きっと一生忘れない。
後悔してる事

2013年12月21日。
どうして、抱きつかれた時に殴らなかったのか。
キスされた時に、殴らなかったのか。
のし掛かられても、服に手を突っ込まれて胸を触られても、あの男の股関を触らせられても、どうして殴らなかったのか。

営業の統括部署の上司だったから?
権力が怖かったから?
事を荒立てたらお世話になってた営業さんたちに迷惑がかかるから?

どうして叫び声を上げて抵抗しなかったのか。
とにかく喋り続けてないと、こわくて、またキスされるんじゃないかとか、さらにエスカレートするんじゃないだろうかとか、必死に考えてた。

事を荒立てたらいけないとばかり考えて、押し返しながらとにかく会話を続けて、変な空気にならないようにしていた。


今、私もあの男も転職した。
責める相手がいなくなった。

責めるのは止めようと思ったのに、後悔ばかり膨れる。
あいつのせいだ、と思うと苦しい。
憎んでも恨んでも目の前にそいつは居ないから、責めた実感がない。

だから自分を責めるのかもしれない。

どうしてお前はあのときしっかり拒絶しなかったんだ。
どうしてお前は怒らなかったんだ。
どうしてお前は泣いてばかりなんだ。
どうしてお前は後悔しないと言って後悔しているんだ。
どうしてお前はあいつのご機嫌をとろうとしていたんだ。

自分を責めれば、辛い。
辛い分何かを責めている実感は得られる。

自負を責めても意味がないのはわかってる。
今はもう、自分が前を向くしかないこともわかってる。

立場上、上司を立てて一緒にお酒の席に付き合ったり、仕事の話を盛り上げたり、楽しそうに話を聞いてやったりした。
じゃあそれが、男性から見て好意的に感じたからと言って、手を出して良い理由になんかならない。

ましてやあの男には奥さんも娘もいて、私にも大切なパートナーになる人がいて、その話もしていたのに、強引な性的手段をとろうとした男が悪い、と常識的に思う。

百歩譲って私にも落ち度があったとしても、全て私が悪い訳ではない。
わかってる。

事実を知っている周りの人にも、そう言われる。
わかってる。
でも、何かを責めないと苦しい。
もう、自分しか直接責められる相手が居ない。

だから自分を責めるけど、それがまたがんじがらめになって苦しい。


テレビでレイプシーンを見るたび、性犯罪のニュースを聞くたび、バラエティーで下劣な事を言い女性にちょっかいを出すタレントを見るたび、吐き気がする。
嫌悪感が込み上げる。
どす黒い気持ちになる。


何を恨めば自分は納得するんだろう。

「あなたは悪くない」
「その時できる、精一杯のことをした」

そう言って貰ったその言葉を、素直に受け止めて前を向けるようになるには、どうしたら良いのか、まだわからない。