気まぐれの愛

春だから 赤青
2011.4.1 00:00
仕事も少しずつ忙しくなくなってきた。
相棒の戸増宝児と付き合って一年が経った頃、告白した日と同じ青く澄んだ空の下気持ちよくパトロールが終わらせ、デカベースに戻って報告書や書類の整理。
これまた面倒。相棒はあっという間に書き上げ提出して書類へと目を移す。
俺はというとやっと報告書を書き上げ提出し、書類に目を向けてダウンだ。
「相棒、教えて?」
「……いやだ」
「んだよ、ケチ」
「ケチで結構だ」
俺がぶつぶつ言ってる間も相棒は書類を片付けデカルームを出ていこうとする。
俺はそれを引き留めようと立ち上がり腕を掴み引っ張った。
相棒は睨みながらも、ほんのりと頬を紅く染めていた。
呆れたのか、腕を振り払い俺の座っていた席に向かうと俺の前の書類の山をジッとみている。
横顔がきれいだなんて言ったらバカって言われるだろうなと小さく笑い席に座り再びペンを持って相棒の横顔をジッと見ていた。

「早く終わらせろ」
「わかってるよーだ」
本当は難しい書類じゃないけど…、忙しくないなら側に居てほしいって思ったんだ。

それを言わなくても相棒ならわかってくれるはず。
だって横に座って頬を紅くしながら俺から目を逸らしてる。

それでも素直に側にいてくれてるのは……きっと春だから

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