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『エレクトリカル』


エレクトリカルなパレェドが始まった
世界は笑顔に満ちている
溢れ出した笑顔は宇宙の暗闇に消えた
漆黒の宇宙空間はそこにある
ただそこにあって少しずつ(しかし無尽蔵に)膨張している
膨張した宇宙という名のぺニスを握った少女は成長し
いつしか妖艶な女性となり
幾人もの男を虜にした後に自ら死んだ
O.D。薬物の大量摂取によるそれは
彼女を苦しませることもなく静かな闇をプレゼントした
エレクトリカルなパレェドが
世界に笑顔をプレゼントするように

『星にしかならなかった』

カンバスに絵の具をぶちまけた
次 から 次へ
 次 から 次へ
白、青、黄、赤、緑、紫、茶、 、 、
色が足りなくなったら
混ぜ合わせ
白、青、黄、赤、緑、紫、茶、 、 、
 次 から 次へ
次 から 次へ……


カンバスはいつしか黒一色に塗りたくられて
何も描けなくなったから白い絵の具で星を描く
ぽつぽつ点を打つように
ぽつぽつ天を撃つように

『黒』

すべての色を混ぜて造る黒が好き
ぜんぶを内包している黒が好き
塗られたカンバスは黒だけど黒じゃあなくて
混沌とした黒になる

明るい黒
暗い黒
眩しい黒…

いろんな黒がそこにある
いろんな色がそこにある

『生きていた』

ごうごうと行き交う鉄の塊が跳ね上げたつい先ほどまで確かに息をしていたそれは今は物言わぬタンパク質の塊に成り下がりその腹部からははらわたを投げ出して烏に食われるのを今か今かと待っているように感じやるせない気持ちになると共に行き交う鉄の塊の流れに逆らう勇気も意気地もない僕は心の中で手を合わせてはらわたから湯気を出すそれを後にした


雪でも降るのではないかと思える程冷えた夜にふと先ほどのタンパク質の塊を思い出した時自分が酷く醜く感じそれを払拭するかのように隣に眠る女を抱きながらどろりとしたタンパク質を放出してはみたもののそれがあのタンパク質の塊のように思え泣き始めた僕を女は冷たい目で見やりながらいそいそと服を着て報酬を得るために財布に手を伸ばした


気持ちが落ち着き始めて初めて部屋に独りになったことに気が付いた時にはもはやタンパク質の塊は僕の頭から離れ遠い虚空へと追いやられながらもまだ僕の中で確かに息をしているのだ


茶色い毛を赤く染めながら舌を出しはらわたから湯気を立てながらアレは確かに息をしているのだ

『あぁ、人間つてやつあ』

私は朝、目覚めの時といふものを
いとつまらぬと感じてしまつてゐる

なぜならそれは同じ一日同じ一日を繰り返さんがための始まりを告げるのと同義であるからのやうに思ふからで

さりとて、ふとしたことでそれらは変わる
それは友垣からの便りであつたり
それは予期せぬ出来事であつたりと
何か起こるたんびに私の心を弾ませてくれるのだ

されど、それらが起こらぬ一日は
なんと退屈で刺激のないものだらう

目を覚まし、煙草を吸い、時折、砂嵐に変わるブラウン管を覗く。
ニウスを読み上げる整形美人にときめきを覚えぬボクには味気ない


そんなボクとて、これではいかんと思ひ、足を動かしたこともある
雑踏に足を踏み入れ
人々の喧騒にまみれ
排気ガスを頭から被り
するとどうでせう
気持ちばかりか躰まで病んでしまつた。

故に今は
時折くる友からの便りを
予期せぬ出来事を
心待ちにするだけの
なんとも退屈な一日を過ごしてゐるのです。


また恋の詩といふものが書けなくなつて久しい私の胸中に想ひ人が居るのであればまだ張りといふか欲ができるであらうがそれすらも居なゐ今の私はやはり張り合ひの無い色の無い実りの無い一日を過ごさざるを得なゐのかと陰鬱な気持ちを抱えたまま布団に横たわり煙草を吸ふのです

今はただ、かつて慕情を抱ひたあの人を、思ひ出の中で色付けながら
私はまた煙草に火を点けるのです


そんな私の目の前の道端を子どもたちが駆けてゐく
駆けた先で転んで泣ひてゐます
わんわん泣ひてまた駆けてゐく
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