話題:今日見た夢



眩しい程に真っ白で其処が屋外なのか屋内なのかも分からない、広さ高さの感覚も無い所に佇んでいた。

鮮烈な白の他に見えるものと云えば、自分の髪や手の身体の一部や服の裾が見え隠れしているのが時折、視界に入るのみだ。

その空間にはパレードで流れるような賑やかな音楽だけが延々と流れていて、歌が時々聴こえた。
頭上や周辺を見回してみるが、スピーカーのようなものは見えない。
恐らく外から聴こえてきているのだろう。
人工物は見えないものの目を凝らしてよく見れば、頭上に縫い目のようなようなものがうっすらと見えるので、どうやら巨大なテントの中に居るようだ…というのが分かった。

とはいえ果てが見えない。
眩しい程の白さ故か、地上と天井の距離感も、何処までが壁なのかも分からない。

屋内ならばいずれは終わりがある筈だが歩けど歩けど壁に辿り着く事はなく、呆然と立ち尽くす。
吐き出される荒い呼吸音をかき消すようにして、相変わらず楽しそうな音楽が聴こえ続けるのみだった。




因みに時折聴こえてきた歌の中で覚えているフレーズが

『哲学とは試験管の中で創り出されている』

だった。
意味が分からない。

目の前が真っ白な夢は初めて見たが結構、不安になるものだな。
廃墟や廃墟寸前の陰鬱な雰囲気の場所を彷徨う夢を見る事は結構あるが、それとは違う怖さがある。