探り探りなばさら小話2つ目。
政幸。一瞬小十佐。
幸村と佐助さんはにょたです。
少し前に書いた小十佐結婚前提親就小話(なんだそれ)と同じ世界観です。
口調が難しいお二人さんなので時間かかったりかからなかったり。
親就の方でチャペルとか書いてたのは忘れて下さい。
政宗も幸村も初書きにつき偽物注意です。
シンボルカラー変わってるのは調べずに書いたからです。
ごめんなさい。
以下、小話です。
幸せにはきっと色がある。
「あのorangeのdress」
「今佐助が着ているどれすでござるか?」
「yes、アレ小十郎が決めたって聞いたか?」
「なんと!!」
某は聞いておりませぬ!!と。
咄嗟に政宗が伸ばした手のひらの下でモゴモゴと幸村が叫んだ。
この目出度い空気を引き裂く訳にいかないと気を回した政宗に幸村は視線で誤る。
政宗は一つ頷いて手を外した。
「そういえば佐助は青にしたいと申しておりましたゆえ、気にはなっておりました」
「猿も案外romanticistだからな」
「…『も』、ということは」
「猿と似たような理由だ」
orangeはあいつのcolorなんだと、と。
少しだけ拗ねたような声音を出した政宗に幸村は笑顔を返した。
「気になさるな政宗殿。佐助は喜んでおりました」
「Ha、地毛があのcolorだからな。dressの方がまだ見られるってもんだ」
政宗の視線は新婦から動かない。
『伊達コーポレーション』と冠がつく肩書きを持つ小十郎の立場上、盛大に行われている披露宴で新郎新婦の意向は殆ど入っていなかった。
それに少しだけ申し訳ない気持ちを持っている政宗は、当初和装のみのプランをせめてドレスくらい着せてやれとお色直しの回数を無理矢理増やさせた。
写真だけと納得していた佐助は、それでも立場を考えて大袈裟に喜ぶことはなかった。
「orangeは小十郎の幸せのcolorなんだ」
「佐助にとっても青は幸せの色でござるよ」
政宗は隣に座る幸村の方に顔を向けた。
そして赤い振り袖を着ている幸村を眺める。
「政宗殿、如何され…」
「お前、blue似合わないよな」
「……は?」
「色打ち掛けはredで作ってやる」
猿とは違ってdressは諦めろよ、と言うだけ言って政宗は立ち上がり、大人の顔を作って幸村の知らない顔へ挨拶に行ってしまった。
「は、は、は、破廉恥ぃぃぃぃ!!!」
今度は押さえる手がなかった幸村の叫びは披露宴会場に響き渡った。
豪華絢爛を具現化したような色打ち掛けを羽織る社長夫人が自分を絶賛する若社長にラリアットをかますのはこの日から一年後のことだった。
見事に染まった幸村の頬の色は、政宗にとっては幸せの色の一つだった。