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Ti Amo :am

―――。






TI Amo



久々のオフ
特に予定も入れていない私はベッドに寝転がりチュッパを舐め、ぼーっと天井を眺めている

あ、染み発見
写メってブログでもupしようと携帯に手を伸ばすと着信特有の長いバイブが手に伝わった






表示されている名前を確認し心臓が跳ねる
手が震える



「は、ぃ‥」





「あ、まあやー?超暇なんだけどーお前ン家行っていい?」


間の抜けたしゃがれた声が耳元を揺する
(喉仏潰してやろうか)


「嫌です」


「はぁー?なに家いないわけ?」


「いますけど嫌です」


「ちょっとだけだからさ……」





―無かった事にしようと
忘れようともがく私に貴方は死刑宣告をなさるのですか?

せめて はっきりと 伝えてくれたなら

同情で差し伸べられた手に私はすがり付いてしまう



この ぬるま湯に何か変化を起こせるのなら
破滅でもなんでも受け入れましょう











呼鈴が鳴った
震える手でロックを外しドアを開けた 瞬間
身体に柔らかく強い衝撃
世界一愛しい人と0距離


「なに、すんですか」

身体を引き、俯き言う

「…1日会えないって思ったら死にそうになった」


電話でのふざけた感じは何処にいったんだと馬鹿にすればいいんでしょうか?
それともこの茶番劇に付き合えば?
心臓が強く跳ねていて言葉がうまく紡げない


「キザごっこですか?」
「すいませんけど私、今そーゆう気分じゃないんで」
「違うよ」


だから帰って下さいと、やっとの思いで放った言葉は簡単に遮られてしまった


「そうじゃなくてさ…」



あ、



「笑って下さい、アイジさん」


「え?」


「もういいですから…貴方が笑っていてくれるなら…これ以上求めませんから…」



お願いします、
優しい嘘を見抜きたくない――












「ッぁ‥いじ…さんっ」

「ぁ、ッあいして‥っます…!」

「……俺も、だよ」



わかってる、
これは遊び 恋愛ゲーム
愛の言葉に意味なんて無い

最中はいつだって幸せで、この人を独り占めにしているようで、
この時が永遠になればいいと馬鹿げた事を願う
愛の言葉を交わし合い
まるで恋人同士のような一時‥
私から関係を壊すなんてできない





先輩が帰った後は 部屋に静寂が広がって
先程まで深く求めあったベッドが事の終りを

淡々 と 告げるんだ











end

Yellow Beauty :ma



飽きっぽくて わがままばかりの僕と

意地っ張りで 泣き虫な君













「アイジさん」







「アイジさん」






「     」




無邪気な笑顔で君は..







Yellow Beauty

















「アイジさん‥今日、うち来ませんか?」




どこか申し訳なそうに言うまや



初々しい態度に微笑し


「行く」


一言応えた







「じゃぁ、行きましょう」



照れ笑いを隠すように俯きつつ
俺の手を握り歩きはじめた

もっと、堂々とニヤけたりするのかと思ったけど‥
手に伝わる緊張がくすぐったい。




















まやの部屋は比較的キレイで落ち着いた雰囲気の中に若さを感じる

いたるところにチュッパチャップスが落ちているが

居心地がいい

そうぼんやりと思った


「アイジさーん茶でいいですかぁ?」


うん..と適当な返事をした

部屋に居心地の良さを感じるのは

まや自身が好きだからだろうか?

たまに悪戯がすぎるけど

仕事熱心だし

場の雰囲気を和ますのがうまい
(稀に空気クラッシャーだけど)


なにより、俺が一番辛かったとき

ずっと一緒にいてくれたのはまやだった

一緒に頑張ろうと言ってくれた

俺にとってまやは特別な存在になった


この想いがなんなのか自覚してから間も無くまやに告白された

愛している..と

嬉しかった、でも、

‥戸惑った

この想いを受け入れていいのかわからなかったから

まやに俺は釣合わないんじゃないのか

俺でいいのか

疑問符が頭の中を駆け巡る

転機から一週間、出口の見えない押し問答を続けている









「おまたせでーす」


「ありがと」


「なにぼーっとしてたんすか」






まやは待つと言ってくれた

気持ちの整理がつくまで

どれだけかかってもいいから、と

この子は何故こんなに俺を慕ってくれるのだろう

自覚があるのに行動に移せず

うじうじしている俺なんかを。





「…まぁや」


「なんすか」





「なんで俺のこと好きなの」





「……」


「‥ときめいたんですよー初めて会ったときにビビッて」

「それで‥絶対、私が幸せにしたいって思ったんです」

(だって、アイジさん悲しい顔してたから)




優しい笑顔で話すまや

まやの笑顔を見るたび罪悪感が込み上げる



「‥まぁや」



「はい」






言ってしまおうか

愛していると

この想いを告げたら

お前は俺の大好きな幸せそうな顔で笑ってくれるのだろうか

二人で幸せになれるのだろうか





それでも
時が経ってこの想いも色あせてしまうのならば………













「お前とは付き合えない」



「…‥」


「お前は、」


「なんでですか」


「私じゃ頼りないですか」


「そうじゃな、」


「幸せにします」


「あなたに悲しい想いなんてさせません」


「・・・」


「・・・」


「・・・」


「・・・」


「…‥キリトさんがいいんですか」


「え‥?」


「あんなヒドイ奴、まだ好きなんですか?」


「アイジさんのことボロボロにしてあっさり捨てて‥」


「なんで忘れてくれないんですか」


「アイジさんを幸せにするのは私です…ッ!」















ボロボロと悔しそうに涙を零すまや

笑顔が見たいのに、何故泣かしてしまうのだろう











「俺と一緒にいたら、まやが幸せになれないよ」


なんて、ほんとは自分の事しか考えていないのに
醜悪な言葉を吐く





「‥一緒になるんですっ」


「まやには笑っていてほしい」


「悲しんでほしくない」


「……まやは俺の隣にいちゃいけないんだよ」











「離れよう」











「アイジさん…ッ!!」















-----------













あれから3週間がたった

一度も会っていない


逢いたい

逢いたい

まやの笑顔が見たい



謝って、想いを告げたら許してくれるかもしれない…

‥素直になれない





勇気が無くて傷つけた

言葉がたりずに傷つけた

俺が気付いてないだけで、きっと、数えきれない程に、


俺はまやにたくさんのものを貰ったのに

今更、まやに逢う資格なんて俺には無い






それでも逢いたい



やっぱり逢いたい






「まぁや‥っ」



「…すきだよ‥っ」


「あいたいよっ‥まやぁ!!」






















どれだけ涙が流れても どれだけ胸を焦がしても もう‥‥…










END
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