をみてた。



猫になった夢を。




小さな小さな白と黒の猫。




子猫になったわたしは、


あなたの部屋のベランダで、

『ニャー 』と小さな声で鳴いた。




しばらく待っても誰も来ない。。。



だから今度はもっと大きな声で

『ニャー』 と鳴き、ベランダの窓を

カリカリと爪で掻いた。




人の気配がする…。


すまして座り、小首を傾げるようにして、


あなたが窓を開けるのを待った。




すると、静かに窓が開き、あなたが顔を出す。




そして子猫のわたしと目が合うと、

驚いたような顔をした。



なので…
『ニャー』ともうひと声、

なるだけかわいく鳴いて、

あなたをじっと見つめた。




あなたは困ったような顔をして

わたしを見ると、そっと窓を閉めた。





え?



ひとりぼっちになったわたしは、

急に心細くなり。。。




『ニャー ニャー ニャー』

とありったけの声で
あなたを呼んだ。




わたしはここにいるよ!


お願い窓を開けて
顔をみせてって!




でも、鳴き疲れ うずくまり、諦めかけた。




するとそのとき。。。



ゆっくりと窓が開き

パンを入れたお皿を手に

あなたが現れた。



そしてそっと わたしの前に置いた。




何故だかパン(笑)



『ニャー』


わたしは 弱々しくひと声鳴くと、


お皿のパンを口に入れた。



あなたはじっと わたしを見つめ、

それからやさしく頭を撫でた。



わたしは今、あなたの膝の上。



うとうとと眠り、

あなたの手はやさしく

わたしの背中を撫でる。



大きくひとつ伸びをすると、

あなたと目が合った。


その目は微笑みを浮かべ、

じっとわたしを見つめていた。




穏やかで、やさしい午後のひととき。


小さな、小さな、
白と黒の猫になった夢のお話。





おしまい。











寝よう。。。