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向日葵(火原→日野)

「行ってきます!」



暑い日差しが照り付ける中、オレは学校に向かって走り出した。


今日は夏休みのオケ部の自主練の日。

自主練なんだから急ぐ必要もないけれど。





(香穂ちゃん、来てるかな?)





大好きな人に会いたくて、駆ける足は更に速度を増していく。





今日、オレは香穂ちゃんに思い切って告白しようと思っていた。


なんで今日かって?
理由なんて特にない。

あえて言うなら…天気が良かったから。



真っ青な空と真っ白な雲。



こんなキレイな空の下、香穂ちゃんに好きだと言えたらどれだけ幸せだろう。

もしも頷いてもらえたら…きっとオレは空だって飛べるかもしれない。




真っ青な空と真っ白な雲。

暑い日差しに爽やかな風。




すべてがオレの背中を押してくれる。

オレに勇気を与えてくれる。




(早く…キミに会いたい!)





「あ…香穂ちゃん! おはよう!」

「あ、火原先輩。おはようございます」

「あ、あのさ…今日…」








大丈夫だよ、と言うように。

キミの笑顔に似た、大輪の向日葵が咲いていた。







♪end♪

季節外れですいません
CD聞いてて思い付いた話です
この曲は火原先輩にピッタリだと思うです。



09.09.13

愛しい背中

「真奈美さんの背中は小さいね」


抱きしめた腕に力を込めれば、あなたは照れ臭そうに身をよじる。

すっぽりとおれの腕の中に収まってしまう、小さい背中。



いつだって俺の真っ正面から向き合ってくれたから。

こうして抱きしめることが許される立場になるまで気づかなかった。





俺を守り、導いてくれた背中がこんなにも小さかったということを。








「アラタくんの背中は大きいね」


抱きしめ返すように背中に腕を回す。

指と指しか触れない…それだけ大きい背中。



守らなければ。彼は私の生徒なのだから。そう思っていたけれど。

生徒と教師。そんな立場を離れてしまえば。





守る必要はもうないよと、大きな背中が教えてくれた。








「真奈美さん、愛してるよ」

「アラタくん、愛してるわ」



語る、背中と背中

抱きしめたい、抱かれたい

小さくて、大きくて







愛しい、背中










♪end♪

アラタの背中は広そうだよね、というそれだけの話


広い背中って好きです




09.06.02

君が笑ってくれるなら(執事たちの恋愛事情、中岡→主人公)

ネタバレしてますので、平気な方、下よりどうぞ。
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A4のある日の昼下がり  〜サクランボ〜




「見て見て、コ・レ! オレってマジマジドマジに器用じゃね?」




そこはいつものアホサイユ。そこにはいつものA4の面々。


昼食後のデザートに千聖が持ってきたサクランボを食べている時、アラタがなにやら自慢げに見せびらかした。



「うおっ! なんだそれ!?」


「うわ〜っ、ピーちゃん器用さんだね〜」


「ふむ…」



アラタが見せたのは、お約束の『サクランボの茎を舌で結ぶ』というもの。



「口の中で結べばいいのか?」


「そおそお〜。これがうまくできれば〜、てんてんも女の子にモテモテなりよ〜」


「そ、そうなのかっ!? これを見せればヨメが見つかるってぇのか!?」


「いや、天ちゃん。それは見せない方がいいんじゃないかな…」


「また面倒なことを…」



なんて騒ぎながら、みんなでサクランボの茎結びをやり始めた。

 


 



数十秒後――

 

 



「だあああぁっ! やめでいやめでいっ! こんなうざってえことやってられねぇぜ!」



早々に天十郎、脱落。

 


「…む〜ん、やっぱりぼくにはできないのです〜」

 


ちょっとふて腐れながら八雲、脱落。

 




二人はサクランボ結びに飽きて別のことをやりだした。

そして残るはあと一人。





「もごもごもご…」


「どうよ、ちいちゃん。さっきからもごもごさせてるけど、もしかして諦め系〜?」


「もごもご…これでいいのか?」


「お、できた〜? …って、うっ!」



舌の上にはちょうちょ結びになったサクランボの茎。



「あとこんな風にもできたが」


「これは…」



ちょうちょ結びを作る前に作ったのか、ハンカチの上に取り出してあったのは三つ編みになったサクランボの茎。



「ちいちゃん…ちょっとマジ凄くね? マジKYS(器用でやらしい舌)じゃね?」


「よくわからんが、これができると何か自慢になるのか?」


「ん…自慢にはなるけど、自慢しない方がいいよ。てか、誰にも見せない方がいいって、これホントマジでね」


「そうなのか?」

 



(そんなの見せたら、ちいちゃんまたムッツリとか言われるから…)

 

 


♪end♪

はい、本当にただこれだけの話です。オチもなにもありません。
ただ、キャラマニ聞いててつい思いついてしまったんです

A4みんなでやったらアラタもできそうかな、と。
やっくんもできるかもしれないけど、天は絶対できませんw

P2は…書かなくても想像できそうですねw

 


09.04.19

きすちょこ(加地×日野)

「ねえ、加地くんは甘いもの嫌い…ってこと、ないよね?」



バレンタインも近い今、この質問はさすがにあざといかな、とも思ったけれど。

それでも『送ったけれど実は彼はチョコが苦手でした』なんて事にはなりたくなくて、率直に聞いてみた。




「甘いもの? うん、好きだよ」


悩むことなく即答する加地くんの姿に、私はホッと息を吐いた。


「好きじゃなかったらチョコ味の歯みがき粉なんて使わないよ」

「あ、それもそうか」


以前火原先輩と対立する原因となったチョコ味の歯みがき粉。

あの時はなんて理由でこの二人は対立してるんだろうと頭を抱えたけれど…。


「ね、その歯みがき粉ってほんとにチョコの味がするの?」

「うん、結構おいしいよ。ふふっ、香穂さん試してみたい?」




味付きの歯みがき粉かぁ。子供の頃はイチゴ味やメロン味なんての使ってたけど…ちょっと興味あるなぁ。




「うん、試してみたいかも」

「そう? じゃあ…」

「なに? …っ!?」








ふいに肩を抱かれて、塞がれた唇。頭が真っ白になったその隙に、ヌルリと入り込んできた舌が口内を蹂躙していく。






「…っふ…な、な…」


唇が離れ自由になったけど、真っ白になった頭は色を取り戻す事ができず言葉が空回りする。


「さっき歯を磨いたばかりだったから、まだチョコ味が残ってるかなって思ったんだけど…チョコの味、しなかった?」

「〜〜〜っ!」


明らかに確信犯の笑みを浮かべた加地くんに返す言葉が出てこない。









「…チョコ味、わからなかった…」

「そう? ふふっ、じゃあもう一度試してみる?」









きすちょこ




ほんとにチョコの味がするキスはバレンタインの時に、ね






.
久々加地くん。

歯医者で先生に「歯の磨き方が悪い」と言われて思いついた話…私は怒られながら何考えてるんでしょうね(笑)


ちなみに、以前バレンタインにこのチョコ味の歯みがき粉を贈ったらお返しにゲンコツを戴きました




09.2.11
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