「ただいま〜」
と珍しく夕方に帰ってきたリーダーは、酔っぱらったような足取りで、デュエルをしてる遊星とジャックの横を通り過ぎ、ぼろソファーにぼすんと沈んだ。
「帰ったか」
「早いな」
ジャックと遊星は夢中だ。食後というのもある。
「飯、チャーハンだから適当に食えよ?」
そういって振り向いたクロウの目に飛び込んだのは、ぐったりと真っ赤な顔で苦しそうに息を荒げるリーダーの姿だった。
「バカは風邪ひか「そうくると・・・思ったぜ・・・・」
渡した水を飲み干して鬼柳は目を閉じた。
不覚にも早くなる鼓動になんだか悔しくなる。
黙っていれば・・・本当に動かなければ悪くないのだ、鬼柳京介という男は。
わかっていても無性に腹立たしい。
「おい・・ここで寝るなよ」
敢えて思いっきり掴んで揺するが鬼柳はなすがままで、むしゃくしゃして鼻をつまんだりバンダナを引っぱったりしてみるが返ってくるのは生温い声だけ。
「ん〜にゃめろぉくろ〜」
「だぁあああああ」
「何だこのムードは!?」
いきなりの大音量に振り向くと、デュエルが終わったのかジャックと遊星がクロウの背後に立っていた。
「ムード?」
と、クロウが改めて目の前を見るとぐったりとした鬼柳の顔が間近にあってまた顔の温度が上がる。
両手はほっぺたを引っぱったままだが。
我に返ったクロウは鬼柳をソファーに投げつける。
「ジャック・・・頼む」
「へ?」