14/08/27 14:49 (:創作BL小説)
『*全開カレシ*』〜甘宿り〜


降り頻る雨と、初めてのラブホテル。二人に宿る、甘い蜜――…。
R指定、BLです。愛撫はもちろん、挿入あり。ちょっとした拘束、玩具注意。
ヤってるだけの通常運転でございます(⊃*⊂)――――…
降り頻る雨を一浴びして。

雨宿りする予定で、初めて入った…ラブホテル。

どうせならシていこうよ?甘い笑顔に、抗えなかった。


―――…
「んっ…、はぁ…。」
いつ会っても変わらない、竜希の甘い匂い。久し振りのキス。息が出来なくなるくらいに融かしては、悪戯に食まれる。
艶めいた猫毛が、視界を茶色く覆った。
「竜、ちょ…、休憩。」
「えぇー。」
維持悪く笑う青い目を端で捉え、ぐっと顔を埋めて、甘噛みで反撃する。

「やんちゃなコにはお仕置きしちゃいますよ?」
そっと九龍の腰に手を回し、優しく誘導しながら。
「お返しならこっちでしょ?」
「ったく。そんなでかいのくわえる身にもなれや…。」
「素直にやるくせにぃ。いつもはどこにくわえてるんだか。」

しっとりと濡れた黒髪に、汗ばんで上気してるうなじ。琥珀色に潤んだ瞳で見上げられたら、そそるなんてもんじゃ済まない。
熱く包まれる感覚にうっとりしながら、余裕を咬ましてしまう。
「そこっ、いいね…、くっ、俺より、上手いんじゃないの?」
イメトレしてた、なんて言えるかボケ。恥ずかしくて果てるだろうが。竜希が気持ちいい所とか、今まで何度確かめたことか。

強がる気力もなくなってきたその声に、触れてもいないモノがじんとなる。
「くっ…、龍、中に、出していい…?」
大きく首を縦に振る。今日は何時になく早い。
溢れた液体が、つぅっと喉をなでていった。

「んっく…、はぁ、ふ……ぅ。」
「とっても、良かったよ…、はぁ…。」
次は俺の番。
綺麗な柔肌に、じわりじわりと指を這わせる。少しずつ、触れるか触れないかのタッチ。時折、小さな胸の飾りを舌先で転がす。
張り詰めたそこは、待ち遠しげに震えてる。ごめんね、もう少しヤらせて。我慢してる顔も、堪らなく可愛いから。

ビクっと跳ねる腰を押さえつけて、じっとりとなぞる。決して、そのものには触れないように。

「んぁっ!りゅ、うぅ、や…ぁっ」
イきたいのにイけない。でもイきそう…そんな切なげに揺れる瞳を、捕らえて離さない。

すれすれまで触って、突起を甘く噛み潰した。

「っ!イ…っ、ッあ!!」


やっば…。触ってないのに…イっちゃった…?
ぼんやりした頭では、飛び散った白を指で掬う魔物を、恋人として認識するのが精一杯だった。

「もっと、きもちいコト。してみない?」


―――…
「コレ、何に使うの…?」
黒革のバンドのようなもの。如何わしくて、嫌な予感しかしない。
「これはねぇー…。じっとしててよ…?……ほら。ラブカフスだよ。」

両手・足首につけられた革の輪が、ひんやりと締め付けてくる。クロスしたタイは、後ろ手で緩くつなぐためのもの、膝立ち以上はできない代物だった。

「似合うよー!九龍えっちぃ。」

「…拘束してどーすんだ。」
「んー?たっぷり鳴かせる。」

何処からそのヤる気と知識を仕入れてくるんだか…。
絶句してる間に、またなんか持ってきやがったし。ローションと…バ、イブ…。
「射れるのか?」
「もちろん。お尻貸して。おまけ付きで返すからさぁ。」

竜希のよりは小さい。が。フィットしない凹凸がやけに多いような。
「スイッチ ON!」
ヴヴッッッ
「あ゙ぁぁッ!?」
「それ、結構強くて有名なやつだから。」
先に言え、先に!心の、準備がっ…。
「んっ!ひっ…ぁ、アッ!」
「はっや!そんなに効くか…まだ弱だけど、ねぇ?」
「や、やめぃ!押すな、ぁぁッ!」
くっそ…!ナカが、壊れる…っ、狂っちゃ…ぅッ!
逃げたくて腰を捩れば、余計に事態が悪化する。緩くつないでいたクロスタイはピンと張り詰めて、快楽から逃れることを許さない。
ひどく猛り立った悪魔が、またひとつ、ボタンを押すのが見えた。
「っヤダ、りゅ、ッひ…ん゙んんっ!」

前のめりに倒れた身体を抱き止められ、ようやくスイッチを切ってくれた。連続で感じ続けて空イキまでした身には、バイブを抜くことさえ刺激になる。
気持ちよすぎて、訳分かんなくなって。じわりとこぼれた涙を、そっと拭ってもらう。

「良かったでしょ?」
力なく頷く愛しい人。
「はずすからじっとしててね。」
体を支えながらカフスを外していけば、生まれたままの姿に戻る。
蕩けて半開きの唇が、甘い吐息で震えた。
「もう少し、シたい…竜希っ…。」


―――…
「んっ…、こっち、向いて?」
「竜、希…っぁ、んぅ…。」
覆い被さるようにして、九龍を貪る。あくまでもゆっくり、イイトコロを探しながら。
最初こそ、もっと、っておねだりしてたけど、強張った太股が気持ちいいことを教えてくれる。

たまには生で出して、なんて言われちゃったから、射れる前から暴発寸前だった。

「ふ、ぁ…ぅ、んッ…、りゅ……」
どちらからともなく、舌を絡ませては、ちゅっ、と啄む。
喘ぐ合間に、好き、と息継ぐ。お互いにもう限界なことは、肌でわかってる。

「っは、九龍、うッッ、」
「イ、ぁぅ!ッん、中にっ――!あぁっ!!」




――――…
止まない雨に、気だるさが窓を濾して溶けていく。
体の中の温かな名残に、腹痛が首をもたげる。

もう少し味わっていたい。
どうせ外に出ても、びしょ濡れになるだけだし。

ぬくもりを宿したまま、横臥する九龍だった。

〈end〉

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