顔で恥ずかしい事を言うよな」

「そうですか?」

「そうだよ!そういう口説き文句みたいな言葉は俺にじゃなくて、女性に言った方が良いと思うぞ!」


やっぱり分かってないですね。
こんな事を言うのは、男も女も関係ない。
貴方だからですよ。


「でも、まぁ…コンラッドはカッコイイから、口説き文句を言わなくても、微笑み1つで女の子は惚れそうだけど。」

「惚れそう…ですか…」

「男の俺でも、今の言葉はドキッとしたしな。」


今のは、深い意味はない。分かっている。
それでも、貴方の言うように…俺をカッコイイと少しでも思っていてくれるなら心は喜びに震える。


「あまり褒めると、俺は調子に乗りますよ?」


そう……調子に乗るドコロか、思い上がった都合の良い考えさえしてしまいそうだ。


「いや、褒めたというか…本当の事を言ったまでなんだけど。」

「陛下は、本当に俺を喜ばすのが上手ですね」


もし……
本気モードで微笑み、口説き言葉を言ったなら…貴方は俺に惚れてくれますか?俺を愛してくれますか?


「また陛下って言った!だから、陛下って……」


それ以上は言わせたくなくて、人差し指を陛下の唇の前に押し当てた。


「分かってますから、今はこれ以上は……」

「……?」


これ以上、この昂った感情のまま……貴方の名を呼んでしまったら、止められなくなってしまう。

ココでブレーキを掛けておかないと、いけない……


「それよりも、早く行かないと。ギュンターがお待ちかねですよ。」

「あ……うん。」


今のは不自然過ぎただろうか…?それでも、貴方に向けている情欲を気付かれたくない。


「では陛下、お勉強頑張って下さい。」


こんなに近くにいるのに、感情に任せて抱き締める事が出来ない。

綺麗で眩しい貴方を、汚してはならない。

あの華奢な体を俺なんかが抱きたいと願うのは罪な事なのに……


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壊したいほど愛してる(スガタク)

腸が煮えくり返る。
まさに例えるならば、今の僕の心境だろう……

愛想を振り撒くなと…あれほど警告したにも関わらず僕以外の相手と、フシダラな行為をしでかすとはな。

君は余程、僕を怒らすのが好きらしい………


「言ったハズだ。愛想を振り撒いたら泣かす…と」

「い、いや別に……愛想を振り撒いたつもりは……」

「愛想を振り撒いた結果、ミセス・ワタナベにキスされたんだろ……」

「なっ!何で知って……」


真っ赤になるタクトに本来ならば、可愛いと思う所だが……

この場合、心底憎らしさを覚えずにはいられない。


「僕が何故、ソレを知ってるかなんて事は、どうでも良い。覚悟は当然、出来てるんだろ?」

「っ……だけどアレは!油断したというか……」

「言い訳など聞くつもりはない」


例え、どんなに言い訳しようとも。どんな事情があったにせよ。

キスした事実は変わらない


僕より先に、僕以外の奴とキスした事実は消えない。


「だ、大体!僕はスガタのモノじゃない!誰とキスしようがスガタに文句言われる筋合いはないよ!」


確かに、彼は僕だけのモノじゃない。

恋人とは、ましてや違う

けれど僕の気持ちを知っていながらの、その言葉に。

プツリと何かが切れたような気がした。


「筋合いはない、ね。言ってくれるじゃないか……」


目の前のクセのある柔らかな赤毛を、僕は乱暴に掴み上げる


「い……っ……痛っ!ス、スガタ……っ!!!」

「躾をしてやるよ。節操がないお前を……!」


僕以外と奴と、フシダラな行為をする気なんて二度と起こさぬように。


髪を掴んだまま乱暴に、ベッドへと押し倒した。


「な、何すんだ!ヤメロ!スガタ!!!」


怯えを含んだ表情で、暴れるタクトの上に、馬乗りになる


「僕が怖いか……?」

「っ……なワケないだろっ!」


嘘つき……
そんな顔をしてるくせに、虚勢を張るなんて。
そんな愚かなお前が愛しい。

狂ってしまいそうな程、お前を想っているのに……
いともあっさり僕の想いを軽んじるお前が心底、憎らしい。

愛しくて憎らしい。憎らしくて愛しい。
守ってやりたいと思う反面、ズタズタに傷つけてやりたくなる。

こんな複雑な僕の感情、お前に分かるか?


