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朝起きる
昨日大泣きしたせいで腫れた目がいたい

第一志望の大学に落ちた
後期は違う大学を受けるから
もうあの大学には行けない


なんとなく現実が受け入れられなくて
学校に行く
誰もいないのを確認して生物室にはいった
志望校が同じなのを口実によくここでアイツと二人で勉強してた

今は勉強する気にもなれず
ぼーっとする




しばらくしてもう一度携帯で合格発表のページをみる

その中に私の番号はない、けど…アイツの番号はある

せっかく同じ大学だったのに
志望校聞いたときは心臓が止まるかと思った
もしかしたら春からも一緒にいられるかもって
もし合格したら告白しようと
必死に頑張ってきたのに


県外の大学だからもう会うこともない
もし付き合えても遠距離
きっと続かない
初めて本気で人を好きになったのに


「…諦めろってことか」

涙で視界が滲む


この思いも涙と一緒にながれてくれればいいのにな










いと悲しうて、
人知れずしほたれけり。
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お噺「一本の薔薇」




「…嬉しいんだけど、さ
なんで?
記念日でもないのに」


彼に一本の薔薇の花をもらった

ちょっとだけ申し訳なさそうな顔と一緒に

「いや、その………ごめんっ」

「え、なにどういうこと?」


いきなり頭下げられても困るんですけど

「…謝るようなこと、したの?(笑)」

笑いながら言うけど
内心泣きそう
浮気?それとも別れたいとか?
いやでも
薔薇の花買ってきてくれてるんだから
別れたいはない…よね?



「…合コンいってきました」

「え?合コン?」

「い、いやでも
そっから何かあったってわけじゃないし
…だから…嫌いにならないで」


「……」

「怒ってる?
…ごめんっ
お願いだから別れると、わっ」


「…ギュッってして」


「…え?あ、うん」

彼の手が背中に回る
彼の胸に頭を預けると
聞こえてくる心臓の音が心地良い
あ、泣きそう
てか泣いてる

「…うぅっ」

「泣いてるのっ!?
ごめん、お願いだから嫌いにならないで」


「ちが、
嫌いとかじゃなくて
ほっとして、なんか涙が」


「ほっとして?」

「浮気とか
別れよとか
言われるんじゃないかと思って」


「んなわけないじゃん
合コン行っといて言えることじゃないけど
俺にはお前しかいないから」

背中にまわされた手に力がはいる
ちょっと痛いくらいに強く抱きしめられる


「ん、私も」





→→→
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お噺

話題:I LOVE YOU を訳しなさい



「月が綺麗ですね」

二人でソファーに座って満月を眺めてた
お互い言葉を発さず
ただ眺めてた
"友達"では物足りないでも
"恋人"は当てはまらない
もどかしいけれど
どこか心地よいこの関係

「…は?」

「ねぇ、I love youって
本当に"月が綺麗ですね"で伝わると思う?」

「さぁな
別に伝わんなくてもいいんじゃないか?」

「なんで?
伝えなきゃ分かんないよ
人の気持ちなんて」

突然零れ落ちた本音
この距離が俺にとっては心地よくても
彼女にとったら
不安が大きかったのだろうか
そう考えると急に
焦りがこみ上げてきた
早くこの愛しい人を自分のものにしたい
あぁ、そうか
愛おしいってこういう事か

「じゃあさ
自分なりに訳してみて
"I love you"を」

そういってこちらを向いた
彼女の手を引き腕の中に閉じ込め
耳元で囁く
「…お前を俺のものにしたい」

「え?」

「取りあえず今は、これかな」

「…今は、ってなによ」

紅い顔に潤んだ上目づかいで俺を見上げる彼女が愛しくてたまらない

「ん〜、時間を重ねれば
I love youの意味は変わりそうだから」

「じゃあ変わったらまた
教えてくれる?」

「あぁ、」




変わるたびに囁こう
君が呆れるほどに
…さぁ、いくつのI love youを俺は伝えるのだろう






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お噺3


高校で

「いいなぁ〜
みんな青春しやがってコノヤロウ」

「じゃあ、俺らもする?」

「へ?」

「付き合う?俺らも」




大学生になって


「久しぶりだな」

「お互いなんだかんだで忙しかったらね
あぁ〜寂しかったぁ
もう、帰りたくない(笑)」

「じゃあ、帰らなければ?」

「へ?」

「一緒に住む?」




社会にでて


「うわ、きれ〜
やっぱり、ハワイで結婚式って憧れるよね」

「じゃあ、挙げる?結婚式、ハワイで」

「へ?」

「結婚する?」




大事な事をあっさり言ってしまう
そんなあなたが大好きです

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お噺2




部活終わり
友達を待ってる
飛び込み台の上に座ってプールに反射する夕日を見ながら
理由は無いけどちょっと感傷的な気分にひたってみる


「先輩。襟、折れてますよ」

急に呼ばれてびっくりしてたら
彼の手が私の襟を正してた

「じゃあ、さようなら」

そう言って
彼は颯爽と帰っていった





……何でだろうドキドキした
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