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僕らは卵でできている
主に散文とかピアプロ用の歌詞とか置き場です。小説もたまに書くよ。只今サイトから移転作業中。
2024-5-9 17:26
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2012-8-22 17:49
【散文】旅をするひと
膝に広げた文庫本をめくってる
角の丸いページをそれとなく流しては
指に触れる空気を楽しんだ
まぶたの裏で、閃光のような赤がチラついている
今日はとても暑い
ガラス向こうから届くお日さまは
ずいぶん張り切ってるらしく
対して広がる雨雲は
あんなにたくさんの雨粒を抱えてるはずなのに
ごきげんに軽快に、空を滑っているよ
西と東の真ん中で
かんべんしてよ、なんて旅人は
びろうどのシートに背中を預けてるんだ
2012-8-17 01:47
【ピアプロ】廉子(レンズ)
せんせトーサンカァサンみたく
色付く眼鏡で見るのがイヤで
爪先立ちで買うてみたコンタクト
これであたしも大人かな? キラッ
視界良好高度なピクセル
あっちもこっちもクッキリ見えます
瑣末なオトナの言い訳さえも
バカバカしいほどに
意気込んだ世界の全てが
鮮やかに乱視あたしをだまして
ヘンにつかえたゴロゴロ慣れたら
泣かなく、なるんかな。
「明日明後日あたりが終末」
「世界人口全てが終わるよ」
慣れたレンズが教えてくれよる
ダイナミックなラストダイヤ クラッ
上下左右も分からず世界が
二進も三進もさっぱり??(はてはて)
色をすげ替え理屈に納得
アホくさいほどにも
――触れた温度をグラフ化しては
――包まれる豊さを換算×改竄
――憧憬ばかりをリトグラフして
――しょうもないほど
息を飲んだ世界の美しさ
鮮やかな音素の全てが
レンズ越しには見えないなんて
今更よな
意気込んだ世界の全てが
鮮やかに乱視あたしをだまして
胸につかえたゴロゴロ慣れたら
泣いても、いいんかな。
2012-8-14 22:52
【僕たまシリーズ】僕らは空で泳いでる
いつもと同じ道の途中
ふと気づいた空の色
何気なく見上げたはずだったのに
いつのまにか
目が離せなくなったんだ
とどきそうで、とどかなかったその色
何故だろう
笑い出したくなるくらい切なくなったんだ
その空は高くて、遠くて
でもとても低く、身近に思えた
流れている雲が作る影が
不思議と可笑しかったよ
夢に見るほど欲しがったお月さま
たとえ手にはいることはないと教えられても
どうしても欲しかった
隣に立っていたあの子も同じ様子で
その子はお日さまを欲しがった
右隣の子も
後ろの子も
いつもついて歩いた目の前の子も
みんなみんな欲しがったんだ
みんなそんなものが欲しかったんだ
僕らは一生懸命に泥をすくって
水底にあるはずのものを探してる
空を映した水は青くて
まるで空の中にいるみたいだ
ある人が僕達に尋ねた
「何を探しているのですか?」
誰も笑って答えやしない
「何を欲しがっているのですか?」
みんな口をそろえて
「あれが欲しいのです」
そう言って指差した
僕もそうだった
その人は去り際に言う
「君達は空を泳いでいるのですね」
意味がわからない
みんなキョトンとして、また水底をさらった
もちろん僕もだ
いくら考えても理解できなかった
今もわからない
けれど羽ばたく鳥を見て思ったのは
僕らは飛んでるつもりだった
それだけ
結局あの一言は僕の頭を痛くしただけで
本当の意味なんてあったのかなとさえ思う
でも何となく、忘れられなかった
僕らは鳥のふりした魚で
今も泳いでいるのかもしれない
2012-8-13 23:55
【ピアプロ】日下(くさか)
ケチり値切ったエアコンで
夕闇涼んだ初夏のこと
汗をかいてるグラスの側で
溶けたお水をすすってみては
やはりケチったブラウン管
三色瞬く単色ノイズ
多角く四角い複眼然して
向こうの誰かを寄り目してんだ
夢みる前に夢を見た
網の向こうのトンボのように
揺らぎくすんだ慕情の陰で
目覚まし鳴る前止めている
傾く網戸に被せるように
ひさし代わりのすだれたち
漏れこぼした真夏の残光
無残に焼けた腕の腹
からんからりと透かし見た
褪せたプラ椀わだかまり
七色一筋指に当てては
ノスタルジィなど浸ってる
夢みる前に夢を見た
網の向こうのトンボのように
揺らぎくすんだ慕情の奥に
気づく前に覚めるように
2012-8-7 23:47
【ピアプロ】浮遊少年依存症
道が2つあったなら
僕はどちらか選ばなくちゃで
横で流れた兄さん達
「早く選べよ」急かしてる
右の道のうさぎ君
「君はこっちに来るべきだ」
左の道の魚さん
「お前はこっちが向いてるよ」
耳鳴り 残響 切れない声
ぷかぷか ぷわり 僕は浮かんで
渦潮 半月 真白の泡
ぷかぷか ぽわあん 僕は吐いてる
道が2つあったなら
僕はどちらか選ばなくちゃで
追い越していった兄さん達
「置いてゆくぞ」と投げかける
右手引っ張るうさぎ君
「君はこっちが相応しい」
左手掴んだ魚さん
「お前はこっちで十分だ」
耳鳴り 残響 切れない声
ぷかぷか ぷわり 僕は浮かんで
渦潮 半月 真白の泡
ぷかぷか ぽわあん 僕は吐いてる
「君はこっちに来るべきだ」
「お前はこっちが向いてるよ」
「君はこっちが相応しい」
「お前はこっちで十分だ」
ぷかぷか 浮かんだ 後ろには
深く冷たく 「振り向くな」
ぷかぷか ぽわあん 真白泡
「君はどっちに 生きたいの?」
道が2つあったなら
僕はどちらか選ばなくちゃで
横で流れた兄さん達
「早く選べよ」急かしてる
耳鳴り 残響 切れない声
ぷかぷか ぷわり 僕は浮かんで
渦潮 半月 真白の泡
ぷかぷか ぽわあん 僕は吐いてる
耳鳴り 残響 切れない声
ぷかぷか ぷわり 僕は浮かんで
渦潮 半月 真白の泡
ぷかぷか ぷかぷか ぷかぷか
ぽわあん
道が2つあったなら
僕はどちらか選ばなくちゃで
道は2つあるけれど
僕はどちらも選べない
「選ばなくちゃならないの?」
ぷわり ぽわあん浮遊する
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