お題:静かな年明け
話題:140文字小説に挑戦!
***
雨がしとしと降っていた。年が明け、最初に感じたのはそれで、続いて肌寒さを感じた。眠りにつく前までは確かにいた隣の温もりが、いなくなったせいだ。時計を見ると午前5時で、起床時間にはまだまだ早い。ごろりと寝返りをうつと、冷たくなった布団から彼女のシャンプーの香りが、ほんのりと立った。
*
雨がしとしと降っていた。年が明け、最初に感じたのはそれで、続いて肌寒さを感じた。この季節、朝方はとても寒い。傍らにはすやすやとよく眠っている彼。そのあどけない寝顔を見ると、心にぽっと灯がともる。額にかかる前髪を指で払い、掛け布団を肩まで掛け直してやると私はそっと布団を抜け出した。
18/01/03 08:59
140字形式