私と貴方は幼なじみだったね
貴方は泣き虫で、いっつも私の影に隠れてた
いつからかなぁ
貴方が私を追い越して
「彼女ができた」
嬉しそうに報告する貴方
私は胸にもやもやを抱えた
そのもやもやが恋心だとわかったのが遅かったんだね
貴方はもう私がいないと何もできない小さな男の子じゃないし
私が気付けなかった
この恋心は貴方が気付かせたものなのに
貴方は私から遠く離れてしまった
この恋心の行き先はどこなの
もう手遅れだけど、
貴方が好きでした。
私は、ずっとあの子が好きだった。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
都会は物価が高いから、と、マンションをあの子とシェアすることになって、私はちょっと、ううん、かなり嬉しかった。
でも、
「今日も彼氏と会うから先に寝てていいからね!」
あの子には、彼氏がいる。
もともと女同士ってのは間違いだって知っているし、あの子は私の本当の気持ちを知らない。
知ったら絶対に気持ち悪がられるだろう。
でも、好きなんだ……。
「お、このネックレス可愛いね」
「でしょ!彼がプレゼントしてくれたの!」
満面の笑みのあの子に、精一杯の偽りの笑顔を向けた。
次の日、あの子は泣いていた。
彼氏と喧嘩して、別れることになったらしい。
私の腕の中で泣き震えるあの子が、とても愛おしかった。
ねぇ、
私なら貴女を傷つけたりなんかしないよ
病める時も、健やかなる時も
嵐の日も晴れの日も
ずっと一緒に見て聞いて感じて笑って泣いて怒って
貴女がいたから私に色ができた
泣き疲れて眠るあの子の唇にそっと、最初で最後の口づけを落とした。
友達でもいい、貴女の一番にしてください。
それが私の願い。