話題:今日見た夢



高台から下に広がる小さな町を見下ろしていた。
もしかしたら町というよりは集落に近いのかもしれない。
そう少し悩んでしまったが何故か其処に興味が湧き、近くにある町へ続いている細い階段から下へと降りていった。

舗装されてはいるが所々コンクリートの砕けた道や今時珍しい木製の電信柱、建ち並ぶ見た目はそこそこ綺麗だが劣化したトタン屋根の家を見るに、あまり新しい町ではないようだ。
住宅の半分程は空き家になっており、廃墟になって久しくないのか崩れ掛けたものもあったが一応、町自体には人が住んでるらしく、手入れのされた車が止まっていたり姿は見えないものの誰かが喋っている声が聞こえていた。

車一台が通れる程の道を暫く歩いていると広い道へと出た。
拓けた目の前には比較的新しいコンクリートの大きな建物が幾つか建っており、造りを見るに団地のようだ。

それに混じるようにして造りの違う建物が一つあった。
どうやら小学校らしく、校舎に『幽霊が出る学校』と子供の字で書かれた看板が貼り付けられている。
何だそりゃ、とは思ったが見学自由との事で中に入ってみる事にした。

中には誰も居らず不気味な雰囲気が漂っている。
壁に貼られた案内板に従い薄暗くひんやりした廊下を歩いて行くと、突き当たりにガラス張りの大きな扉が見えた。
その扉の前にカメラを持った男の人が立っていて写真を真剣に撮っている。
何があるんだろうとその先を覗いてみると、扉の向こうに広い空間と建物が見えた。

分かりやすく云うなら、校舎の中にもう一つ校舎が入っている感じで例えるならマトリョーシカと云えば想像がしやすいだろう。
相当な奥行きのある其処には、二階建ての木造校舎がたっており狭いけれど校庭のような広場もあった。

カメラを真剣に向けている男の人に声を掛けると、あれが件の幽霊が出る学校で校舎を建て替える際に事故が頻発した為そのまま残したらしいと教えてくれた。

暫くそのまま会話を続け一緒に写真を撮る事にしたが、いつのまにか子供達が集まって来ていて色々話し掛けられた。
その相手をしている内に子供達と打ち解け、じゃあみんなの写真撮ろうと仲良くなった子供三人の写真を撮ってあげる事にした。
思い思いのポーズを決めて満面の笑みを浮かべる子供達にタブレットを向け、シャッターを切る。


その瞬間、目の前に居た子供達が忽然と姿を消した。

驚いて辺りを見回したが子供達は見付からず、側に居た別な子供達も目の前で起きた事に驚き、中には泣き出しそうな子も居た。
慌てて撮った写真を確認すると、真っ白な顔の身体が半分くらい透けた子供が笑顔で写っていて、ああ、あの子達は幽霊だったんだと納得した。

そこで目が覚めた。