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君の全ては僕のもの(スガタク)

眩しいくらいの君の笑顔。

そんな笑顔を曇らせたくないと思う反面、泣かせてみたくなる

僕が原因で……
胸を痛めて。苦しんで。
涙でぐちゃぐちゃにした、すがる君の泣き顔が見れたら………嗚呼、堪らない。

この想いが歪んでる事は、十分に自覚している。

けれど……君の存在が僕の狂暴な暗い感情を呼び起こす。

君は誰にでも優しくて、そんな風に笑うから……

思い知らせてやりたくなるんだ。

(お前は一体、誰のモノかを……)


「スガタ?どうしたんだ?そんな怖い顔をしてさ。」

「分からないか……?」

「え?も、もしかして……僕が原因だったりしちゃったりする?」

「安心しろ。もしかしなくとも原因はお前だ。」


僕が、こんなにも感情を揺さぶられるのはワコと君しかいない。

(強い独占欲ともなれば、お前だけだ)


「ち、因みに……理由……聞いてもアリな人?」

「気をつけろ…僕の以外の奴に愛想振り撒くとお前、泣かすぞ。」


コレは警告じゃない、宣告だ……


「な、泣かすって……」

「言葉の意味だ……」

「もしもし?スガタさん?それって嫉妬デスカ?」

「愚問だな。嫉妬なんか生温い、独占欲だ」

「と、友達に対する独占欲にしては、度を超えてる…ような気がするんだけど?」

「かもな……」


僕の言葉に後退る彼の胸ぐらを掴んで、引き寄せる


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夏と言えば?A(臨杏+α)

真夏の太陽
輝くプールの水面
眩むような鮮やかな水着

これぞ夏の醍醐味
これぞ夏のオアシス

まさに言う事ナシ!
……と言いたい所だが
帝人は早くも帰りたいと
既に後悔していた

隣をチラリと見れば
好きな女の子。

自分の持って行った水着を嫌な顔も変な疑いもせずに着てくれている

男として
意識されてないのか
信用されているのか
それは、置いとくとしても

こうして水着を着て来てくれた事は嬉しいし、彼女のナイスバディは目が眩む程に眩しい。

流石の帝人さえもムラムラっと来ていた……

だが、彼女以外の人物が問題なのである。


「なーんでシズちゃんが、ココにいるのかなぁ?ハッキリ言ってウザイよ。もしかして俺のストーカー?」

「誰が手前のストーカーなんざやるか死ね!蚤虫野郎の毒牙から園原を守る為に来たんだよ!!!」


新宿の人ラブ情報屋、折原臨也と池袋最強の喧嘩人形、平和島静雄。

その最悪の戦争コンビが
水着姿かつプールサイドで
壮絶な火花を散らしているのだった。

この二人は戦争コンビという名の通り……互いに顔を合わせれば喧嘩

否、ただの喧嘩と言うには生温くあくまでも殺意を含んだ喧嘩なのである。

だが本日の喧嘩の理由は互いを気に入らないという事だけではく、帝人の想い人でもある園原杏里を巡って勃発していた。


「毒牙から守るだって?アハハ!シズちゃんには似合わない言葉だよ!大体さぁ、寧ろ毒牙をかけようとしてんのはシズちゃんの方じゃないの?このム・ッ・ツ・リ・ス・ケ・ベ!」

「なっ!手前ぇ、臨也ぁぁぁっ!それは手前の方だろうがぁぁぁっ!」

「アハハハハッ!ムキになってる図星?シズちゃんはムッツリ〜!!!」

「そうか……そんなに殺されてぇんなら、今日ココを手前の墓場にしてやる!!死ね!今すぐ死ね!さっさと死ね!速攻で死ね!クソ野郎がぁぁぁぁっ!!!」


静雄が怒鳴った直後
ベンチが軽々と持ち上がり投げ飛ばされる

だが
ヒラリと涼しい顔で臨也は難なく交わした。


「ホント、うっとおしいなぁ……シズちゃんは!俺と彼女の計画を壊さないでよ。………殺すよ?」

「何が計画だ!手前ぇの妄想だろうが!変態野郎!」

「ムッツリスケベに言われたくないなぁ!」


未だ治まる兆しが見えない二人の喧嘩に頭痛を抑えられない帝人

彼女を手に入れる為には
この二人に勝たなければならないと考えただけで胃が破裂しそうになる

だからと言って簡単に引き下がれるほど彼女への想いは薄っぺらくもないが…。
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