入稿直前のど修羅場いおさんへの応援小話です。
報われる団左が見たいとのことだったので珍しく報われてます。
報われる団左というよりは報われた団蔵かもしれませんが。
↓以下、小話。
いつも通り転生女体化です。
いつも以上に雰囲気小話です。
団蔵は格好良い。
気付けば人の真ん中にいる、そんな人間で。
今生は『昔』の記憶があるからか意外にに大人な意見を持ってて、でも時々年相応の顔で笑ってたりしてて。
顔だってイケメンって訳じゃないけど良い線行ってるし。
だから、
「自信持ちなさいよ、って話」
「さっち…?」
「あんたを嫌える人間なんかいる訳ないでしょ?」
一緒にいてくれとありがとう、とか。
そんなのいらないって言ってるのに聞きやしない。
嬉しくない訳じゃないけど何回も聞きたい言葉じゃないのに。
「それ、さ」
「……」
「俺、深読みしていい?」
聞き返すのは、
それだけ信じて貰えてないって言われてるみたいで。
「………私は」
「うん」
「あんたに付き合って『やってる』なんて思ったことないから」
「…うん。うん、さっち、分かってる」
素直に、とかは無理だけど。
団蔵に甘やかされたいんじゃないから。
分かってるならいいわよ、ってこの話を終わらせる。
“待て”の状態から“良し”を貰った団蔵は私に腕を回してギュウギュウと力を込めてきた。
『昔』の知識でいえばこれは拘束の方法で、痛いというよりは息苦しい。
「さっち、俺、みんなからとかじゃなくて、さっちに、佐紀に好きになってもらえて、それが嬉しい」
「…うん」
「ありがとう、俺、本当に嬉しかった」
今のありがとうは普通に嬉しかった。
「団蔵、腕」
「あ、ごめん。つい…」
「ん。緩めるだけでいいから」
「え、」
「このままじゃ私が手回せないじゃない」